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2005年の12月に2週間ほどミャンマーのバガンに行った。
当時ミャンマー在住の日本人が企画してくれたツアーに参加させてもらった。
もしかするとボランティアなどもするかもしれないので、そのつもりで来るように。
ただし、ビザの申請にボランティア活動などと絶対に書かないように。
単なる観光と書かないとビザはもらえないかもしれない。との事だった。
アウンサンスーチー女史軟禁、軍事政権、独裁国家、国連が最貧国だという国。
日本にいるとそういうイメージの報道しかない。
私はどんな恐ろしい国なのかと、少々ビビッていた。
が、聞くと見るとでは大違いだった。
まず、日本より治安はいい。ホームレスも乞食も皆無だろう。自殺する人もいない。
地方の民家には電気も水道もない暮らしだが、カラオケが無くても日常の中に歌がある。
家庭の中には笑い声がある。
小さな子供がもっと小さな子供を抱いていた。
観光地で外国人相手に、絵葉書を買ってくれと来る人は多いが、どの人もみんな押しが弱い。
みな親切で温かい。
ヤフーフォトのアルバム「ミャンマー2005.12月」をご覧下さい。
http://photos.yahoo.co.jp/murotti2005
ただ、今の政情では、ちょっとしたボランティアなどを含む社会的な活動は控えた方がいいらしい。
ややこしい事になるかもしれないそうだ。
という事で、ボランティア活動はできなかった。
ちなみに私の旅行の目的はボランティア活動ではない。
観光が目的なのだ。というか、何でもいいからとにかく行ってみたかったのだ。
ずっと通訳で同行してくれたミャンマー人の○○さんは40歳前後の男性で、90年代の日本(東京)に5年間留学していたという。日本語はペラペラで日本人と会話しているのとかわらない。
東京で5年間暮らした彼に私は質問した。
「もし次に産まれる時に、今の時代の日本か、今の時代のミャンマーか、どちらかから選ぶとしたら、どちらの国に産まれたいですか」
すると彼は迷わず
「日本人のロイさんには申し訳ないですけど、ミャンマーです」と答えてくれた。
私は「それは○○さんがミャンマーで比較的裕福な環境のエリートだからではないですか。どちらの国でも、平均的な環境(家庭)に産まれるとしてもミャンマーがいいですか」とまた質問した。
彼は「それはぜんぜん問題じゃありません。ミャンマーがいいです」と答えてくれた。
東京で5年も暮らした事がある人が、電気も水道もない生活の、その上軍事政権下のミャンマーの方が日本よりいいという。
電気や水道なんかなくてもぜんぜん問題ないですよ。
軍事政権といっても北朝鮮なんかと全然違います。ミャンマー人の軍事政権だからこんなに和やかなんですよ。
むしろいまの政権が、市場経済を最小限にブロックしているからいいという事もいえるのですよ。
(確かにミャンマーには餓死者もいないしホームレスも乞食もいない。犯罪もない。うつ病も自殺者も皆無に近いのではないだろうか)
これからどんどん市場経済が入ってくるでしょう。そして今までお金など殆ど無くても暮らせた人たちも、お金がないと暮らせなくなっていくでしょう。電気が無くても不便に思わなかった人たちが、電気がないと暮らせなくなっていくでしょう。それで余裕がなくなっている現状を私は東京で見て味わいました。ミャンマーもこれからそうなっていくであろう事を憂いでいます。
と彼は語ってくれました。
私は、東京は日本でも特殊な街ですから。と、一応言っておいた。
といっても、ミャンマーのインテリがみな彼のように考えているとは思わない。
かつての日本で、坂本龍馬がシューズを履く欧米に憧れたように(事実は知らない)、ミャンマーのインテリの中にも、欧米や日本の経済的繁栄に憧れを抱いている人は多いかもしれない。
通訳の○○さんも、東京の暮らしを経験していなかったなら、また全然違う考えになっていたかもしれない。
仮にミャンマーの全国民が○○さんと同じ考えであったとしても、
豊富な天然資源や、ゆくゆくは低賃金で雇えそうな労働者を狙う、ハイエナのような資本主義諸国に取り囲まれて、ミャンマーが今(2005年12月)のままで済むはずもないのだろう。
その不安定さに危機感を抱いているミャンマーのインテリは多いかもしれない。
余談
もともと日本人が使っているような歯磨きセットなど必要としていなかった人たちに、歯磨きセットを寄付する事が、果たしてボランティアになるのだろうか。
電気についても同じ疑問をもつ。
単に資本主義諸国の勝手な都合(圧力)で、そういう物を必要とせざるをえない状態に追い込んでいるだけなのかもしれない。
だからそういうボランティアも必要になってくるのだろうと思った。
あ〜、またミャンマーに旅行したい。
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