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モダン・へヴィ・ロック/エクストリームメタル(略してエクストリーム)とは、おもに正統派HR/HMに重心の低いサウンドを盛り込んだ音楽を言う。ギター・リフがへヴィであったり、ドラム以外にパーカッションと呼ばれる打楽器を激しく打ち鳴らしたり、アーティストによってはデス・ヴォイスを取り入れること以外に決まりきった定義は存在しないが、特にPANTERAのようにグルーヴ感を強調したり、一方でSLIPKNOTのようにノイズを駆使してパーカッションの連打でもって大地を揺るがすほどの低い音を出すバンドも存在する。
【PANTERA】
もともとはDEF LEPPARDのパクリ・バンドであったが、90年代にへヴィロックと呼ばれるジャンルで一世を風靡したアーティスト。のちにグルーヴ感のある低いサウンドを提示して見せたことによって多くのバンドが模倣したが、結果的に成功には至らなかった。フィル・アンセモの薬物使用が原因で2003年永眠。2004年ダイムバック・ダレルが射殺されたため、再結成は不可能となった。
【MACHINE HEAD】
PANTERAに続けと言わんばかりにデビューしたバンド。2000年代に入るとNU METALのブームが到来したことによって契約を解除される。息を吹き返したのは奇しくもSLIPKNOTがデビューした後だった。この一連の流れにより、かつてグランジ/オルタナと呼ばれたジャンルは跡形もなく消滅した(音楽の呼称としては残っている)。ちなみに、2018年9月にフィル・デンメル(G)とデイヴ・マクレイン(Dr)が脱退して解散が発表された。これにて90年代へヴィロックの音楽性は完全に終焉を迎えた。
【SLIPKNOT】
9人のメンバー全員がマスクを被った猟奇的集団。ギター、ベース、ドラムの他にサンプリング音を出すメンバーがおり、楽曲を彩る反面、パーカッション(打楽器全般)と呼ばれる巨大ドラムを激しくたたいて大地を揺るがすほど低い音を出すのが特徴。アルバムは本国アメリカで国内チャート最高第1位を記録し、人気を博している。 【AVENGED SEVENFOLD】
アメリカ・カリフォルニア州ハンティントンビーチで結成されたバンド。音楽性はメタルコア〜メロディック・パワー・メタル〜モダン・へヴィ・ロック〜エクストリームメタルに変遷している。
【TRIVIUM】
日系アメリカ人のマシュー・キイチ・ヒーフィー(Vo&G)率いるアメリカ・フロリダ州オーランド出身バンド。音楽性はスラッシュメタル/メタルコア〜モダン・へヴィ・ロック〜メロディックメタル/エクストリームメタルに変遷している。
【CHILDREN OF BODOM】
フィンランド・エスポー出身バンド。当初はSTRATOVARIUS直系のネオクラ系メロディック・デス・メタルとしてメロデス四天王の一角と目されていたが、現在はモダン・へヴィ・ロックに変遷している。
【DARKANE】
元ARCH ENEMYのピーター・ウィルドアー(Dr)が率いるスウェーデン出身のメロデス/デスラッシュ・メタル・バンド。現在、音楽性はモダン・へヴィ・ロックに変遷しているが、その方法はデスラッシュ・サウンドをいったんスラッシュメタルに戻して、そこに叙情的なツイン・リード・ギターを重ねるという手法で開拓した。
【KORN】
モダン・へヴィ・ロックの開拓者との呼び声高いバンド。へヴィメタルにヒップホップを加えたサウンドで、NU METALの基礎となったミドル・テンポのビートと重低音を著しく強調したサウンドを提示している。
【LINKIN PARK】
日系アメリカ人の血を引くマイク・シノダ(篠田)と、チェスター・ベニントン(Vo)が率いるバンド。HR/HMにカテゴライズされることさえ微妙なサウンドだが、多種多様な音楽性からの影響を受けている。かつては”ラップロック”と呼ばれていたものの、バンド側はその分類を否定している。
【RAGE THE AGAINST MACHINE】
