笠原瑠璃子の真骨頂なつぶやきダイアリー

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瑠璃子(小説連載)

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中庸の美徳を愛する者は
貧困の汚れに染まず、賢くば、
人の羨む邸宅の華美をも好まず。
松高ければ風ますます猛り、
山高ければ、雷まずこれを撃ち、
塔高ければ倒壊の惨はなはだし。

ましてや私の説く哲学の教えを受け入れて、われわれ人間の全存在が
むしろ無くもがなのものであって、これを否定し拒否するのが最善の
知恵であることを知れば、どんな事物にも、どんな事態にも、大きな
期待をかけることなく、この世の何ものかを情熱的に求めることもな
く、何ものかを取り損ねたからといって激しく泣き哀しむこともない。
プラトーンの「そのうえ、人間界の事物は何一つ、むきになって求め
るほどの価値はない」という趣旨に徹し、また

わが物とした世界があえなく消え失せても、
嘆くな、世界は本来空なのだから。
世界がまことわが物となっても、
喜ぶな、世界は本来空なのだから。
苦痛も歓喜も、束の間に過ぎてゆく。
かかずらわるなこの世界に、世界は本来空なのだから。

という精神にも徹することであろう。この心の糧ともなるべき洞察を
得るのが特に困難なのは、先に触れた世界の偽善的な粉飾のためで
ある。だから、若い者にはこの偽善的粉飾の仮面を剥いで見せるがよい。
華やかな行事のまず大部分は舞台装飾と同じようなただの見せかけで
あって、それには本質というものがない。


幸福について「ショーペンハウアー」橋本文夫訳




同調するもの

それはそよ風

同調しないもの

それは北風

北風を受け入れるのは
時期だ

それを受けて
形を変える

旅立

枠はなにもない 


後書き(瑠)



http://jp.youtube.com/watch?v=Syxwkc36jas
映像もどうぞ〜滑稽さが笑えます。
 
 『ぶろぐでお友達になって下さいましたみなさまへ』


みなさま、私は今年の7月7日にこのぶろぐを開設しました。
はじめは、エッセイやつぶやきの記事を掲載しようと思っていました
のに、ひょんなことから、連載小説デューン・瑤子「風の音」を書き
始めました。10月29日までに、原稿用紙、約350枚の長さにま
でなりました。まだ中盤です。それなのに、この連載のぶろぐ掲載が
できなくなりました。もう少し瑤子をあたためながら、他の手段で、
発表したいと思っております。これまで愛読してくださいましたみな
さまには、心より感謝申し上げます。また、続きを楽しみにして下さ
いましたみなさま、ありがとうございました。

★幸福なことに最近では訪問者も一日に100人以上、多い時には150名
 の方々に訪問して頂き、コメントも多く、100コメントの日もありま
した。わずか四ヶ月弱で、コメント数6017件数に及びました。

★また、ファン登録も87名という数になり、心より感謝申し上げます。
 私、しばらく自分の仕事に専念したい所存です。
 ぶろぐは、しばらく休止したいと思います。誠に勝手ながら、どうぞ
 お許しくださいますようお願い申し上げます。

★休止と申しましても、みなさまのところへは訪問・コメントさせて頂
 きますし、時間があれば記事エッセイや、その他を掲載する所存です。

 どうぞ皆様のご理解を賜りますようお願い申し上げます。

ぶろぐを休止(小説連載)するにあたり、かなり迷いました。
ここでご友人になった人たちとの交流は、とても楽しいものでした。
私は、いつもここにおりますので、また呼びかけてください。
お返事いたします。方向性が変化したと思って頂ければ幸いです。
宜しくお願い申し上げます。

デューン・瑤子「風の音」の瑤子を
可愛がって下さいまして、
ありがとうございました。
これからもそうぞ宜しくお願い申し上げます。

http://jp.youtube.com/watch?v=6X0FjlybCqs
               

追伸 私の懐であたためる為に、デューン・瑤子「風の音」連載は
   非公開にさせて頂きました。宜しくお願いします。
               
               2007年10月30日火曜日 笠原瑠璃子
 

 

「戦地から戻った手紙」(修正なし)




 母の終戦 

 そして、私の反戦への願い 






旦那様 お元気でございましょうね
もう、真夏の暑さでございませうね。
汗の多い貴方、どんなにか汗を流していらっしゃるかと遥かに
想像しております。

昨夜は貴方さまから葉書と小包が来た夢をみました。
小包をあけたら 見たこともない様な珍しいお菓子ですの
食べるのには勿体ないと言って、葉書を見ましたら、本庄さんの
所にも少しわけてやりなさいとしてあるので、どれを差し上げよ
うかと母と相談して迷っていたら、目が覚めました。

小包はなくていいから、早くお便りを頂きたいと待ち遠しくてなりません。
こちらからも早く出したいと思いますけど、もし届かないと嫌ですから、
あなた様から頂いてからにいたします。

