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久々の読書感想だ。

本を読んでいなかったわけではないがワイン資格試験の受験勉強のために読書量が減っていることは間違いない。

その分ワインについては過去20数年に亘る実戦(飲み会)で得た知識プラスαを体系的に自分の中で整理できているのだが。

でもやはり読書というものは途切れるとなんとなく心地悪いものである。

と、前置きはさておき、今回は今野敏の『隠蔽捜査』

テレビドラマ、『ハンチョウ』の原作者。

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主人公、竜崎伸也は警察庁長官官房の総務課課長。朴念仁で人からは変人と呼ばれている。世の中を巧く泳いでいけそうもないナイーブな(このナイーブというのは日本では傷つき易い繊細な性格を意味するが英語では世間知らずで初心なという意味。ここでは後者の意味で使っているので念のため)男。しかし警察官僚ではエリートとして総務課長のポストにある。

警察組織を根底から揺るがすようなある事件が起こる。そして主人公はこの事件から警察組織を守るために、一方で別の論理で警察組織を守ろうとする同じようなエリート官僚と真っ向からぶつかり・・・

あとは読んでのお楽しみであるが、冒頭で語られる偏屈で官僚チックな匂いをぷんぷんさせている男が、実は一途でひたむきで真摯であることが判り最後は爽快な気分になるに違いない。信念を貫き通す男の生き様、自分が損しても正しいと思ったことを遣り通す・・・これをハードボイルドと言わずして何であろう。

この男を支えている(掌の上で転がしているともいう)奥さんの冴子さんも面白い存在。僕から言わせると変人バーサス変人。そして二人とも正しい道徳観の持ち主である。絶妙のコンビといえる。

ここ数年「コンプライアンス」ということが法令順守とかの絡みでいろんな機会に取りざたされるが、このコンプライアンスの研修で必ず出てくる状況設定に「誰も見てない、誰も知らない不祥事が部下から報告された。部長のあなたならこの不祥事をどう処理するか?」というのがある。

こういう研修でも、官僚チックで頭のいい連中は、いろんなあの手この手、裏技、社内ポリティクスを駆使して不祥事をばれることなく葬り去るような案で回答してきて「どうだ、俺はすごいだろう」的な自信満々な態度なのだが、上記の問いに対しては「正攻法で処理する。すなわち社内の正式なルートで報告を上げ、社外に報告すべきものはきちんと報告する。絶対にもみ消しはしない。うそもつかない。偽装もしない」というのが正答である。

結局一時的に隠せても、体質が変わらない以上いつかは同じような事案が再発するし、後でわかったときには修復不可能なダメージをこうむるのである。

この主人公の行動原理はまさしくコンプラ対応の基本と同じである。

僕のモットーは(いつも守れているかどうかははなはだ疑問ではあるが−だからモットーとして掲げているのだ!)「奢らず卑屈にならず焦らずしかしスピード感は大切に真正面から正攻法で誠意を持って物事に取り組む」という文章にすると長ったらしくてセンスのないものであるが、いままでこういう考え方で損はしたことあるかもしれないが自己満足度は高い。後味の悪さはあまりないのである。

今回この本を読んで自分の生き方もまんざらではないなと改めて思った次第。

ところで、この本は知り合いの社長さんが最近、前触れなく郵送してきてくれたものである。

さてさて僕に何を伝えたかったのだろうか?

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