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス出身バンド。LED ZEPPELINのようなブルーズ・ハード・ロックにラップ調のビートを混ぜ合わせた音楽性で当時「LED ZEPPELINとパブリック・エナミーの融合」と呼ばれた。マルコムX、チェ・ゲバラ、マーチン・ルーサー・キング・ジュニアなどから思想的影響を受けた政治メッセージを持つ歌詞が特徴となっており、ライヴではしばしばチェ・ゲバラの肖像画が掲げられ、アンプの前などに星条旗が逆さまに吊るされた。2011年に活動休止を発表。
【DISTURBED】
BLACK SABBATHのオジー・オズボーンからのお墨付きを得たバンド。2011年に活動を停止していたが、2015年に活動を再開した。
【HATEBREED】
メタルコアの要素あるスラッシュメタル寄りのサウンドで独自性のある音楽を開拓。SLAYER人脈のあるバンドとして知られている。
【CREED】
アメリカ合衆国・フロリダ州タラハシーで1995年に結成されたバンド。これまでのCDセールスが全米で2,600万枚、全世界では3,500万枚を超えるなど、発表した3枚のオリジナル・アルバム全てがマルチ・プラチナムを売り上げたモンスター・バンドとして知られている。2004年に解散し、解散メンバーを中心にALTER BRIDGEを結成。2009年にオリジナルメンバー4人での再結成を発表した。
【ALTER BRIDGE】
元CREEDのメンバーを中心に結成されたバンド。この手の音楽は日本では流行せず、実際メンバーもLED ZEPPELINやU2といったアーティストからの影響を口にしているため、典型的なヘヴィメタルではないが、CREEDをややメタル寄りにしたグランジ/オルタナ系の音楽は本国アメリカを中心とした欧米で多大な支持を受けている。
【LAMB OF GOD】
アメリカ合衆国・バージニア州・リッチモンドにて結成されたバンド。LOUD PARK 06を含めて5回の来日経験がある。音楽的にはグルーヴ、デス、スラッシュ、メタルコア、オルタナと多種多様なジャンルからの影響がある。
【DAMAGEPLAN】
元PANTERAのヴィニー・ポール(Dr)とダイムバック・ダレル(G)によって結成されたバンド。Voに迎えられたのは元HALFORDのギタリストであったパトリック・ラックマン。2004年12月8日オハイオ州コロンバスのライヴハウスでダイムバック・ダレル(G)が射殺されたことにより、活動不可能となってしまった。
【HELLYEAH】
2006年にアメリカ合衆国・テキサス州ダラスで元PANTERAのヴィニー・ポール(Dr)を中心に結成されたバンド。彼らは「地獄イエー」という極めて単純でフザけたバンド名であるが、結成当初はポストPANTERAと呼ばれ、現在もグルーヴ感のあるスラッシュ寄りのサウンドを提示して人気を博している。
【MARILYN MANSON】
道化師マリリン・マンソンが率いるバンド。一世を風靡するとともに物議を醸したことも少なくない。この手の音楽の代表と言えるバンドで、悪魔崇拝などの危険人物としても恐れられるアーティストとして知られている。
【STONE SOUR】
SLIPKNOTのコリィ・テイラー(Vo)とジェイムズ・ルート(G)が、SLIPKNOTに加入する以前に起ち上げ、活動していたバンド。そのため、プロジェクト的な意識はなく、パーマネントなバンドとして人気を博している。
【THE BLACK DAHRIA MURDER】
アメリカ合衆国・ミシガン州デトロイトで結成されたバンド。AT THE GATESやSOILWORKの他に、アメリカらしくMORBID ANGELなどのフロリダ・デスメタルの影響を受けている。好きなバンドはCARCASSやEMPERORを挙げている。
【GOD MASK】
アメリカ・マサチューセッツ州ローレンス出身バンド。グランジ/オルタナ系の他にインダストリアル・ミュージックの要素を併せ持っている。
【MUDVAYNE】
アメリカイ・リノイ州ピオニア出身バンド。オルタナの典型で、日本では見向きもされなかったが、全米チャート第2位の前作に続いて第15位を記録した。
【NICKELBACK】
カナダ出身にしてグランジ/オルタナ系の典型的バンド。全世界で4,000万枚以上のアルバム売り上げを記録し、特に本国カナダで人気を博しているが、グランジ/オルタナ系が敬遠されやすい日本ではさっぱり売れなかった。
