写真提供 ZuiZan氏
http://www.youtube.com/watch?v=z-nxgFLObAY
「音楽をどうぞ」
私の生まれた家は お寺で、生まれた頃から鳩がたくさん飛んできていた
鳩は、いつもお寺の境内のあちこちにいるのだが 夕暮れになると
その鳩たちは、私の勉強部屋に続く戸袋のところにあつまって
クックー、クックーと鳴いて 私の中学時代を楽しませてくれた
高校になり 私は家を離れ、高校の寄宿舎に入った
高校一年の夏休みに帰ったとき 鳩はほとんどいなくなっていた
鳩の糞の被害で いなくなる方法を考えていた人たちが
鳩が来ないように したのだろうと思った
高校二年の春休みに帰ったある日 クックー、クックーという鳩の鳴く声を聴いた 嬉しくなって戸袋を見ると 二羽の鳩がとまっていた
その日以来ずっと その二羽の鳩は私が夏休みに帰省するまで その戸袋にいた
ある日の朝
いつものように鳩を見に行くと
一羽の鳩が二階の戸袋から 地面に落ちていた
もう一羽が 横たわっている鳩の側にいた
私は高校二年のその日に 鳩から愛というものを学んだ
残された一羽は 来る日も来る日も
戸袋のところで 悲しそうに 鳴いていた
くっくる くるくる
その鳩の鳴き声と 懐かしい私の生まれた家が
いとおしくなることがある
それが 昨夜の私だった
人を思う気持ちは
とても純粋で
そして死ぬほどにも
美しいものである
今日は 心が苦しかった
その鳩のことを ずっと思っていた
残された 鳩のことだ
でも その二羽の鳩は
いまもどこかで 一緒にいてくれるだろうと
思うと また 嬉しい涙が流れた
また お会いしましょう。瑠璃子
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