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オルタナティヴロック(略してオルタナ)とは、ある程度型にはまったHR/HMに対して「もうひとつの選択、代わりとなる、異質な、型にはまらない」という意味で、商業的な音楽や流行音楽とは一線を引き、時代の流れに捕われない普遍的なものを追い求める精神や、前衛的でアンダーグラウンドな精神を持つ音楽シーンのことである。
ちなみに、ここではグランジロック(略してグランジ)も取り上げるとするが、グランジとは「汚れた」「薄汚い」という意味で、グランジ/オルタナの双方とも70年代にあったパックロックやニュー・ウェィヴが様式的起源となっているため、90年代以降のHR/HMとは無縁である。
【NIRVANA】
グランジ/オルタナ系の祖とされるバンド。バンド名は仏教用語の「涅槃の境地」で、1991年に彼らがリリースしたセカンド・アルバム『NEVERMIND』によって、この手の音楽は世界中に拡散した。
【ALICE IN CHAINS】
アメリカ合衆国・ワシントン州シアトル出身バンド。レイン・ステイリー(Vo)がドラッグのオーバードーズによって他界したため2002年に解散。後任にウィリアム・デュバール(G)を迎えて2005年に復活(リード・ヴォーカルはリード・ギターのジェリー・カントレルが兼任)した。
【PEARL JAM】
SOUNDGARDENやNIRVANAと共に一世を風靡したシアトル出身バンド。CDセールス最速記録がギネス世界新記録に認定されている。
【SOUNDGARDEN】
グランジの先駆けとされるバンド。音楽性はLED ZEPPELINのようなうねるギター・リフと、重低音の利いたベースとドラムによるBLACK SABBATHのようなグルーヴ感とあって、70年代ハードロッカーがこよなく愛するサウンドを特徴としている。
【UGLY KID JOE】
グランジ/オルタナ全盛期の頃にHR/HMが失いつつあった”今どきの悪ガキ”のようなニュアンスを持つバンドとして注目され、実際にコマーシャルなバンドに対するパロディであったりと、アンチテーゼ的な存在感を放っていた。
【SAIGON KICK】
90年代以降に聴いてみれば、彼らの音楽はHR/HMではなく、オルタナ系そのものであった。ジェイソン・ビーラー(G)のギターが巧すぎたためにHR/HMっぽく見られてしまった理由のひとつかもしれない。
【WARRIOR SOUL】
マニアの間で「現代の辻説法師」と呼ばれたカリスマ・ヴォーカリストのコリー・クラーク率いるニューヨーク出身のGEFFINからデビューしたバンド。からサイケデリックまでを吸収したヘヴィ・ロック・サウンドは、当時にあっては早すぎる音で、評論家には高く評価されたが、その一方でHR/HMファンにもオルタナティブ・ファンにも受け容れられることはなかった。
【EXTREAM】
当時はHR/HMと異なるジャンルの音楽を融合するにあたって、ファンクを選んだセンスは炯眼だったためか、その優れた音楽センスに裏打ちされた楽曲もクオリティが高かったものの、その構築志向、テクニカルさ、そして華やかなムードはやはりLAメタル以降のアメリカンHR/HMの流れに則ったものだったと言わざるを得ない。
【LOVE HATE】
パンクやニュー・ヴェィヴからの影響を受けた多彩なサウンドと、エネルギー溢れるパフォーマンスによってソフトかつマイルドなHR/HMとは趣を異にしていた。ジジィ・パール(Vo)はのちにL.A.GUNSやQUIET RIOTに見事にハマり、LAメタルから縁を切られることはなかった。
【ENUFF Z'NUFF】
THE BEATLESやCHEAP TRICKに通じるポップ・センスとソング・ライティングを持ち合わせるバンドとして当初はレコード会社の争奪戦を繰り広げたほど期待されていた。しかし、なまじHR/HMに強いAtcoと契約してしまったのが仇となったか、ヘア・メタルのイメージ全開なプロモ・ビデオのためにパワー・ポップとしての魅力が過小評価されるハメになってしまった。
【BANG TANGO】
のちにBEAUTIFUL CREATURESのフロントマンとして一瞬だけ再注目を浴びたジョー・レステの爬虫類的なヴォーカルを特徴とするバンド。この当時にしては珍しく、キャッチーな中にもダークなムードがあり、またファンク計の要素を取り入れたダンサブルなビートも目新しかった。
【PAPA ROUCH】
アメリカ合衆国カリフォルニア州で結成されたグランジロック/オルタナティヴ・メタル・バンド。バンド名はゴキブリの親玉という意味。
…などと、このようにグランジ/オルタナ系は90年代に注目を浴び、その後は世界的に広まり続けることはなかったのが最大の特徴である。そのためか、実際にグランジ/オルタナと呼ばれるサブ・ジャンルとして誕生し、固定されることはなかった。
音楽的にはベースとドラムが中心となっており、グルーヴ感のあるサウンドを特徴とするバンドも少なくないため、おもに70年代ハードロックの全盛期を経験したファンから熱い視線を注がれたが、個人的にはそういった音楽を好んでおらず、何度も聴き返すことはなかった。特に暗い世界観を基調としているのも90年代HR/HMとは一線を画しているためか、90年代〜2000年以降のファンにとって好意的に受け止めることは不可能であろう。
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