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最近読んでいる本が、「ケプラーの予想」ジョージ・G・スピーロ (著), 青木 薫 (翻訳) 。
ケプラーは、ご存知、惑星運動の法則でよく知られている。 第1法則(楕円軌道の法則)
惑星は、太陽をひとつの焦点とする楕円軌道上を動く。
第2法則(面積速度一定の法則)
惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は、一定である(面積速度一定)。
第3法則(調和の法則)
惑星の公転周期の2乗は、軌道の長半径の3乗に比例する。 さて、ケプラー予想とは、球をどのくらい詰め込むことができるかという問題に対し、それは、面心立方の場合であると予測したというもの。 結構簡単そうに見える問題であるが、これが、解かれたのは最近になってのこと。 1997年に、トーマス・C・ヘイルズによって、約400年の時を経て解決された。
この本には、その予想が解かれるまでの、数々の数学者のドラマが記述されている。 ケプラーの人なりがわかったりして、なかなかおもしろい。 ドラマもおもしろいが、脚注にもところどころ結構興味をそそられることがかかれている。 ちっと気を惹かれたのが、巻末にのっていた4次元球の体積の公式。4次元球の場合、体積はr^4の次元であり、厳密には体積とはいえず、拡張した体積とでもいうもの。 それは、 V4=π^2 r^4 /2 球を積分すれば求まりそうだけど、実際どうやってもとめるのだろう。ちょっと追ってみよう。 円(2次元球)の面積はπr^2 球(3次元球)の体積は4/3πr^3 球(3次元球)の体積は、原点(0,0,0)を中心としたxyz軸上の球を考えると z 軸と直交する球内の平面の面積は√(r^2ーz^2)の半径の円の面積になるので、球の体積は−rからrまでπ∫(r^2ーz^2)dzを積分すれば求まる。 この積分は π[r^2z−z^3/3]になるので、π(r^3−r^3/3)−π(−r^3+r^3/3)=4/3πr^3となり 簡単に求まる。 同様に4次元球の場合も、原点(0,0,0,0)を中心としたxyzw軸上の4次元球を考えると、w軸と直交する4次元球内の体積は√(r^2ーw^2)の半径の球の体積になるので、4次元球の体積は−rからrまで 4π/3∫(r^2ーw^2)^3/2dwを積分すれば求まる。 この積分は、 =4π/3∫r^2√(r^2ーw^2)dw−4π/3∫w^2√(r^2ーw^2)dw ここで∫w^2√(r^2ーw^2)dwは、{(r^2ーw^2)^3/2}’=3w√(r^2ーw^2)であることを利用して 部分積分すると1/3∫w×3w√(r^2-w^2)dw=1/3{[w√(r^2ーw^2)]−∫√(r^2ーw^2)^3/2dw} となるので、[w√(r^2ーw^2)]にrと-rをいれるとこの部分は0になり =4π/3∫r^2√(r^2ーw^2)dw−4π/9∫(r^2ーw^2)^3/2dw となる。 ここで、2項目を左辺にもっていくと 16π/9∫(r^2ーw^2)^3/2dw=4π/3∫r^2√(r^2ーw^2)dw となるので、もう一回3/4を掛けて4次元球の体積の式に戻してやると 4π/3∫(r^2ーw^2)^3/2dw=πr^2∫√(r^2ーw^2)dw を求めればよいことがわかる。 ここで積分公式 F(x) =∫(√(1 - x^2) dx : x = sin(u) とおくと、dx = cos(u)du
= ∫(√(1 - sin^2(u)))・cos(u)du
= ∫cos^2(u) du = (1/4)sin(2u) + (1/2)u + C = (1/4)・2sin(u)cos(u) + (1/2)u + C
= (1/2)・x(√(1 - x^2)) + arcsin(x) + C πr^2∫√(r^2ーw^2)dw = (πr^2)[(1//2)・w(√(r^2 - w^2)) + r^2・arcsin(w/r) ] となるのでrと-rを代入して =(πr^2)[( r^2・arcsin(1)−r^2・arcsin(-1) ] = (πr^2)[( r^2・π/2−r^2・(-π2/) ] =π^2 r^4 /2 となってやっと求まる。 うーん。 部分積分とか全然忘れていたなあ。勉強になった。 拡張していけばn次元の拡張された体積も求めることができる。 これは、Γ(z)関数を使って V_n(r) = 2π^(n/2) r^n / nΓ(n/2) = π^(n/2) r^n / Γ((n/2)+1) とあわらされる。 ネットでいろいろ調べてみたが、次元が増えるといろいろ面白い性質も見えてくる。 n 次元球の体積はどんどん大きくなりそうだが、 n = 5 のとき、れ最大値をとり、それ以降は n の増加にともない急激に減少して 0 に収束するといったことや。
http://my.reset.jp/~gok/math/pdf/spm/sphere.pdf に載っていた問題も面白い。 n 次元単位超立方体の各頂点に、そこを中心とした単位超球を置いたときに、その単位超球に挟まれた所、ちょうど単位超立方体の中心付近に空間に、超球を入れる場合、半径幾つの超球なら入るかという問題が紹介されていたが。 n 次元空間では半径√n − 1 の超球がすっぽり収まることが知られているそうだ。 確かに2次元空間では、√2−1の円が入る。 しかし、5次元では、、√5−1 > √4−1 = 1 となり、1より大きくなってしまう。 これは、最初の単位超立方体からはみ出してしまう球が入るということになってしまう? とても不思議。 |
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