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ドイツのSUMMER BREEZE Open Air 2016やスロバキアのMore // Than // Fest 2016といったヨーロッパのメタルフェスで現地オーディエンスを沸かせるなど、着実に活動のフィールドを広げている北海道札幌市出身のメロデス・バンドによるユニバーサル・ミュージック移籍後の第1弾。
本作はボーナス・トラック1曲を含む全13曲入りとなっており、またミックス・エンジニアはSONATA ARCTICAやMORS PRINCIPIUM ESTなど、さらにはKALMAHなどといった北欧のメタル・バンドの作品で手腕を振るうフィンランドのプロデューサー、アハティ・コルテライネンが担当していて、またビクター・エンタテインメントからいきなりデビューすることによって期待された前作や前々作と比べるとファンによってはそろそろマンネリ感も否めないのだろうが、しかし、本作もまた全体的にはSTRATOVARIUSがそのままメロデス化したかと思われるほどの叙情フレーズをまき散らして疾走するメロディック・パワー・メタル的なスピード・チューンのオンパレードで、また#3のように北欧フィンランドに由来するトラッド/フォークの音楽性を導入した荘厳な楽曲も存在するが、ただイントロからして悶絶昇天失禁必至もののタイトル曲#11のコーラスの裏でRyoji(Vo&G)によるクッサ〜いフレーズの波状攻撃はもはや彼らにしかなし得ることのできない構築美溢れるフレーズが琴線に触れてくるし、またアルバムのラストを飾る#12「Snow ~ Upas」でイントロに還るというドラマティックな作風となっているためか、今回は前作以上に涙腺を禁じ得ない名曲・佳曲が揃っているあたり、彼らがヨーロッパ・ツアーに遠征している間に何かを得たとしか思えないほど日本とフィンランドの良いとこ取りをうまい具合で折衷したかのようなそのサウンドは、本格派でありながらも彼ららしさを失うことはいっさいなく、本作は激烈かつ劇的なサウンドと風光明媚な冬景色を絶妙に合体させた名盤となった。
ちなみに、本作のボーナス・トラック#13「Moonlight Sonata」は、かのベートーヴェンの「月光」のことであり、またディスクユニオンのオリジナル特典としては「The Bloodthirsty Prince」「ベートーヴェン”月光”(Ryoji plays guitar)」「ベートーヴェン”熱情”(Ryoji plays guitar)」がそれぞれ追加されている。
自己採点 90点
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