父と母は、福田さんの所に用事に出かけておりますので、物音一つせず
唯、水の流れる音だけ静かにしています。
これからこんなに静かな、静かというより、あまりに寂しい生活が二、三年
は続きますのね。

大串さん(中尉夫人)さんから葉書がきました。当分こちらにいるから、
お会いしたいとありますので、訪ねてみようと思います。
あなたがいらしたら、二人で行くのでしたけど…。

敏夫さんも帰っていらしたそうですの
召集がなければいいでせうけどね
今、梅の花盛りです。眞白い花が縁のそばまで沢山咲いています。
今年はきっと多いでせう

去年は貴方がおいしいおいしいと言って食べて下さったけど、今年は
蔭膳にお供えしなければなりませんね

私はこれから縫い物をします
ではくれぐれもお体を御大事にいたしましてね
昭和十七年 四月十四日午前十時半      さようなら








「注」蔭膳(かげぜん)
 これは「陰膳」でしょうね。

メモ ★ 今この手紙を見ていて不思議に思ったことがある。夏と
     母は記しているが、「梅」。実は、この梅というのは、
     くずしてある字ではっきり読めなかった。「梅」のような
     形の漢字。この「梅」はなんだろうか・・・・。おいしい
     おいしいと食べた・・・
     「梅」というのは、私が常用漢字で記したものです。

★ ああ、なんとどまぐれたことを。
     「戦地のことを、真夏の暑さと想像」書いているのですね・・・






この手紙は、まぎれもなく私の母が戦地の夫へ送った手紙です。
私はこの手紙の束を沢山、宝物として与かっています。
母の夫へ出した手紙を読むたびに涙せずにはおれません。



母の最初の夫は、ガダルカナルで戦死しました。
戦死の日付は定かではありませんが、
記録には、昭和十八年一月十四日
南太平洋ガダルカナル島アウステン山 戦死
故陸軍大尉 ・・・・・・・・・三十歳 と記されている。





母の心の辛さをよく知っている私の願いは、ただただ戦争は人の人生を
不幸にするものであり、人の心を引き裂く戦争は決してしてはいけない
と願うばかりです。   

 秋口だというのに、ネルハの海辺は、夕方でも青い空と灼熱の太陽が照りつけ、明るく陽気な土地柄に乾いた風が吹いていて、コスタ・デル・ソルの海続きの気のおけない、言い方を変えれば、アットホームな海の家が、そのままレストランとバーになったような、チリギントというお店には、いわし、貝、エビやイカが並び、椅子のないカウンターの前で、おもいおもいの飲み物を手にして、男たちが談笑している。

 瑤子は、上等なルビーの持つ赤色をした、よく冷えたサングリアを手にして、開け放された戸から続く海を眺めている。コスタ・デル・ソル・(太陽の海岸)
とつぶやいてみる。まわりには、何も瑤子に属するものがない。海の方から吹く風に身をまかせていると、神に近いところ、いや、神がいるとすれば、たしか神のような存在に近いところだろうと、右腕に感じる鳥肌で確認している。

 アンダルシア。異国の音域だけど、なんと心地よい響きだろうか。
 マドリッドから汽車でグラナダへ。バスでコルトバとセビーリャへ。そして、マラガのそばのネルハへ。地中海を南へ渡ると、マグレブへ行ける。

 地中海と砂漠を結ぶ、光と影のモザイクだ。

 列車から見える限りなく続くオリーブ畑と葡萄畑。そして羊の群れ、遊牧民、
アラベスク模様の建物。限りなく青い海。スークの細い路地を荷を積んで行き来するロバ。あでやかなカフタンやジェラバ。ミントティーと香辛料のかおり。
そこには、瑤子が望郷とするような、くったくのない風が吹いていると心から思う。

 瑤子は、いわしの網焼きにレモンを絞り、サングリアをゆっくりと飲み干した。ちょうど瑤子が日本を経つ前に、毎年モロッコにスケッチ旅行をする晴海
から葉書がきていた。
「アッザーンの祈りの声が風に乗って流れてきています。今年はやめようと思いましたが、さっさと仕事を放棄して来てしまいました。こうなれば、ほとんど旅行というより、里帰りです。人は、どこかの土地に風の音や風のにおいで、自分の属しているところだと感じるものなのかもしれません。夜、こうして、ホテルの窓を開けて風にあたっていると、おかしいけど泣けてくるのです。悲しくはないのです。懐かしいような、じわりとした不確かな幸福というか、瑤子だったら分かってくれると思います。」
 
 チリンギトは、いつの間にか丸いテーブルまで埋め尽くされ、男がギターで
フラメンコの曲を弾いていた。アンダルシアは、フラメンコの本場なのに、一度も踊りを見たことがないのに瑤子は気が付いた。きっと、ナイトクラブやホテルのディナーのときに見ることができるのだろう。
 時計は八時を回っていた。明日は、早朝マドリッドへ戻り、帰国する。
 
