砂時計の読書日記

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★★★
駐在刑事     笹本 稜平   講談社    2006.7.
 
  警視庁捜査一課の刑事だった江波は、事情聴取の最中に被疑者が服毒自殺を図った責任を負わされた。
刑事という職業にしがみつくまでもなく、青梅警察署水根駐在所の空きに渡りに舟と飛びつく。
そこでは山に詳しい駐在さんを望む地元の意向なのか、旅館の池原親子に山を教え込まれていく。
奥多摩で事件が起こり、捜査に乗り込んで来たのは、因縁の元上司、キャリアとしての出世しか頭にない加倉井だった。
奥多摩での捜査には、山に地元に馴染んでいることが必要とされる。
駐在として、元刑事として、再び自らを取り戻せるのか。
 
   「終わりのない悲鳴」
女性の滑落死体は、自殺か他殺か。
破産手続き中で、宝くじを所持していた彼女に線香を手向ける若い女性は・・・
 
   「血痕とタブロー」
地元に住む著名な洋画家の様子を、地元の子どもが心配していた。
訪ねてみると本人は不在で、絵は処分され、血痕が残され、外国人の訪問が目撃されていた。
 
   「風光る」
老年性欝で自失している人物が殺人を犯したのか。
 
   「秋のトリコロール」
休日の北鎌尾根縦走中に、装備不十分な単独行の子どもと出会い、同道することになった。
かなりの山の経験があるようだが、無謀な行動の真意は・・・
 
   「茶色い放物線」
子どもたちがプール倉庫で保護した犬を、取得物として駐在所に持ち込んできた。
新聞やビールを運んだりするこの犬は一体・・・
 
   「春嵐が去って」
事故車の発見通報に駆けつけたが、まだエンジンの熱が残っているのに人はいない。
本署にコールすると、子どもを乗せたまま盗難にあった車だと判明。
乗り込んできて捜査を指揮する加倉井は、誘拐事案として派手な山狩りを命じようとするが・・・
 
 
警察&山岳小説。
短編6編。
 
『還るべき場所』 に続いて2冊目になる。
 
23区から奥多摩まで警視庁管轄内なんだなぁと、“東京” のバリエーションを思った(笑)。
山岳小説を得意とする作家さんらしく、風景の描写が美しい。
「秋のトリコロール」 は非番の日の話とあり、ほぼ警察は関係ない山岳小説で、全体を通して読むと、やはり警察小説が好きなのであって、山岳はその味付けとしての興味なのだと再認識した。
 
元捜一の刑事が奥多摩の駐在所所長さん。
そこへ本庁が乗り出してくるような事件が起きる度に、何故か、因縁ある元上司・加倉井が捜査指揮官としてやってくる。
好意的な後輩が現場にいるので、なんとか加倉井が思い込んだ方向へだけにいかないように、あれこれと動く。
少々同じパターンに飽きはくるが、事件を扱っていても謎解きより人間ドラマとして描かれているので、ほっとできる。
警察小説と山岳小説が程よく融合されていて、ハイテクなど関係なく、時代を感じさせない奥多摩らしい事件でない事件の数々を楽しく読んだ。

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