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ヴァイキングメタル(略してヴァイキング)とは北欧神話や、戦いに明け暮れるヴァイキング(海賊)を主要においた音楽である。演奏としてはノイジーでカオティックで、物悲しげなキーボードのメロディが多用されることもあるため、時には”ゆったりとしたブラックメタル”などと言われることもあるが、実のところフォークメタルのような要素もあり、音楽的源流は多種多様である。
クリーン・ヴォイスによる歌唱をメインにスクリームやグロウルが使用されることもあってか、確かに音楽的にはブラックメタルの要素から大きな影響を受けているが、むしろペイガンや古代スカンジナビアを題材にした歌詞や図像を用いており、ブラックメタルにありがちな反キリストやサタニズムといったシリアスなテーマではない。
ちなみに、ここでは深い縁のあるフォークメタルも取り上げるとする。
<ヴァイキングメタル>
【AMON AMRTH】
北欧スウェーデン出身のヴァイキング・メタル・バンド。メロディック・デス・メタルにカテゴライズされることも多々あるが、歌詞的なコンセプトは明らかにヴァイキングそのものだ。
【ENSLAVED】
北欧ノルウェー出身のヴァイキング/ブラック・メタル・バンド。試行錯誤を重ねている間にプログレに変遷したり、時にはPINK FLOYDとの近似性を指摘されたりと、器用な面を持っている。2012年初めて国内盤がリリースされた。
【WINTERSUN】
メロディック・デス・メタルの要素ある北欧フィンランド出身のヴァイキング・メタル・バンド。特にENSIFERUMと親交が深いことでも知られている。
【TURISAS】
北欧フィンランド出身のヴァイキング/フォーク・メタル・バンド。メンバーほぼ全員が、ウォーペイントと呼ばれる赤と黒のペイントを顔に塗っていることや、ヴァイオリンとアコーディオン奏者を擁した勇壮なメロディを提示することで知られており、音楽的にはMANOWARから多大な影響を受けている。
【MANEGARM】
スウェーデン・ノルテリエ出身バンド。バンド名は北欧神話に登場する狼・マーナガルムに由来する。かつてはDRAGONLANDと同じく、ドラマーのエリク・グラウシオがメイン・ボーカルも兼任していた。
【UNLEASHED】
スウェーデン出身のデス系ヴァイキング・メタル・バンド。母国スウェーデンのデス・メタル・シーンに影響を与えた先駆者として知られており、またヴァイキング文化やキリスト教伝来以前の世界への回想、北欧神話の伝承などをテーマとした音楽を展開しているのが最大の特徴。
<フォーク・メタル>
【SKYCLAD】
この手のジャンルの開拓者。へヴィメタルに世界各国の民謡を取り入れたジャンルで独自性をアピール。ちなみに、初期はスラッシュメタルの典型だった。
【KORPIKLAANI】
当初は伝統的な民族音楽、サーミ語の歌詞、ヨイクと呼ばれる発声法で独自性をアピールしていたが、世界進出に伴って抑制するようになる。日本でAVALONからリリースされるとともにフォークメタルにカテゴライズされた。
【ENSIFERM】
フィンランド・ヘルシンキ出身のフォーク・メタル・バンド。同郷のNORTHERやWINTERSUNなどのメロデス、WALTARI、TURISUSやSINERGYらと関わりのあるメンバーで構成されている。初来日公演は2005年と、それほど新しくない。
【AGALLOCH】
1995年にアメリカ合衆国・オレゴン州ポートランドで結成されたフォーク・ブラック・メタル・バンド。2016年にバンドのFacebook上で解散を発表した。
【BLACKGUARD】
カナダ・ケベック州モントリオール出身のメロデス/フォーク・メタル・バンド。2001年〜2002年まではPROFUGUS MORTISというバンド名だった。
【FINNTROLL】
フィンランド・ヘルシンキ出身バンド。フォークメタルとブラックメタルをうまく組み合わせた音楽が特徴となっており、楽曲の歌詞は「Madon Laulu」を除いてすべてスウェーデン語で書かれている。
【FOLKEARTH】
リトアニア出身のルスラナス・ダニセフスキス(Vo)によって結成されたフォーク/ヴァイキング・メタル・バンド。固定メンバーはそのルスラナス・ダニセフスキス(Vo)だけで、世界中の他のメタルバンドで活動しているミュージシャンたちが集まって結成されたプロジェクト・バンドである。アルバム毎に様々なミュージシャンが参加する。その際にも参加する人数が多いという特徴がある。
【ELUVEITIE】
民族楽器を大幅に取り入れたフォークメタルで、ライブではサポートを含めた大所帯で活動しているスイス出身バンド。バンド名はガリア語で『スイスに住んでいたケルト人』という意味がある。
【HYPOCRAS】
3回の来日経験がある笛をフィーチュアしたスイス出身のフォーク・メタル・バンド。来日は積極的だが、ただ演奏があまり上手くなく、その笛のメンバーの存在感だけでインパクト絶大というバンド。全体的に演奏力はかなり低く、いきなりギターがミスってズッコケるということもなきにしに非ず。
【ABINCHOVA】
2005年に活動をスタートさせたスイス出身バンド。女性ヴァイオリニストがいるという贅沢なバンドだが、しかし、知名度は決して高くない。
【WIND ROSE】
イタリア出身のヴァイキング・タイプによるエピック・フォーク・メタル・バンド。2018年に1月にPAGAN METAL HORDE VOL.2で初来日を果たす。
…などと、このようにヴァイキングメタルにカテゴライズされるバンドはそう多くなく、実際ヴァイキングメタルだけで他の音楽的要素は存在しない、というバンドはほとんどないため、メロデスだったり、ブラック・メタルだったり、時にはフォークメタルにカテゴライズされることも多々ある。
私的にこういったサウンドはあまり得意ではなく、バンドの基本データ以外はよく知らないのが実情。実際、人気が偏っているためか、日本での活動もそれほど精力的ではないので、知っている人はほとんどいないだろう。ここで取り上げたバンド名をただ眺めただけでは「誰なんだ?」という反応を示すことも少なくないはず。
一方フォーク・メタルに至ってもバンド数自体がそれほど多くなく、知らないことがほとんどであろう。日本でも活動はしているが、あまり精力的ではないのが実情。
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