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丸の内に出来た美術館、三菱一号館美術館の開館記念展としてマネとモダン・パリ展が開催中である。 開館記念展にマネを持ってくるとはなかなかやるじゃないかっていうことで早速行って来た。 印象派の中でもそれほどメジャーではない(と僕は勝手に思っている)マネは僕の好きな画家の一人である。彼の光と影のコントラストの表現はすごく好きだ。 僕は光と影をうまく描く画家が好きなのである。そういう意味で画風はまったく違うがエドワード・ホッパーも好きな画家である。明るい中に影が落ちている。 マネは黒とか緑とか紫の使い方が絶妙で特に黒は底のない絶対的な黒である。そこに光が差し込むことでいっそう底なしの暗い色が引き立ち、それがさらに光を引き立たせる。 上に写真を掲載しているが、パリのオルセーで見た実物の「スミレの花束をつけたベルト・モリゾ」には大きく感動したが、今回日本でそれを見ることが出来て大変良かった。 また、今回、本物を始めてみる「死せる闘牛士(死せる男)」も素晴らしい陰影を映し出している。 「街の歌い手」では全体を緑のトーンで描いているが深緑を使い、明と暗のコントラストをうまく表現している。 他には彼の素描やエッチングや木版画も相当数展示されている。ほとんどがパリ国立図書館蔵であり、こういう機会にしか見られない物もたくさん集めている。 陰影をうまく描いているという意味では僕的にはマネの中期くらいまでの作品が好きで、それ以降の明るい色調の絵はそれほど印象深いわけではない。 しかしこうやって初期から、中期、後期の作品を改めてズラーっと並べて見ることが出来、彼の作品の変遷を掴むことが出来大変良かった。 ところで、この美術館、3階の廊下から見る中庭の景色はなかなかいいよ。 ニューヨーク近代美術館の設計者、谷口吉生氏に、「かの美術館を設計するときに心掛けたことは?」という質問したところ、「美術作品はある意味、部屋の中で見るのでどこで見ても同じなのだが、MoMAと作品の結びつきを生み出すためにビルのいろんなところからマンハッタンの景色が良く見えるように設計した」という答えが返ってきた。 同じようにこの三菱一号館美術館、3階の廊下から見える緑の多い癒しのある中庭の景色や、2階の休憩室から見える丸の内の景色(といっても、とあるメガバンクの本店のビルを中心とした景色ではあるが)とここで見る作品がリンクして、「あ〜あの作品あそこで見たな」と余計印象深くなる仕掛けがある。設計者が意図したかしなかったかは別にして・・・。 館内にはショップとレストランも併設されている。 館外の中庭には壁にズラーとワインが並んでいるワインバーもあり。 今度時間があるときにはレストランや、ワインバーにも必ず行きたい。 こんな美術館が東京駅のすぐ近くに出来た。素晴らしいことだと思う。
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