|
舞台は再びアメリカに移る。ヨーロッパでもメロディック・パワー・メタルやメロディック・デス・メタルが大きな人気を博していたが、実は、”90年代はアメリカ”ではなく、”アメリカは2000年以降”の方がより正確だと思われる。
PANTERAのようなグルーヴ感のあるへヴィ・ロックとは一線を画すモダン・へヴィ・ロックが誕生。同じ音楽だったらいちいち”モダン(現代)”なんてつける必要がないから、実際にまったく別のサウンドなのである。私もこの手のジャンルは好きで、PANTERAは好きではないけどエクストリーム・メタルは好き、という趣向の持ち主である。この2つを一緒に考えている人はいつまでたってもその意味が永遠に「?」のままであろう。
<アメリカで人気を博したバンド>
SLIPKNOT/IOWA
私はモロにこの世代。BURRN!でも99点が献上されるあたり実際にそれほどのクオリティがあるかどうかはともかく、最初聴いた時は新鮮だった。
LINKIN PARK/HYBRID THEORY
バンド側は否定しているが、当初は”ラップ・ロック”と呼ばれ、実際その手のジャンルにあるヒップホップ系の音楽であり、典型的なへヴィメタルとは違うような気がする。アメリカだけで1000万枚、全世界で2500万枚以上を売り上げた。
IN FLAMES/REROUTE TO REMAIN
典型的なメロディック・デス・メタルを脱却し、NU METALと呼ばれるサウンドにデス・ヴォイスを組み合わせた。これを機に欧州のバンドがアメリカへ進出するようになる。実は、メタルコアに最も影響を与えたのはIN FLAMESだった。
DRAGONFORCE/INHUMAN RAMPAGE
大ヒットゲーム『GUITAR HEROES 3』に楽曲が提供されたことによってアメリカでシングルがゴールド・ディスクを獲得。アルバムの世界累計売上枚数は50万枚。イギリス出身だが、アメリカで大成功を成し遂げた唯一の欧州型メロディック・パワー・メタル・バンドである。
KAMELOT/KARMA
様式美サウンドと呼ばれるシンフォニック・パワー・メタルを展開。世界進出という意味では唯一のアメリカン・メロディック・パワー・メタル・バンドであろう。
AVENGED SEVENFOLD/CITY OF EVIL
当初は典型的なメタルコアだったが、徐々にメロディック・パワー・メタルに変貌し、のちにモダン・へヴィ・ロックを組み合わせるようになる。
DISTURBED/INDESTRUCTIBLE
日本では考えられないかもしれないが、デビュー作(全米424.8万枚)、セカンド(全米200万枚)、サード(全米190万枚)、そして本作も全米で100万枚というミリオン・セールのオンパレードを記録したバンド。NU METALの典型的なバンド。
AS I LAY DYING/AN OCEAN BETWEEN US
全米チャート第8位にランク・インし、メタルコアのアルバムとして初の全米TOP10入りを果たしたバンド。この時期はメタルコアが最盛期にあったことを裏付ける証拠となった。
METALLICA/DEATH MAGNETIC
古豪復活とでもいうべきか。あえて初期にあったスラッシュ・メタル時代を彷彿させるサウンドのアルバムをリリースし、へヴィメタルへの回帰を決定づけた。
<ヨーロッパで人気を博したバンド>
NIGHTWISH/ONCE
オーケストレーションを最大限に高めたシンフォニック・メタルで人気を博した。フィンランドのアーティストとしては異例のミリオン・セラーとなった。
WITHIN TEMPTATION/THE SILENT FORCE
典型的なNIGHTWISHフォロワーのオランダ出身バンド。オーケストラとの共演は世界中のファンを魅了した。
JUDAS PRIEST/ANGEL OF RETRIBUTION
ロブ・ハルフォード(Vo)の復帰作。全米チャート第13位にランク・インし、見事にファンの期待に応えた。
BULLET FOR MY VALENTINE/SCREAM AIM FIRE
メタルコアの典型的なバンドで、日本でもお馴染みBURRN!でブライテスト・ホープに輝いた。本作はあえてより正統派へヴィメタルに近いサウンドを展開。
LORDI/THE AROCKALYPSE
ファッションとは裏腹に80年代にあった古き良きハードロック・サウンドを展開。モンスター集団のわりにサウンドはソフトかつマイルド。
DIMMU BORGIR/IN SOLTE DIABOLI
ブラックメタルなんて売れるわけがない、という思い込みを彼らが変えた。本国ノルウェーのチャートで第1位、アメリカでも第43位にランク・インするなど、世界的に人気を博した。
以上のように見てきたが、私は2000年代を一気に駆け抜けてきた思い出があるし、こうして振り返ってみると青春時代を思い出すものだ。アメリカのバンドが最初で、メロディック・パワー・メタルは実は後だったというのはこういった理由からである。もっと正確に言うと、当時はエクストリーム・メタルもメロディック・パワー・メタルも関係なく、同時に聴いていたというのがより正確であろう。
DRAGONFORCEの本当のすごさを分かってきたのもアメリカ進出してからのことで、IN FLAMESがやっていたことも決して間違ってはいなかったのである。もっと言うと、残っているから正しいのであって、間違ったバンドはすでに消えている。要するにPANTERAやNIRVANAが提示したグルーヴ・へヴィ・ロックやグランジ/オルタナの方が間違いだったのだ。
2010年はへヴィメタルの未来。SABATON、POWERWOLF、BATTLE BEASTなど、有力なバンドがひしめいているし、CD販売不振の現代だからこそエンターテイメント性を惜しみなく追及している。さて、これらのバンドはHR/HMの中心を担うバンドになるのだろうか。
|

>
- エンターテインメント
>
- 音楽
>
- ハードロック・ヘヴィーメタル



