風の迷路──おりおんのブログ。

学習障害者のきょうだいとして、軽度発達障害児教育を考えていきたいです。趣味の記事もあります。

あるLDの物語

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弟と私の物語ー要約編

最近になって、このブログを「お気に入り」に登録して下さった方のために、LDの弟と私、そして知的障害の妹の話を要約して説明致します。

私は弟にとっては決して優しい姉ではありませんでした。むしろ怒ってばかりのひどい姉でした。


20代後半の弟(T)は、小学校二年生の時に児童精神科で学習障害と診断されました。

私には弟だけでなく、知的障害(ダウン症)の妹もいました(妹は3年前に病気で他界しました)。

学習障害は知的障害ではないと高校生の時に祖母から聞きました。

祖母は私に「学習障害は、人と会話をすることに障害があって、読み書きが困難だけれど、エジソンやアインシュタインも学習障害で、理数系に優れている人が多い」と説明していました。1980年代後半のことです。もちろんこれは誤認識です。詳しくはLDの物語(1) です。

弟が学習障害だと祖母から告知された後も

弟のことを「対人コミュニケーションが苦手で、読み書きが困難で国語の読解が苦手」だけれど、それ以外は健常者と変わらないと誤認識していました。

当時は発達障害という言葉がなかった上、 妹が知的障害だったので、その分弟には「学習障害でも健常者であってほしい」と過度の期待をしていました。

そのため、弟が中学生になって国語と体育以外でも学業が振るわなかった時に「1つでもいいから、他の子に負けない特技を作りな!」と叱ってばかりいました。

弟には、入りやすい高校でいいから、高校に進学してほしいと強く希望していました。

詳しくは、弟が中一の時と、弟が中二、中三の時の記事です。

弟は中学生の時に、いじめに遭ったらしくて不登校気味でした。学校自体が嫌になり、高校に進学しませんでした。

中学卒業後、弟は父の知人の印刷・出版社に就職しました。弟の就職先の女社長さんは、厳しいけれど弟の特性や長所を理解している良い人でした。

「T君の方から辞めたいと言うまで、わたくしはT君を解雇しません!」と凛として、弟の終身雇用を保障してくれました。

しかし、弟は最初に就職した会社を辞めました。

弟さえ頑張れば、終身雇用が保障されているのに、何で辞めたの!! と、私は再び弟をひどい言葉で責めました。

私が弟を責めた時のことは、LDの物語(6)―就職編に書きました。

弟が最初の会社を辞めた時、私も既に会社勤め(コンピュータ関係)をしていました。

少し話が脱線しますが、私がPCを購入したのは1997年と早いです。しかしインターネットで「学習障害」について調べる余裕がありませんでした。

言い訳がましくて恐縮かもしれませんが、理由は2つあります。

PCを買った頃、私自身も当時の職場のストレスがひどくて抑鬱神経症になり、精神系のサイトに出入りしていました。

もう1つは、養護学校の高等部を卒業して健常者と同じ仕事に就職した妹が、就職して5年後に適応障害を起こしてしまい、親亡き後の妹のことで悩んでいました。

妹のことで悩んでいた頃のことは闇の迷路の頃のこの記事に書いてあります。

1999年になりました。仕事の悩みと妹の悩みの両方を抱えていた私は、精神系のサイト(そのサイトはもう閉鎖されましたが、管理人さんが抑鬱神経症でした)に出入りしていて、

アスペルガー症候群で鬱を抱えている人と知り合い、ネット友達になりました。

「アスペルガー症候群、何それ?」と疑問に思った私は、「アスペルガー症候群」をインターネットで検索して、

アスペルガー症が自閉症の一種と知ったと同時に、自閉症関連のサイトを調べていくうちに、 学習障害者の中にも自閉症者がいることを知ったのです!


弟が自閉症(確定診断は受けていませんが、小学生の時に自閉症的傾向があると指摘されたので、間違いなくそうだと思います)であることを知って初めて、私は今までの弟への厳しい接し方が間違っていたと気づいたのでした。


中学の時に特技がなく、終身雇用制が保証されている会社を辞めた弟も、普通の人より道を覚える能力に長けていた上、車の運転が上手い(私は弟が運転する車に乗ったことはありませんが)ので、

今では転職を繰り返しながらも、バイトで車を使った仕事(人ではなく、物を運ぶ仕事)という適職に就くことができ、現在に至ります。
今回は暗い話題ですみません。クルマ男こと弟のTは、道を覚える能力に長けている一方で、プライベートに触れられるのをものすごく嫌がります。

「あんた、今日は仕事?」とクルマ男に質問しても、無視されます(苦笑)
仕事で外出するのか、プライベートで外出するのか、わかりません。
両親に「Tはどこに言った」と訊いても、「わからない」と答えるだけです。
問題なのは、父以外の家族に携帯の電話を教えていないことです。本当に緊急の連絡時に困ります。