【PROTEST THE HERO】
カナダ・オンタリオ州を拠点に活動するバンド。メタルコア、ハードコア、プログレの要素を持ち合わせている。
【RED】
カナダ・オンタリオ州を拠点に活動するバンド。メタルコア、ハードコア、プログレの要素を持ち合わせている。
【STAINED】
カナダ・オンタリオ州を拠点に活動するバンド。メタルコア、ハードコア、プログレの要素を持ち合わせている。
【STORY THE YEAR】
アメリカ・ミズーリ州セントルイス出身バンド。パンク/ハードコアの要素を持っており、典型的なHR/HMとは違うような気がするものの、彼らの音楽は魅力にあふれているが、本国のセールス自体がほとんど記録に残っていないほど恵まれなかった。
【TOOL】
ネガティヴ志向のグランジ/オルタナ系にあって、明朗な世界観を打ち出した躍動感のあるへヴィメタル寄りのサウンドが特徴となっているアメリカ・ロサンゼルス出身バンド。本作は本国で初登場第1位を記録したが、彼らを知るHR/HMマニアはほとんど存在しないであろう。
【PROJECTED】
SEVENDUST、ALTER BRIDGE/CREED、TREMONTIのメンバーによるスーパー・バンド。音楽性はハードロックやオルタナ系の要素がある。
【SKINDRED】
ダブ/レゲエ/ヒップホップ/ハードロック/パワーメタルをミクスチャーしたようなへヴィ・ロック・サウンドが印象的なイギリス・ニュー・ポート出身バンド。メンバーの風貌をそのまま表すバンド名がインパクト大だ。
【MASTODON】
ドゥーム/ストーナー系、サイケ、プログレ、オルタナ・ロックの要素があるアメリカ合衆国・ジョージア州アトランタ出身バンド。セカンド・アルバム『LEVIATHAN』はハーマン・メルヴィル『小鯨』をテーマとしたコンセプト・アルバムでKerrang!誌の年間ベストアルバムに選ばれた。
【SONS OF TEXAS】
アメリカ合衆国・テキサス州マッカレン出身バンド。2015年3月3日にデビューし、デビュー・アルバム『BAPTIZED IN THE RIO GRANDE』によって、いきなりビルボード・チャート第10位にランクインした。音楽的にはグランジロック、オルタナティヴロック、グルーヴメタルの要素がある。
【BUTCHER BABIES】
アメリカ合衆国・カリフォルニア州ロサンゼルス出身バンド。女性ツインVoが最大の特徴で、音楽的にはスラッシュメタル、メタルコア、グルーヴメタルの要素がある。
【FIVE FINGER DEATH PUNCH】
この手の音楽でもモロにSLIPKNOTフォロワーのバンド。ゾルタン・バソリー(G)がドナルド・トランプ大統領を支持して物議を醸したことでも有名で、アイヴィン・ムーディ(Vo)がアルコール依存症でリハビリ入所したものの、結束は固い。
【PETBRICK】
イギリスのブレイクコア・アーティスト、ウェイン・アダムスと元SEPULTURAのドラマーにしてCAVALERA CONSPIRACYでも知られるイゴール・カヴァレラによるユニット。歪んだベースとノイズに強烈なビートが叩き込まれるエレクトロニクス・パンクを彼らの音楽性の持ち味としている。
…と、このようにエクストリームメタルは一概に決めつけられないのが特徴で、音楽性は多岐にわたっている。特に欧米ではエクストリームメタルというと、デス・ヴォイスさえありゃなんでもかんでもエクストリームメタルにカテゴライズされているが、ここではあえて”サウンドがへヴィ”であることにこだわった。私が学生時代に最も人気を博していたジャンルであり、ほとんどのバンドの音楽をリアルタイムで聴いている。90年代HR/HM世代というとメロディック・パワー・メタルのイメージだが、私は90年代後半から聴いてきただけあって、90年代前半から聴いていたファンとは一線を画す趣向を持っているといっても過言ではなく、これが、私が常々述べているようにアメリカのバンドの音楽を聴きまくっていたという最大の理由でもあり、当時はエクストリームメタルも聴いていたところが大きい。 |

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