笠原瑠璃子の真骨頂なつぶやきダイアリー

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2014年08月

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8月15日終戦記念日

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 この八月はまるで蝶番のようだった――
だから気違いじみた努力ですべての束縛から逃れる前に、
思わずほっと大きな息をついてしまう。プロヴァンス、
そしてぼくの心のなかでとざされているなにか。
まるでなにかによりかかる女のようなプロヴァンス……
 生きなければ、そして創造しなければならぬ――ちょうど
糸杉が植えられた岡の上の円屋根のあの青い鎧戸の家を目の前
にしたときのように。




 フィレンツェの昔の画家たちが描いた顔が、われわれが
毎日街頭で見かける顔そのままだということに気がつくまでには
時間がかかる。それはわれわれが、ひとの顔の本質を見抜く習慣を
失ってしまったからだ。





アルヴェール・カミュの数行の反芻するのも
体に沁み込んでくるくらいのぼくの日常的な祈りとすれば
言葉に言い表せない、最愛の母の深くふかく――気の遠くなるような――
海の底に沈んだ思いも同じく
ぼくの綱渡りのような日々の思いに重なる
美化され
愛され
無理やり――そう
無理やりどうしても納得させようとするぼくの
日常的な祈りの時間





不条理の母の時間を愛しむように糸を紡ぐ――





糸を紡ぐのは
ぼくの仕事のようなものだったけれど
糸はとぎれ
いつの間にかもうぼくのものではなくなり
乗り移ったかのようにぼくを苦しめた時間すら
穏やかな時を刻み
墓場を揺らすほどの情念に打ち震えた怯えも
どこかに行ってしまったのではないかと思える





危険にさらされた人たちの
あやうい魂の――どうしようもない悲しみと苦悩には
理由がある





夏の盛り
戦争の終結
なぜ終結したのだろう
血の燃えたぎる――終結





母は正気を保ち
ずっとずっと正気を保ち


ただ「遅すぎる」
そう言った。








百日紅の燃えるような8月15日
終戦記念日・母に捧ぐ

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