一階の台所には、父、母、そして私の携帯電話のメモがあるのですが、弟の携帯電話だけありません。

オ○コという会社から電話がかかってきて、私がメモした連絡先を母が弟に伝えたのですが、弟はまだ連絡していません。

(オ○コからの電話をとった時に、相手方に「どのようなご用件でしょうか?」と質問したのですが、「Tさんご本人にしか話せません」と教えてくれませんでした)

祖母が先日、知的障害の妹(故人)と弟のことを比べて、(年寄りの言うことなので、差別発言があるかもしれませんが、お許し下さい)「T(弟)はバカじゃない」と言っていました。

クルマ男は、本当の知的障害ではありません。本当に知的障害の人は、車の免許を取れません。

しかし、クルマ男は、LDであることを自覚できません。

父も「あいつは、意思表示が下手だ」と言っていました。

弟は意思表示と自己表現が極端に下手なのです・・・

最近になって、軽度発達障害を疑っている人が2、3名、私のブログをお気に入りに入れてくれました。

軽度発達障害の当事者で自分でウェブページを開設し、ブログを書いたりして自身を見つめることのできる人(アスペルガー症や注意欠陥多動障害の人に多いです)はかなり多くいます。

軽度発達障害の当事者で、自己表現や意思表示がきちんとできる人たちがいる一方で、弟にはできないかと思うと、正直なところ悲しくなります。

両親は、頼りになるいい親ですが、悪く言うと 楽観的すぎ ます。
そして、弟の問題について私の方が正しいと両親に意見しても、聞く耳をもたない時があります。

オ○コからの電話がかかってきたのに、弟がまだ話していないことを両親に話したのですが「なんとかなる」の一言です。

両親は、弟の学習障害の話題に触れるのを嫌がります。
5月下旬に『ハートをつなごう』という発達障害を特集とした番組が放映されていることを両親に教えたのですが、両親は興味を示さず、他の番組を観ていました・・・・・・。
親を責めるのは良くないとわかってはいるのですが、他に軽度発達障害の子育てを一生懸命なさっているお母さん達より、養育が不十分であると思っています。
せめて携帯電話の番号は家族全員にきちんと教えるくらいのことを、両親は弟にきちんとしつけて欲しかったです。

父ももう60代前半(酒が好きで、生活習慣病もちです)。20年後には生きているか保障はありません。
20年後の弟がこのままでいるかと思うと、時々気分がブルーになります。

※この記事をアップして一時間後に、久しぶりに夕飯のおかずを作った後、父がいたので、父に言いました。
私「お父さん、Tにはお母さんにも携帯の番号を教えるように、ちゃんと言ってる?」
父「オレもTに言ったけれど、あいつは黙っていて何も言わない」

自閉症を伴うLDだということをわかっていても、どうして弟が家族の言うことを何も返事をしないのか・・・。
弟の頭の構造を調べてみたいです 。やれやれ。

自己表現と意思表示が下手なLD者が何を考えているのか、理解したいのに・・・
三連休の最初の日には、久しぶりに入院中の祖母の見舞いに行きました。

今まで、祖母が私に話す内容は、亡くなった祖父とダウン症の妹(3年前の秋に病気で他界しました)のことだったのですが。

先日は久しぶりにクルマ男(弟)の話を祖母がしました。

祖母「T(弟)は元気かね?」
私 「元気だよ。車でどこへ行っているかわからないけれど」

祖母は、過去を懐かしむような目つきで、クルマ男のことを話しました。

T(弟)は道を覚える天才だ


そう、祖母は言っていました。

祖母の話によると、弟が小さい時、農業をしていた祖父と一緒にトラクターに乗って、祖父が入りくねった道をトラクターで運転する時に
「この道は違う。あっちへ行くといい」と言っていました。そして、弟が教えた道を通ると必ず目的地に着けたのです。

以前に知人が「自閉症は天才だ」と言っていたことがありました。

確かに、自閉症の当事者の中には、鉄道や漢字や電話番号などにずば抜けて詳しい人が多いと聞いています。

(自閉症の有名人では、アインシュタインやニュートンなどがいます)

弟は、普通の人にできないことがたくさんありすぎるのですが、確かに道を覚えることについては優れています。詳しくは、過去のこの記事に書きました。

そして、対人コミュニケーションが極端に不得手であるにもかかわらず、なんとかバイトで仕事をしています。

道を覚える能力が優れていたこと、車の運転ができたからこそ、弟はクルマ男(笑)としてなんとか就労しています。対人コミュニケーション能力の欠如のせいか、転職が多いのですが。

仮に弟に運転能力がなかったら、間違いなくニートになっていたに違いありません

弟は、学習障害であることに自覚がありません。私は弟の障害を受け入れることができず、15年ぐらいずっと悩んできました。そう、一昨年までは、弟の話題に触れられるのが嫌でした。

学習障害(LD)が自閉症であることを知り、自閉症特有の才能や、自閉症であるゆえのよさを知ることができて、昨年の秋にようやく弟のことをブログに書くことができたのです。

