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本作よりドラマーがマイケル”ムース”トーマスからツアーに参加していたジェイソン・ボールド(元PITCHSHIFTER)に交代し、さらに海外レーベルがSearch And Destroy/Spinefarmに変更されたため、日本のレーベルも大手ユニバーサル・ミュージックに移籍してリリースされたグレートブリテン連合王国はウェールズ出身のメタルコア・バンドによる第1弾にして彼らの通算6作目。
人によって前々作『TEMPER TEMPER』(2013)に大きく舵を切ったと感じるかもしれない本作は重厚かつ攻撃的でメタリックな感触のあった前作から大きくソフィスケイトされた分だけ一転してアメリカのメインストリームを想起させる電子処理の目立つナイーヴなサウンド・アレンジと内省性の高いメロディ(といっても伝統性のある「なんとかメタル」の叙情性を湛えたメロディ系のことではない)をふんだんに盛り込んでいて、もっと端的に言うとSLIPKNOTをはじめとするへヴィロック/ニューメタルの方向性にかなり近づけたMACHINE HEADのような雰囲気もあってか、ギター・ソロをいっさい捨ててドラミングを強化したグルーヴ感の強い作風だが、特に#2、#3、#5、#6、#7、#9などに顕著であり、あまつさえ先行シングルとして海外ですでにリリースされていた#10「Don't Need You (2018 ver.)」までもがスラッシュメタル由来のギター・オリエンテッドな音楽性を完全に封印してしまったために、もはや純100%のHR/HMマニアにとっては全体的に違和感の残る作品として聴こえるだろうが、ただ一方でデビュー時から彼らの魅力のひとつであったメランコリックさとドラマティシズムは健在であり、また前作よりも作品としてのフォーカスが絞られた分だけクオリティに反映されているあたりはやはりさすがの一言に尽きる。
ちなみに、本作にはボーナス・トラックとして#5、#7、#11のピアノ・ヴァージョンが収録されているのは良いが、2016年12月10日に行われたブリクストン・アカデミー公演のライヴ音源#17は明らかに蛇足。
自己採点 84点
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