砂時計の読書日記

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★★★★
鉄鼠の檻   京極 夏彦  講談社 1996.01.
 
 本業の依頼で、箱根山中の旅館を拠点にしばらく古書の調査をすることになった京極堂は、妻と関口夫妻を旅行にと誘う。
一方、骨董商の今川も、僧を相手にした商談で箱根にやって来ていた。
滞在する仙石楼には、東京での一件以来隠居した、医師の久遠寺が居候をしていた。
さらに、明慧寺という寺を取材するために、京極堂の妹・敦子、同僚記者・飯窪、カメラマン役として鳥口らも、箱根を訪れていた。
明慧寺は京極堂ですら、その存在を聞いた事がないという謎の巨刹だった。
その巨刹は、宗派の違う僧侶たちが集う、完全に外界と隔たれた世界だった。
そして皆が口を濁す、振袖の童女や閉じ込められた男の影・・・
仙石楼の庭に忽然と出現した僧侶の死体を皮切りに、箱根に起きた奇怪な事象と惨劇。
巨刹で次々と人死にが起こった、その動機とは・・・
 
 
長編ミステリィ。
京極堂シリーズ第4弾。
 
相変わらずに1冊が分厚く物理的な読み難さは、もうこのシリーズを読んでいると気分を象徴する(笑)。
中善寺夫妻と関口夫妻の旅行ではじまった本作は、京極堂の本業もしっかり関わり、普通っぽい入り易さだった。
忽然と現れた死体の解明に、早くから破天荒探偵・榎木津が登場したのも、ノリ良く読み進められた。
ところが油断したところに登場した、京極堂が対峙する憑き物の根源は “禅” である。
正しく、禅問答。
宗派ごとの違いや、成り立ちなど知る由もない身だが、予想外に結構楽しめた。
いやまったく頭に残っておらず、その場限りなのだが。
憑き物に関しては、修行を積んできた僧侶を相手に、禅問答モドキ?で論破?してしまう京極堂に、これまで以上に口はあんぐりあいたまま。
時代を遡った宗派それぞれの思惑、取り残された者と、そこに夢を見た者と、明慧寺の背景も話を支える重みがあった。
大筋も良かったし、そこにこれまでのシリーズに登場した、骨董商の今川、医師の久遠寺、「稀譚月報」 取材の面々が細かく絡んでくるのも好かった。
 
インパクトという点では 『魍魎の匣』 が上だが、ここまでのシリーズベストは間違いなく本作である。
箱根近辺の大鼠の噂にまで、きちっと現実的オチをつけてのラストも好みだった。
 
 
『陰摩羅鬼の瑕』 http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14347659.html
『塗仏の宴 宴の支度・宴の始末』 http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14079449.html 

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ミステリ的には『姑獲鳥の夏』が最高傑作だと思っているのですが、こちらも甲乙付けがたいほど好きな作品です。本作の世界観、味わい深い雰囲気がなんとも大好きなんですよね^^
箱根に行って、これが鉄鼠の檻かってつぶやいてみたいです(笑

2016/2/7(日) 午後 11:26 [ ワンビート ]

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「鉄鼠〜」、好きなんですよー。このシリーズの中では比較的読みやすい気がします。他のは流れが複雑ですもん。(でも好きですけど)
砂時計さんの「まったく頭に残っておらず、その場限り」に非常に共感しました(笑)京極シリーズ、すごく面白く読むのに、頭に残ってないのはなぜだろう…。でもそのおかげで何度でも楽しめますよ(笑)

2016/2/8(月) 午前 0:11 [ sinobu ]

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>ワンビートさん
このシリーズはシリーズの中でどちらがより好きかで、★をつけるしかありません。
箱根かぁ、温泉後にのんびりこの本を手に世界観に浸りたいですね〜

2016/2/8(月) 午後 9:11 [ 砂時計 ]

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>sinobuさん
そうそう、比較的読みやすいですよね。
時代背景を取り入れているのが、味わい深さを増したように思いました。
このシリーズはいずれは必ず再読するつもりです (^-^)

2016/2/8(月) 午後 9:14 [ 砂時計 ]


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