 ネルハの海辺で脳裏にぼんやり浮かんだことは、生きる。そして、人生を閉じる。なんと、神が人間に課した課題が大きいかと......。

ある風景 Chapter 1

 ひとしきり雨が降って、めずらしくカラリと晴れた午後、いただいたおお
ぶりの花菖蒲をタンブラーに入れて、玄関に飾った時にチャイムが鳴った。
その日は、私にとって天から降ってきたような休日だったので、遅い朝食を
とって、午後からガーデン娯楽部というお店で、薔薇のからまるアーチや、
トレルス。プランターを注文して、ついでにというか、パセリ、モロヘイヤ
やバジル、つるなしいんげん、かすみ草を蒔くつもりでいた。
 庭いじりが好きになるのは、歳をとった証拠であるとか。しかし、今まで
は借り住まいだったので、切り花でがまんしていたが、二か月前に新居に引
っ越して、荷物の整理がついてから、暇さえあれば、ガーデニングの本とに
らめっこしているか、ミシンを引っ張り出して、テーブルクロスやナプキン
作りをしたり、ディノスの本で小物を物色している。
 人生においてのあらゆる可能性に対応できるよう、常に身軽な状態でいた
いという理由で、借家住まいに全く抵抗がなかったし、テンポラリーな仕事
をしたいと思ってきたので、事務所を出さずにフリーで委託された翻訳をし
てきたけれども、こじんまりした自分の事務所を出してからは、やはり少し
ずつ定着してきて、不安材料は若干あっても、自分の定住の地をもったほう
がいいと傾いてきた。
 まあ、家をもつことは、そんなにおおげさなことではないし、なりゆき上
ということにもなるのだが、やはり、ある意味では、これからの人生を決め
たようなものだとも言える。
 夢がなくなったというか、歳をとったというかどちらかだが、定住の家と
思うと、いやまだわからんぞ…、と思いながらここまできた。
 今までは、時間の許すかぎり外にいて、家に落ち着くこともなかったが、
暇あるごとに、はぎれ屋さんや種もの屋さんに立ち寄るなど、今までになか
ったことだ。まず、掃除の回数からして違ってきて、手作りのケーキやクッ
キーはおろか、きちんと夕食を作れる日は、週のうち四日しかなかったのだ
から、今だったら、いいお母さんになれるのに…、というものだ。
 女がいっぱしに仕事をするということは、家庭の仕事を余裕をもってする
状態には決してない。許された時間内に、厳密に言えば、自分を労わりなが
ら、夢中ですべてをしてしまう。しかし、やりたくない時は、不平不満の気
持ちを抑えながら、しっかり手抜きをして、いつまでたっても女の理想像を
脳裏に描いている男との口論の糸口になるのがおちだと思っていたほうがい
い。
 新しいから、ダスキンでスイスイの掃除も苦にはならないし、今までは十
年保ったがたの来たオーブンとは違い、システムキッチンのオーブンは、チ
キンの丸焼きから、初歩的なケーキだけど、焼け方は最高で、皿洗い機のお
かげで、グラスの洗い方がどうだのこうだのというお小言は、すべて、皿洗
い機のせいにすればよくなった。
 玄関を開ければ、お花が飾ってあって、収納スペースのおかげで、重ねて
あった本が整理され、クローゼットと食品収納庫のおかげで、寝室とキッチ
ンはすっきりなった。
 要は単純なものなのだ。
 新しいうちの数年は、ピカピカ状態を保っていけるかもしれないと思った
のを覚えている。
 チャイムが鳴って、テレビフォンを見ると、長い髪を無造作に束ねて化粧
っ気のないS子が映った。
 開けると、彼女は、玄関の花にも目がいかない様子で、「車で走っていた
ら、ここまで来てしまった。」と所在ない感じで言った。
 彼女の住むF市から約二時間以上はかかっただろう。
 心なしか、浮かない調子の彼女は、私の作ったホットココアを二杯飲み、
やっと我に返ったようにまわりを見回し、「素敵な家になったのね。居心地
がいい。」と言った。
 それから二時間ぐらい、まだ浅い芝の上に座って、またコーヒーを飲んだ。
 S子は、来たときよりずっと柔らかな表情になっていたが、犬の話や野鳥
の話、最近読んだ本の話や見た映画の話をポツリポツリするだけで、肝心
なことは何も話さなかった。
 彼女も日頃忙しい。勤務医だ。彼女が素顔になって、自分と複雑に絡み合
った紐を解く時間はめったにないだろう。彼女は、芝生に寝転がり、ハーッ
という声を出したが、それから急に思い立ったように、「ね、そういうこと
だね…。   
あなたも好きでしょ? あれを聴きたいわ。アルビノーニのアダージョ・
ト短調…、」と言った。
 それから一年して、彼女は、Y市に引っ越した。

 あれから、10年の歳月が経った。うん、かなり変わった。
一番変わったのは、家ではなく、私ではないかと、最近思う。

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