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振り上げたこぶしはなかなか下せない。トランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争は、新たなる段階にはいる。日韓関係にも終わりが見えないが、米中貿易戦争も、ほとんどのものの動きに関税がかかり、それがどんどん高税率になってきた。結局は両国国民のふところに影響していくのだが二大大国の貿易戦争は、国際社会に大いなる影響力をもたらすであろう。イギリスの合意なきEU離脱も、いよいよ現実味を帯びてきている。
米中貿易戦争が、これ以上留まることなくエスカレートしていくと、国際経済の減速は避けられない。それでなくても世界中で経済格差が拡大し、AIやロボットの活用が進むと、雇用環境も大きく変貌することになる。経済成長の幻想に支えられて、経済のグローバル化が進展し、ここまで世界は豊かになってきたのだが、このまま国際経済が減速し成長を止めてしまえば、いったい人類はどこに向かうことになるのであろうか。
利己主義的な自国第一主義が台頭してくるのは、社会が閉塞状態に陥り、新たなる展望が見えなくなってきたことがある。人類の移動は、絶えず食えるところを探してさまよってきたのである。その行動が排除の論理で否定され始めると、食えなくなった人々はどうするか。一方で事業で成功をおさめ、投資でさらなる資産を積み増した一部の富裕層は、自分たちだけでも助かろうともがき続けるであろう。治安の悪化や、戦争の勃発といった事態がどんどん広がる可能性も出てくる。
人類の英知は、そのような困難を乗り越えて現代に至ったわけであるが、その教訓はすでに忘れ去られたのであろうか。これ以上の経済格差の拡大を容認してはならないし、今だけ、自分だけ、お金だけといった利己主義を人類一人一人が拒否しなければならないのではなかろうか。自分の生活だけを維持するだけで精いっぱいという境遇の中で、将来の人類に降りかかる災難など考えたくないかもしれないが、一人ひとりがそれを念頭に置き、自分に何ができるかを考えていかないといけない時代にはいったようである。国と国との関係も同様であるような気がする。
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