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DREAMSPACE
ネオクラ/プログレとメロデス/メタルコアによる夢の空間

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日本人が特に好むアーティスト、それがフィンランド、スウェーデン、デンマークなど北欧のバンド群である。一言でメロディック・デス・メタルといっても、ただ単にメロディック・パワー・メタルだと言って一括りできないのと同じように、このサブ・ジャンルも単純に一括りにできないものである。


● メロディック・デス・メタルとは何か

文字のごとく、典型的なデスメタルに極上の叙情派メロディを注入したサウンドをいう。開拓された方法は大きく2つあって、一つはデスメタルにある禍々しさを残しつつツーバス・ドラムを激しく連打しながら、そこに叙情メロディを乗せていく方法。そしてもう一つは、HELLOWEENBLIND GUARDIANのような正統的なジャーマン・パワー・メタルからデスメタルに派生させた方法である。

特に後者にある方法はただ単にメロディック・パワー・メタルといっても、どちらかというとPRIMAL FEARのようなジャーマン正統派サウンドのことであり、また90年代後半〜2000年代前半ごろに見られたキーボードを主体としたキラキラサウンドのパワーメタルのことではないので注意が必要。これを勘違いすると、以下の説明も理解が充分にならず、はき違えた解釈をする羽目になる。


● メロディック・デス・メタルは4つのアーティストが開拓させた

正統派へヴィメタルはIRON MAIDENで、メロディック・パワー・メタルはHELLOWEENで、スラッシュメタルはMETALLICAである、というように決まりきった原点が存在しない。このサブ・ジャンルはほとんどが北欧スウェーデンで、他のアーティストと同時進行しながら開拓させた。それが以下の4つ。


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ARCH ENEMY/RISE OF THE TYRANT(2007)

デスメタルにある禍々しさを残しつつ、ツーバス・ドラムを激しく連打させながら叙情メロディを乗せていくタイプのバンド。途中、音楽的変遷を経ながらも原点回帰を果たした通算7作目。疾走感のある極上の叙情派サウンドがリスナーを圧倒する。


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AT THE GATES/AT WAR WITH REALLITY(2014)

デスメタルにある禍々しさを残しつつ、デスラッシュ・サウンドと呼ばれる音楽性を前作『SLAUGHTER OF THE SOUL』で開発させた。メロデス黎明期に活動していただけあって90年代に注目されることはなかったが、2000年代に入ってアメリカで発見されたことにより、再び脚光を浴びることとなる。


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IN FLAMES/REROUTE TO REMAIN(2002)

スウェーデン・イェーテボリ出身にして、イェーテボリ・サウンドの開拓者。当初はジャーマン・パワー・メタルのような正統派サウンドを軸に、メロディックなサウンドを叙情メロディに移行させることによって開拓した。よって、彼らは跳ねるようなミッド・テンポが特徴である。本作は通算6作目で、SLIPKNOTのようなモダン・へヴィ・ロックに移行した作品。メタルからへヴィロックに移行しただけあって、音楽的に極限まで重厚にさせたことが賛否両論を巻き起こしたが、その分だけ実際にへヴィメタルにある速弾きギター・ソロもほとんどなくなっている。


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DARK TRANQUILLITY/WE ARE THE VOID(2010)

スウェーデン・イェーテボリ出身にして、イェーテボリ・サウンドの開拓者。彼らが最終的に行きついたメロデスはパーマネントなKey奏者を加入させて6人編成に移行させることであった。ツイン・リード・ギターの他にKeyで極上の叙情派サウンドを提示し、メロディックなサウンドを追及している。特にIN FLAMESと兄弟の関係にあると捉えられており、両者は親交が深い。


● 後に続くアーティスト

メロディック・デス・メタルが一括りにできないのは、スウェーデンの他にフィンランド出身のアーティストも多く存在しており、これもまた開拓方法が違っていた。日本でデスメタルというジャンルはほとんど流行らないが、北欧を中心に欧州では大きな人気を博している。


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AMORPHIS/SILENT WARTERS(2007)

フィンランド出身の大物バンド。当初は典型的なデスメタルであったが、フォーク発祥の地らしく、フォーク、サイケデリック。プログレ、70年代ハードロックなど、多くの音楽的要素を民族叙事詩『カレワラ』に取り入れて実験性を試みてきた。本作はその完成形で、もはやデスメタルだとは思えないメランコリックかつ叙情的なサウンドによってリスナーの情に訴えかける。


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CHILDREN OF BODOM/FOLLOW THE REAPER(2000)

