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若桜鉄道うぐいす駅 門井慶喜
2012年 徳間書店 1800円

このごろ鉄道雑誌の音訳にかかわっているので、第3セクター鉄道なんていうのにも詳しくなりました。

廃線の危機を乗り越えて存続した若桜線のうぐいす駅の駅舎は、フランク・ロイド・ライトの設計と伝えられている立派なものではあるが、本当に文化財なのか、保存か取り壊しかで村中が揺れている。歴史学専攻の大学院生である主人公が村長選に巻き込まれ、・・どんでん返しもあって、軽う〜く楽しめました。

ところで、非電化路線の若桜線に走るのは気動車であって、電車とは言わないのに、電車って言ってる所があります。・・なんて鉄子を気取ってみましたが、じつは、音訳で鉄道写真の説明をするときについ間違えてしまう点なんです。鉄道の素人はディーゼルだろうとSLだろうと、列車をみるとつい「電車」って言ってしまうので、読者の鉄道ファンにいつも注意されます。

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図工準備室の窓から 岡田 淳
2012年 偕成社 1400円

大学卒業後定年まで38年間、現役の小学校の図工の先生だった児童文学作家のエッセイ。

『扉の向こうの物語』がとっても良かったのですが、現役の先生のままで実にたくさんの物語を書いているんですね。その秘密がこのエッセイを読んで少しわかりました。子どもたちと同僚の先生との出会いが、数多くの物語を生んだのですね。

現実には今の小学校の先生は忙しくていろいろ大変なことがあるにきまってるけれど、そして、兵庫の小学校にいたのだから震災ということもあったけど、それでもあえて楽しいことを目いっぱい拾い上げて、面白くて楽しくて、ちょっとホロリのエッセイです。トイレの花子さんの話は爆笑。



図工の専科の先生といえば、小学六年生の時(大昔です)、一学期の初めにわが6年4組には担任がいなくて(なんだか人事のもめごとだったらしいが小学生には関係ない)、毎時間違う先生が来ては授業をしていました。二ヶ月ほどたってやっと、若い図工の専科の先生が担任になりました。算数を教えるのが大変だったという話を後から聞きましたが、いろいろ面白いイベントを考えてくれて、毎日楽しく小学校生活を終えました。教科内容は遅れまくっていたらしいけど、小学生にはそんなこと関係ないものね。楽しい小学校時代でした。だから図工の専科の先生というだけで、懐かしいんです。

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残穢 小野不由美

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残穢 小野不由美
2012年 新潮社 1600円

実話収集ホラーである『鬼談百景』にリンクした作品として同時に出版された『残穢』。
『鬼談百景』はあまり怖くなかったので、これもそんなに怖くなかろうと軽い気持ちで夕食後に読み始めたのですが、話が進んでいくうちにじわじわと怖さが這い上がってきました。

ドキュメンタリー風のホラーです。語り手は小野不由美自身。あるマンションの一室で起きた怪異を、住人である久保さんとともに追いかける。怪異といっても、なんとなく気配があるという程度。かすかな音、眼の端をちらっと横切るような気配、どこからか聞こえる赤ん坊の泣き声。気のせいなのか、恋猫の声なのか、はっきりとは分からない。

マンションの住民、転居先、周囲の家、一代前の住人、地域の歴史と探索の手を広げていくが、かすかな怪異のみで、特別な何かがあるわけではない。何かが伝染するように、かすかなつながりは、明治大正時代の九州のある事件にまでたどれるのだが、でもそれが怪異の理由であるかどうかは、まったくわからない。

何か分からないものの残穢が、ほとんど何もない日常に訳もなく現れまた消えていく。そのかすかな違和感を語れば、それが怪談になっていくのでしょうか。登場するホラー作家平山夢明氏に「怪談というのは、語ること自体が怪だという側面がある。怪談の内容の問題ではなく、ある怪談について語ること、そのものに怪しいものが潜んでいる」と語らせています。

じわじわと怖いのに、著者も久保さんも調査をやめることができない。それと同じように読んでいる私も、真夜中を過ぎても読むのをやめられない。だって今やめたら怖くて眠れないに違いないから。

ベッドの中にいるのに背筋に寒さを感じて、エアコンのスイッチを入れたら、ミシッと壁が鳴る・・・ひゃあああ・・・エアコンの取り付けた壁は部屋が暖まるといつも音がするんですが・・・今夜ばかりはご勘弁を・・・・夜中に一人でホラーを読むなんて最悪の事をやってしまいました。

・・・・怖いので別の話で気を紛らわします。小野さんの夫も小説家だという話が出てきて、誰だろうと検索したら、綾辻行人だそうで、知らなかったわあ〜。

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密室収集家 大山誠一郎
2012年 原書房 1600円

本格といわれる分野のミステリが5編。ずいぶん前に返却したので、細部は思い出せないが、年代だけはメモしておきました。

『柳の園』1937年
『少年と少女の密室』1953年
『死者はなぜ落ちる』1965年
『理由ありの密室』1985年
『佳也子の屋根に雪ふりつむ』2001年

60年以上にわたって、どれも同じ「密室収集家」という探偵が現れては、あっという間に密室の謎を解いてしまう。探偵さんは年をとらない・・・っていうのは、よくあることで、まったく年をとらない「密室収集家」とは何処の誰なのか?なんてことはどうでもいいのであって、ただひたすらに密室の謎がロジカルに解かれる点が強調される。密室の物理的な仕掛けではなくて、叙述に仕掛けがある。

うすぼんやりの読者としては、謎ときについて行くのが精いっぱい。言われてみればそうその通りで、よくできた密室だと思う一方で、そんなに都合のいいことってあるのお〜とも思う。が、舞台となる時代の雰囲気がよく出ていて、(解決も早くて)飽きませんでした。

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ヒトはなぜ難産なのか 奈良貴史
2012年 岩波書店 岩波科学ライブラリー 1200円

副題は『お産からみる人類進化』
ヒトは、他の哺乳類に比べてダントツに難産だ。原因はヒトとして進化したからだ。直立二足歩行をするために骨盤の形が変化し、また脳の容量が大きくなって産道につかえるようになって、さらに女性の骨盤が変形していった。さらに、他の霊長類に比べて未成熟で生まれてくるのは、胎児が産道を通れるギリギリの大きさが妊娠期間を決めるからだ、つまり、ヒトの難産は人類進化のトレードオフなのだ、ということが、分かりやすく述べられています。

ヒトは進化の過程でどの辺から難産になったのか、という視点で人類進化を論じている点、お産の文化人類学、民俗学にも言及していて、とても面白かった。さらに、ヒトの進化の今後として、「もし医療技術の進歩で安全な帝王切開術が確立され、100%の産婦がそれを選んだとしたら、遠い将来、人類のほとんどが正常分娩が不可能な体の構造に変わって、進化の袋小路に迷い込むかも知れない」という言葉に、なるほど!と思いました。

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