しかし、まだ不安はありますよー。

弟は外出する時、両親にも行き先を教えるのを嫌がります。
どこの職場でバイトをしているのか、身内に教えるのを嫌がります。
弟は携帯電話を持っているのですが、身内にすら教えたがりません。
父は知っているようですが、私と母は弟の携帯の番号を知りません。弟が教えたがらないのです。
これでは緊急の用事があった時に困ります。

今日はオリコという会社から「Tさんに電話するように伝えて下さい」と電話がありました。
弟がオリコの人に上手く電話で話せるか、心配です。

祖父の存在

今日は、3年前に86歳で他界した祖父の命日です。墓参りにはまだ行ってないのですが…。

私は「仮に〜だったら」ということをしばしば考えます。

仮に祖父がいなかったら、弟は大人になっても未診断のままだったに違いないと思っています。

LDの物語(1) に書きましたが、幼い頃の弟が、普通の子と違うと気づいた人は、父でも母でもなく、祖父でした。

注)LDとはライブドアの略ではありません(笑)。学習障害(Learning Disability)のことです。

両親は弟が普通の子と違うことに気づいていても、障害を認めるのを嫌がるタイプなので、診断をつけさせなかったに違いないと思います。

(母は、LDの話をするとなぜか嫌がるんですよ。弟がLDだということを私に告知したのは祖母で、両親から言われた記憶がないのです)

仮に祖父がいなかったら、LDと診断を受けることなく、大人になってからも未診断だったと思います。

仮に弟が診断を受けていなかったら……。

私は弟に過度の期待をして、最初に就職した会社を辞めた時よりももっとひどく当たっていたでしょう。

母は末っ子の長男である弟を甘やかしすぎましたが、仮に弟がLDの診断を受けていなかったら、

両親も叱咤してばかりいて、弟は悲惨なことになっていたと思います。

亡き祖父が弟が普通の子と違うと気づいていなかったら……恐ろく思うことすらあります。

発達障害の疑いがある子が家族にいる場合、適切な養育を行うために、家族の誰かが児童精神科に連れて診断を受けさせることはとても大事だと思います。

早期診断、早期養育によって、自閉症スペクトラムやADHDの子の社会性をつけさせることが可能だからです。

祖父は真面目で穏やかな人で、初孫の私をかわいがってくれました。生前の祖父を思い出して寂しくなることもありますが、良い思い出ばかりです。

そして、祖母とは理想的なくらい仲むつまじい夫婦でした。

LDの話とは逸れますが、祖父母の出会いはちょっとドラマのような物語でした。

「祖父母のこと」というカテゴリを新たに作りましたので、後日そのことを書きたいと思っています。

最近のクルマ男(弟)

弟は、LDを抱えながらも、幸い車の運転能力に恵まれて、フリーターながらも仕事をしています。
(弟のことを、時々、電車男ならぬ「クルマ男」と呼びます)
しかし、 知ってて同じことを何度も質問して面白がる のは相変わらずです(^^;

私は車(軽自動車)と現付を持っています。
現付を買ったのは、私が弟と違って、車の運転が下手くそだからです(^^;。
最寄りの駅まで車で15分近くかかる上、家から最寄りの電車の駅までが山道なので、自転車で最寄りの駅まで行くのは無理だからです。

おかげさまで、長い迷路ののちに、少しづつ姉弟らしい会話ができるようになりました。

私が昨年、現付を買ってから、弟は近場に行く時に、普通乗用車ではなく私の現付を使いたがります。
そこまではいいのですが……

最近の弟と私の会話はこんな感じです。

弟「おいっ、現付は原動機付自転車で自転車だから、ヘルメットをかぶらなくてもいいんだよ」
私「Tっ、あんたねぇ。現付に乗る時はヘルメットをかぶらなければいけないって、法律で決められているの、わかった?」
弟「現付は自転車だから、ヘルメットをかぶらなくていいんだよ」
私「原動機が付いているから、ヘルメットをかぶらなきゃいけないの、いいっ、わかった?」
弟「自転車だから、ヘルメットをかぶらなくていいんだよ」
私「……」

「現付は自転車だから、ヘルメットをかぶらなくていいんだよ」


親の話によると、クルマ男は、知っててわざと上記の言葉を口にしています。

3週間前に、弟が私の現付を借りたいと言った時の会話です。

私「メットかぶらなきゃ、現付貸さないからね」
弟「現付は自転車だから、ヘルメットをかぶらなくていいんだよ」
私「あんた、ノーヘル(ヘルメットをかぶらないこと)で現付を運転して、車にはねられたら
  頭をぶつけるよ。死にたくなかったらちゃんとメットかぶりな」
弟「……わかったよ」

私を呼び止めて、いきなりこう言ったこともありました。

弟「おいっ、現付は自転車だから、ヘルメットをかぶらなくていいんだよ」
私「はい、バイバイ」

弟の話に付き合いきれなくなると、私は「バイバイ」と言って立ち去ります(^^;
母は「あんたいい加減にやめな」とキツイ口調で止めますが。

これも、 自閉症的傾向であるための、クルマ男の「個性」 なんですよね。
発達障害者は精神年齢が低いと言われていますが、弟も今年で20代後半。
こういう会話は家の中だけにしてくれー。

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