砂時計の読書日記

YAHOO!を表示しようとするとフリーズばかり・・・ ブラウザ変えるべき?

全体表示

[ リスト ]

『所轄魂』 /笹本稜平

★★★+
所轄魂   笹本 稜平   徳間書店   2012.1.
 
 妻を突然に亡くし、捜査一課から身を引いた葛木は、城東署の強行犯係長となっていた。
管内の公園で若い女性の絞殺死体が発見され、特別捜査本部が設置された。
捜査の指揮を執るべく、警視庁捜査一課から本部に着任した管理官は、26歳のキャリア警察官で、今回が初指揮となる葛木の一人息子・俊史だった。
同時に捜査一課から出張ってきたのは、捜査態度の苛烈さとチョウバ壊しで知られる、十三係の山岡とその部下たち。
俊史を飾りとみなし、実質の指揮を執ろうとする山岡は、所轄警察官を完全に見下し、部下らは一般市民に恫喝まがいの聞き込みをする。
十三係と所轄組、今にも二つに割れそうな本部を、俊史は私心無い率直さでギリギリのバランスで引っ張るのだった。
そんな中、再び若い女性の絞殺死体が発見され、乱暴された形跡なく、靴を履いていないという共通点から、連続事件と判断された。
第1第2の事件とも、被害者の身元が判明せず、捜査が進まない中、遺体遺棄現場が水辺に近く、水路をカヤックやボートを使った可能性が浮かぶ。
犯人逮捕を第一に、犯行の手口を公にせず、水辺に集中的に張り込むべきか。
それとも、第3の犯行阻止を第一に情報公開をすべきか。
管理官としての俊史に、選択が迫られる。
一方で、靴フェチの過去の犯歴から、一人の男が容疑者として浮かび上がる。
所轄刑事らの地道な捜査は、本庁一課のヤツらの勝手にはさせない、所轄の意地を掛けたものとなっていった。
 
 
長編。
警察小説。
 
400頁と少しの長さは、特に長いものではないが、頁が文字でびっしり埋まった感じで、なかなかに読みでがあった。
所轄に設置された特別捜査本部を舞台に、本庁 vs 所轄、キャリア vs 一課係長、そこに父息子、一課長と係長の関係などが絡められた、王道的警察小説である。
誰がどういう考え方とか、誰が誰の側とかは、勧善懲悪とまでは言わないが、かなりはっきりしているなかで、捜査本部が割れる訳にはいかず、どう落としどころとするかの繰り返しで、捜査方針が決められていく。
26歳のキャリア警察官である俊史が、いわゆるキャリアっぽさのない素直な青年というのが、話のひとつのポイントなのだろう。
連続性、真犯人など、事件も程好く難しくなっていて読み飽きることはなかったが、事件よりも警察内部の対立が主に思えた。

事件の無事解決に読了して爽快というには、ややくどさがあったが、読み応えとしては好かったと思う。
シリーズになっているのだが、初だからこそくどさも好しだったが、さて今後はどうなるのだろう。
 

.


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事