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凍えるようなベースメントの12月 窓のカーテンをひらくとすぐ目の前に人の足だけが見える 今でも記憶のスライドが開いて その窓の前にすっと立つことが出来る いろんな靴を見た ハイヒール パンプス ブーツ スニーカー そして半年も経つと 目の前を行き交う人の足が 違う靴を履いていても 区別がつくようになった 昨日の朝のスニーカーの足と 今朝のパンプスの足が同じものなどと… クリスマスイブが近くなると その窓を思い出すのは 理由がある ホームステイ先に飼われている猫が 私の部屋に忍び込み 毎晩 寒くて体をくの字にしてベッドに寝ている私の上に 遠慮会釈なく飛び乗った 雪がちらつく朝だった 猫が外に出たがり 仕方なく窓を開けると 猫に驚いた男性が 尻もちをついたため いつもの足だけではなく 初めて私は その男性の顔を見た 丹精な顔をしていた 尻もちをついた後だったからか 彼は照れくさい顔をして 思い立ったように Merry Christmas to You! と言った I wish you a merry Christmas 私も 答えた あれから数十年経過するが クリスマスが近くなると あのベースメントの寒さと 猫 そして 彼の尻もちとSeasonal Greeting の光景が浮かぶ それと同時に 1階からのパンを焼く甘いにおい そして ホームステイ先のウエンディが鳴らす ヒールの音を…… そのことが遠い昔であるにもかかわらず 冬の雪の舞い散る夜 特別なことだったかのように よみがえる
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