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STRATOVARIUSやEDGUYと共に応援し続けて来たRHAPSODY OF FIREについて、今一度すべてを書き出そうと思います。音楽的嗜好はともかく、この辺りが私にとってのリアルタイムだと言えるでしょう。
出身地:イタリア・トリエステ
ジャンル:パワーメタル、シンフォニックメタル、プログレッシヴメタル
オーケストレーションを大々的に導入したドラマティックなサウンドによって幻想的な世界を描き出し、母国イタリアで多くのフォロワーを生み出した。雑誌・書籍にはメロディック・パワー・メタルとして括られているものも存在するが、特にHELLOWEENと違う要素はクラシカルで劇的なサウンドであるため、個人的にHELLOWEENはいまだにジャーマンメタルで、一方RHAPSODY OF FIREはメロディック・パワー・メタルとして括った方が分かりやすいかと思われ、実際、HR/HM評論家の伊藤政則氏は、2つのアーティストは違う音楽だと述べている。
【デビュー前】
1993年、ルカ・トゥリッリ(G)とアレックス・スタロポリを中心にTHUNDERCROSSというバンド名で結成される(この時Voはルカ・トゥリッリが兼任)。のちにアンドレア・ファーラン(B)とダニエル・カルボネッラ(Dr)が加入する。
1995年、バンド名をRHAPSODYに改名後、専任メンバーとしてクリスティアーノ・アダカー(Vo)が加入するも、1996年に元LABYRINTHのファビオ・リオーネ(Vo)に交代。デビュー・アルバムの制作に入る。
【デビュー後】
RHAPSODY/LEGENDARY TALES(1997)
コンセプト「EMERALD SWORD SAGA」に基づく歌詞世界を今後も表現し続けていくことが既にこの時点で発表されていた。ポシャることなど微塵も感じさせない高い完成度を誇る。
RHAPSODY/SYMPHONY OF ENCHANTED LANDS(1998)
前作の濃厚なシンフォニック・サウンドに加え、時にプログレ的展開を交えたり、クラシカルな要素をより強めた作品。これによってファンの評価は分かれたが、しかし、それでも名盤であることに変わりはない。
RHAPSODY/DAWN OF VICTORY(2000)
ドラマーがアレックス・ホルツワースに交代。プログレ的展開が減少し、ややストレートになった作品で。クオリティは充分に高いのだが、フレーズや展開に過去作からの移植が散見される。
RHAPSODY/RAIN OF A THOUSAND FLAMES(2001)
当初アルバム5枚で完結する、とアナウンスされていたコンセプトが、前作発表時のインタビューでは”4枚で完結”に短縮されていたため、本作は外伝的な意味合いのあるミニ・アルバム。トータル42分と長めでボリュームはたっぷりながらメタルとしてのカタルシスに欠ける面も否めない。
RHAPSODY/POWER OF THE DRAGONFLAME(2002)
デス声を取り入れてみたり、バラードでは母国語でありながらオペラティックに歌い上げるなど新たな試みが見られる意欲作。楽曲中に表情をつけるためのミッド・テンポは取り入れるものの、ほぼすべての楽曲が疾走チューンで、力で押しまくる。
RHAPSODY/SYMPHONY OF ENCHANTED LAND II -THE DARK SECRET-(2004)
コンセプト「THE DARK SECRET SAGA」という新たな歌詞世界に基づくストーリーの始まりで、いわゆる「新章」にあたる。実は「EMERALD SWORD SAGA」と同じ舞台なのだが、名盤のタイトルを冠した割に音楽はよりシネマ的であった。
RHAPSODY OF FIRE/TRIUMPH OR AGONY(2006)
バンド名の著作権をめぐり、変更を余儀なくされての第1作にして新章の2作目。前作でも見られたシネマ・スコア・メタル的な音楽性がより強調されており、その分だけパワー・メタリックな感触は減退している。
RHAPSODY OF FIRE/FROZEN TEARS OF ANGELS(2010)
アートワークでも明らかなように物語が佳境に入ったためか、パワー・メタリックな感触が復活している。どの曲もパワーが漲っており、時にブラスト・ビートやデス声を取り入れるなど、これまで以上にアグレッシヴな面も見られる。
RHAPSODY OF FIRE/THE COLD EMBRACE OF FEAR(2010)
7部構成35分に及ぶ大作曲1曲のみが収録されたミニ・アルバム。彼らがもともと持っていたアグレッションの強調された前作と異なり、オーケストレーションとクワイアを用いたシンフォニックな側面が強調された作品。
RHAPSODY OF FIRE/FROM CHAOS TO ETERNITY(2011)
デビュー以来、前作から約1年という超ハイペースで制作され、バンド史上最多のツイン・ギターを擁する6人編成で臨んだ作品。ギターが2人になったため、アルバム全体としての平均攻撃力もバンド史上で過去最高。ちなみに、本作を以ってサーガを終わらせたうえで、バンドをルカ派とアレックス派に分裂させることが発表された。
RHAPSODY OF FIRE/DARK WINGS OF STEEL(2013)
バンド結成当初から関わりのあったロベルト・デ・ミケーリ(G)と、アレックス・ホルツワース(Dr)の兄、オリバー・ホルツワース(B)が加入する。作曲もアレックス・スタロポリ(Key)の弟、マニュエル・スタロポリが関わったためか、クラシカルな面がこれまで以上に強調されることに。
RHAPSODY OF FIRE/INTO THE LEGEND(2016)
ベースがアレッサンドロ・サーラに交代。これまで以上にオーケストレーションが強化される一方、前作でごっそり抜け落ちていたアグレッシヴな面も時おり垣間見られる作品。リリース前に「今度はちゃんと疾走しているよ」とアナウンスされた通り、これまでの集大成的な面を持ち合わせている印象が強い。
こうして、この後イタリア出身のRHAPSODY OF FIREというバンドはファビオ・リオーネ(Vo)とアレックス・ホルツワース(Dr)という大きな2つの戦力を失うことになる。個人的にも必死こいて応援するには、この2人が在籍しているまでが限界であったようで、新たなメンバーが発表された時に喜んで迎えようとはしなかった。
もちろん、だからといって彼らがダメだというわけではない。しかし、ここまでバンドを大きくしたからには過去に在籍したメンバーによって救われている面も多々ある。それは、どのアーティストでも同じことであろう。良いバンドというのは、同時に必ず良いメンバーが迎えられるものである。
音楽的にいくら好き嫌いがあったとしても、私は演奏力が低かったり、また作曲面で問題のあるアーティストは絶対と言っていいほど好きにならない。そういう意味ではRHAPSODY OF FIREもメンバー・チェンジを繰り返しながらよく守ったな、という印象だ。かつては同期のEDGUYと同じぐらい好きだったこともあったのだから、彼らに対してそれだけ認めていたわけで、そういう意味では彼ら自身もマイティ・ウォリアー(力強い戦士)であったのだろう。バンドの未来を、幸運を祈る。
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