デスメタルに、本国の英雄STRASTOVARIUSにあるネオクラ奏法を取り入れながら、さらに派手なKeyソロをフィーチュアし、メロディック・ブラック・メタル由来のオケヒットを取り入れたサウンドでファンを魅了した。日本のファンが好きなタイプの音楽の典型で、スピード感のある音楽が特徴となっている。ただし典型的なメロデスの作品はここまで。


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SOILWORK/THE LIVING INFINITE(2013)

スウェーデン・ヘルシンボリ出身バンド。当初はARCH ENEMYの直系であったが、現在アメリカに多く存在するメタルコアに多大な影響を与えたバンドとしても知られており、メロデスに留まらない多種多様な音楽性を提示している。本作はメロデスに回帰した一作として話題となったが、コーラスは充分にメタルコア的である。


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ARMAGEDDON/CAPTIVITY&DEVOURMENT(2015)

クリストファー・アモット(G)がARCH ENEMY脱退後にサイド・プロジェクトとしてやっていたバンドを本格的に始動させた。音楽的にはARCH ENEMYとあまり変わらないが、クリーン・ヴォイスも取り入れているのが特徴。


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CARCASS/SURGICAL STEEL(2013)

イングランド北西部・リヴァプール出身バンド。日本では「リヴァプールの残虐王」のキャッチコピーで知られている。デビュー前はハードコア・パンクであったが、のちにグラインド・コアに変遷し、さらに現在ARCH ENEMYのメンバーで知られるマイケル・アモットが加入するとデスメタル色がより強くなった。いったんは解散に追い込まれるものの、2007年に再結成を果たした。


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ETERNAL TEARS OF SORROW/CHILDREN OF THE DARK WARTERS(2009)

フィンランド出身のシンフォニック・デス・メタル・バンド。サブ・ジャンル名通り、彼らは本国の英雄NIGHTWISHのようなシンフォニックメタルをデスメタルに注入したサウンドを提示することによって独自性を開拓した。本作はその完成形といえる作品であろう。


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KALMAH/12 GAUGE(2010)

ペッカ(Vo&G)とアンティ(G)のコッコ兄弟を中心に結成されたフィンランド出身バンド。特にETERNAL TEARS SORROWと深いかかわりがあることでも知られ、おもにCHILDREN OF BODOMのフォロワーとしてはトップクラスである。


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NIGHTRAGE/INSIDIOUS(2011)

ギリシャ・テッサロニキ出身バンド。スウェーデン・イェーテボリに進出後は本格的なイェーテボリ・サウンドを追及して精力的に活動している。本作はDRAGONLANDのオロフ・モルク(G)が参加していることでも話題となった。


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AMARANTHE/MAXIMALISM(2016)

女性Voでしかもクリーン・ヴォイスを主体とし、そこに男性クリーンVoと男性デス・ヴォイスを組み合わせたトリプル・ヴォーカルという変則的布陣のスウェーデン・イェーテボリ出身バンド。音楽的な中心人物はDRAGONLANDのオロフ・モルク(G)で、その音楽的完成度はDRAGONLANDを遥かに超越しており、極上のメロデス・サウンドを提示している。多彩性という意味では目下最新作であろう。


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SOLUTION .45/FOR AEONS PAST(2010)

SONATA ARCTICAのミッコ・ハルキン(Key)、現STRATOVARIUSのロルフ・ピルヴ(Dr)など、有名ミュージシャンが集ったことにより話題となったスウェーデン出身バンド。音楽的にはSCAR SYMMETRYと同系統の浮遊感のあるサウンドを提示している。ちなみに、バンドのメンバー全員がそれぞれ本業を抱えている。


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SCAR SYMMETRY/SYMMETRIC IN DESIGN(2005)

スウェーデン・アヴェスタ出身バンド。メンバーのほとんどが既に他のバンドで中核として活躍している面々が集まって結成したことから、当初より期待を持って迎えられた。浮遊感のあるスペーシーなKeyがポイントだ。


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SENTENCED/THE COLD WHITE LIGHT(2002)

フィンランド・オウル州オウル出身バンド。本作は激情のサウンドが舞い踊る超強力な名盤。そのクオリティはIN FAMESDARK TRANQUILLITYなどの名盤群にも引けを取らないほどの完成度を誇り、おもに90年代HR/HM世代に愛された。


● 話題にもならなかったアーティスト/サイド・プロジェクト


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AMON AMARTH/TWILIGHT OF THE THUNDER GOD(2008)

