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デスメタル/ブルータル・デス・メタル(略してデス/ブルデス)とは、音楽がメロディをつけて抑揚を出すという本来あるべき姿に対し、メロディを極限まで削ぎ落としながら、暗黒世界観やパワー感といった要素を前面に押し出したものである。
一言でパワーといってもメロディック・パワー・メタルやメロディック・デス・メタルのようにツー・バス・ドラムを連打すること自体は同じだが、叩き方が大きく異なっている。擬音語で言うとメロディック・パワー・メタルが「ダカドコダカドコ」で、メロディック・デス・メタルが「ドカドカ/スタスタ」と激しく打ち鳴らすのだが、一方デス/ブルデスの場合は「ズドドドドドド」というように、とにかくリズム感がほとんどないのが特徴である。楽曲の進行も「ヴァース→ブリッジ→コーラス」という順番を無視したものが多いのも最大の特徴だ。
【MORBID ANGEL】
この手のジャンルの開拓者。もともとSLAYERにあったデスメタル的な要素を前面に打ち出し、メロディを極限まで削ぎ落としたサウンドで注目を集めた。
【OBITUARY】
まるでゲロを吐いているかのようなばっちい濁声のVoが特徴のバンド。バンド名は「死亡記事」。激速のジャンルにあって、多くのバンドがブラストビートを用いる反面、彼らは泥沼を這いずり回るような遅くて重いサウンドを間に取り入れることによって独自のデス・メタル・サウンドを打ち出して見せた。
【CANNIBAL CORPSE】
この手のジャンルの中でも凶悪な部類に入るブルータル・デス・メタル・バンド。ブラストビートの多用、地獄を超越せんとする咆哮、歌詞世界による背筋が凍るほどの苛烈さなど、どれをとってもデスメタルを極限まで突き詰めたかのような凶暴さが滲み出ている。
【ENTOMBED】
北欧スウェーデンは首都ストックホルム出身バンド。スウェーデンにおけるデスメタルの先駆けとして知られ、のち国内で勃興するメロディック・デス・メタルにも大きな影響を与えた。単なるデスメタルには留まらないさまざまな音楽的要素を取り入れた楽曲を提示するのも彼らの魅力の一つである。
【CRYPTOPSY】
地獄の番犬ことロード・ワーム(Vo)含むCANNIBAL CORPSEフォロワーのカナダ・ケベック州モントリオール出身バンド。苛烈で激烈なサウンドを提示し、注目を集めているが、かつてLOUD PARKに来日した際、怖いもの見たさで見に行ったファンも少なくなく、これぞとばかりの機会にお気軽に見に行った人のほとんどが圧倒された。
【DEICIDE】
アメリカ・フロリダ州タンパを拠点に活動するバンド。バンド名は「神殺し」。アンチクライストや悪魔崇拝を掲げているが、音楽的にはデスメタル。おもにSLAYERから影響を受けている。
【DEATH】
バンド名もモロにズバリのアメリカ・フロリダ州はオーランド出身バンド。デスメタル創生期に活躍したとあって決して歴史は浅くないが、当時はデスメタルが確立されていなかったため、人気面において恵まれなかった。最盛期は1990年代に入ってからで、多くのバンドが彼らのバンド名にちなんで自分たちの音楽を「デスメタル」と名付けたともいわれている。
【HATE ETERNAL】
元MORBID ANGELや元CANNIBAL CORPESのメンバーで構成されているバンド。アメリカ合衆国・フロリダ州タンパに拠点を置いている。
【NILE】
博物館の専門職員と書簡のやり取りをするほどの研究熱心なブルータル・デス・メタル・バンド。エジプトのような中近東の音楽を融合させたサウンドが特徴。
【NAPALM DEATH】
イギリス出身のデス/グラインドコア系バンド。このバンドを脱退したメンバーはCATHEDRALやCARCASSなどといったバンドで名声を得ている。特にBURRN!の執筆で知られることとなるリー・ドリアン(Vo)総帥が在籍していたことは有名。
【DISMEMBER】
スウェディッシュ・デス・メタルの先駆者として知られ、特にCARNAGE人脈を中心に結成されたバンド。黎明期にあった激烈なサウンドを提示している。
【CARNAGE】
スウェーデン・ストックホルム出身バンド。のちにARCH ENEMYに加入するヨハン・リーヴァ(Vo&B)が在籍していたことで知られている。
【VADER】
東欧ポーランド出身のデス・メタル・バンド。典型的なデス・メタル・バンドでありながらCDの売り上げは全世界で50万枚以上となっており、ポーランド国内では抜群の知名度を誇る。バンド名は映画『スターウォーズ』のダース・ベイダーから。
【HATE】
ポーランド出身のデス/ブラック・メタル・バンド。初期は典型的なデスメタルであったが、近年はブラックメタルやインダストリアル・ミュージックの要素も持つデスメタルに変遷している。
【RINGS OF SATURN】
アメリカ合衆国・カリフォルニア州出身のテクニカル・デスコア・バンド。本当に人間が叩いているのかと思うぐらいのドラムによるツーバスの爆走力が魅力であったが、しかし、他のアーティストと同じように近年ではスピードを落とす場面が一気に増加している。スピードを落とした時のグルーヴ感も魅力の一つ。
【BEATEN TO DEATH】
北欧ノルウェー出身のグラインドコア・バンド。デスメタルの暴虐さとハードコア・パンクの疾走感を併せ持つ。
【THY ART IS MURDER】
…などと、このようにデス/ブルデスは北米にバンドが多く、その実、音楽性は多種多様である。素人に無理やり聴かせればただ単にギャーギャー騒いでいる音楽にしか聴こえないであろうが、ひたすら猪突猛進しているだけでなく、アレンジできるところは精一杯やっている。
ほとんどのバンドは90年代に活躍しているが、私のように90年代HR/HM世代であってもほとんど知らないことが多い。好んで聴くような音楽ではないし、サウンドをじっくり楽しみたい向きにはもちろん薦められるものではないが、激烈な音楽を満喫したいファンにとっては最高の音楽であろう。
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