北欧スウェーデン出身のヴァイキング風味溢れる勇壮なサウンドを提示するバンド。本作は当時CHILDREN OF BODOMのメンバーであったローペ・ラトヴァラ(G)がゲスト参加していることで話題となった作品であるが、実際その話題性は中級・上級メタラーのみに留まった。


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CEREMONIAL OATH/THE BOOK OF TRUTH(2013)

スウェーデン・イェーテボリ出身バンド。アートワークで一目瞭然だと思われるが、デス/メロデス黎明期にあったデスラッシュ・サウンドで、叙情的なメロディが取り入れられる前の段階の音楽性であり、現在HAMMERFALLで活動するオスカー・ドロニャックがギターと共にヴォーカルも兼任している。本作はその再録盤。


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DARKANE/RUSTED ANGEL(1998)

ARCH ENEMYのピーター・ウィルドアー(Dr)を中心としたテクニシャン揃いのバンド。初期ARCH ENEMYや初期SOILWORKを彷彿させたがらも叙情メロディを排除したブルータリティなメロデス・サウンドを特徴としている。


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DIMENSION ZERO/SILENT NIGHT FEVER(2002)

90年代後半にIN FLAMESのメンバーであったグレン・ユングストローム(G)がデスラッシュ・サウンドの楽曲を演奏したい思いが込み上げてきたことから、その楽曲を活かすために結成されたバンド。初期IN FLAMESをよりアグレッシヴにして、さらにドラムによるブラスト・ビートを織り交ぜている。


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THE HAUNTED/THE HAUNTED(1998)

AT THE GATESの解散後にアンダース(G)とヨナス(B)のビョーラー兄弟によって結成されたバンド。基本的にはAT THE GATESとさほど変わらないが、ただ同じデスラッシュ・サウンドでも叙情メロディはより後退している。話題性は一部のファンや上級メタラーのみに留まった。


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INSOMNIUM/ONE FOR SORROW(2011)

本国フィンランドの週間チャートで第6位にランク・インを果たした通算5作目。プロデユーサーはDARK TRANQUILLITYのメンバーで知られるダニエル・アントンソンが担当した。

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INTO ETERNITY/THE INCURABLE TRAGEDY(2008)

1997年にカナダ・サスカチュワン州レジャイナで結成されたプログレッシヴ・デス・メタル・バンド。本作は日本デビューの2作目。パワーメタルを主軸としながら激しいテンポ・チェンジ、リフやハーモニーを複雑に配置するなど、この手の音楽としてはかなり個性的で、メロデスに留まらない幅広い楽曲を提示しているのもポイントだ。


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NIGHTFALL/LESBIAN SHOW(1997)

ギリシャ・アッティカ県アテネ出身バンド。1991年に結成された彼らは典型的なメロデス・サウンドではなく、のちに欧州で人気を博すゴシック・サウンドも披露した。本作は彼らの日本デビュー作となる通算4作目。


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NORTHER/MIRROR OF MADNESS(2003)

フィンランド出身にしてCHILDREN OF BODOMフォロワーの典型。演奏力の高いメンバーで構成されていたが、そのわりに話題性は一部のファンのみに留まった。惜しまれながらも2012年に解散。


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WINTERSUN/WINTER MADNESS(2004)

特にENSIFERUMNORTHERと親交のあるヴァイキング風味溢れるフィンランド出身バンド。本作のリリースから8年後、最初のレコーディングから実に6年を費やした『TIME Ⅰ』は国内の週間アルバム・チャートで初登場第2位にランク・インしたが、ここ日本では話題にもならなかった。


このように本国をはじめとした欧州でチャートの上位にランク・インしていても、日本では話題にすらならなかったアーティストも多数存在する。しかし、どのアーティストも魅力溢れるバンドばかりなので、もしメロディック・デス・メタルに興味が出てきたのなら、まずはARCH ENEMYIN FLAMESのどちらかからスタートするのがセオリーであるが、特に気になったアーティストがいるのであればそのバンドから聴き始めてもいいだろう。

HR/HM初心者である場合に音楽的嗜好から話題が始まるのはもちろんであるが、特にARCH ENEMYIN FLAMESAMORPHISぐらいは知っておいて初めて「メロデスを知った」といえるだろう。この3つのアーティストは世界的な人気を博しているので、もし気になるアーティストがいないのであれば、手本通りにこの3つのアーティストから聴き始めることをお勧めしたい。理由は、彼らは欧州最大にして世界最大ののメタル・フェスティバルのひとつであるWacken Open Airの出演者としての常連だからである。
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