笠原瑠璃子の真骨頂なつぶやきダイアリー

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エトセトラ・エッセイ

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写真提供・Mr.ティディ















http://www.geocities.jp/jakki0947/hasbirabbi.mp3
★再生ボタンは一番左の▲です。停止も同ボタンです。
イメージ音楽を聴きながら、お読み下さい。
お聴きになる方が集中して切れてばかりいましたので
ブログ「花・花・花」のジャッキーさんが、カセット
にして下さいました。ありがとう。瑠












 アトラス山脈の山間の風景を右に見ながら、私は車の振動を我慢しながら運転を続けた。太陽が真上から照りつけ、汗が体中にべたつく日中だった。私はペットボトルから水を飲むために車を止めた。









 水汲みの若い女たちが三人でお喋りしながら歩いている。三人とも裸足だ。
 向こうから土ぼこりを立ててジープが走って来る。ジープが三人の歩いている側に止まった。二人の男が車から降りて、彼女たちに声をかけている。一人はハンサムで、もう一人はそうでもない。その二人は、車から女たちが興味を持ちそうな荷物をこれみよがしに、彼女たちの足元に降ろし始めた。









 その大きな箱の中には、香水、ハイヒール、スカーフ、膝上丈の短いドレス、派手な下着、様々なアクセサリーが入っていた。それを、一つ、一つ、ゆっくりと二人の男が取り出していく。女たちは、とまどいながらもそれらを受け取り、明らかに幸せそうな顔をした。









 女たちは、それらを一つ一つ身につけていく。
 口紅とアイシャドウ、チークに紅を入れる。立派な化粧だ。
 たちまち女たちは、大人の女に見えた。
 一人の女が、これ以上の女はいないわ・・・、そういう素振りで、得意げにスカートを持ち上げながらくるりと回った。他の二人も同じようにした。女たちは、同様に甲高く笑った。









 女たちの目は強い光を放っている。
 美しくなった、自信を一瞬にして身に付けたかのようだった。
 背後には、アトラス山脈が広がっていて、彼女たちの後ろを年老いた男が気だるそうに荷車を引いて通った。









 女たちは、どういうわけか水くみの道具と古い服をその場に残し、ハンサムとそうではない男の車に乗り込んだ。数分もしないうちに、そのジープは、元来た方向へ土ぼこりを立てて走り去った。









 太陽はぎらぎらと輝いていたが、羊が草を食み、黄色や白の花々が風に揺れるのどかな早春のお昼どきだった。















写真イメージ文・瑠

写真提供・ブログ「heaven」
http://blogs.yahoo.co.jp/t_de6



転用不可

イメージ 1

写真提供・Mr.ティディ














この曲は長いですが、音楽イメージ文ですので、
音楽を聴きながら、お読み下さい。映像も推薦します。
音楽は(━)バーを下ろしてください。
http://jp.youtube.com/watch?v=q3gaKYpCVj4&feature=related











 天窓から朝の光が差し込む時間に女はかすかに目を開け、小さいベッドで遠慮がちに寝返りを打つ。小波の音でさえ聞こえるくらい海に近いところに建っている小さな家は、キッチンとベッドルーム、バスルームと小さい書斎があるだけだ。女はそっと右足をベッドから降ろし、そっとベランダの大窓を開ける。足の親指にほどこしたピンクのペディキュアの銀色の小さい石が、もうすでに上りかけた太陽にきらりと光った。







 女はキッチンでミルクを沸かしてコーヒーに注いで、マグカップを手にベランダに出た。イオニア海に浮かぶ小さい島々が遠くに見える。白い家々の赤いブーゲンビリアの赤い花が海風に揺れている。大きな猫が、白い塀の上を器用に歩くのを女の目は追っていた。女がギリシアに来たのはかれこれ三年前だ。







 昼近くになると、家々の洗濯物が一斉に干され、風に舞う。それは、女にとってひらひらする白い蝶のように美しいものだった。特に大きな真っ白のコットンのシーツが風に揺れるさまは、天使が踊っているように女には見えた。女は日がな一日を、ベランダで過ごした。







 女の職業は絵描きである。女は毎日毎日、エーゲ海を描き続けた。日が暮れても何も見えないベランダで、暗い海を描いた。そうすることが女の幸福だった。猫が時々遊びに来る。女は、その猫と仲良しになった。女の歳の頃は、三十代前半。カーリーの黒髪で、細い体つきをしていたが、そのわりには均整がとれていた。大きな目をしていた。そして伏目がちに見る癖があった。







 女が歩くと、街の男が振り返った。女の歩き方が楚々としていたからだ。女は、いつも白いワンピースを着て、髪には鼈甲で作られたカチューシャをしていた。それがめずらしいのか、近所の女たちが、彼女に近づいてきて話しかけた。女は口少なく、笑い顔がとても美しかった。女が小さい家から出るのは、野菜とミルクとヨーグルトを買うためだ。







 女は、夜には本を読んだ。英語で書かれた本だ。そして、それを日本語にした。唯一のその当時の女の収入源だった。







 女は、祖国に45歳まで帰らなかった。それどころか、いまでもその小さい家に住んでいる。なぜなのかはわからない。女は、恋人の一人もつくろうとしなかった。彼女のベッドにはいつも、小さい猫が寝そべっている。







 女の翻訳した本は世界に出版されているが、誰も彼女の本当の名前を知っている人はいない。そして、彼女の絵も売れている。








白の上に色を落とし
わたしはその色をたしかめる



たしかにわたしの思っていた色
白の上はその色をはっきり見せる
わたしはほっとして眠りにつく



わたしの凍ったこころに
時間を与える
その色はたしかにわたしに近い
わたしのつまらない現実に
息吹をくれる



だけどわたしは
それには染まらない
染まれない



渇ききったわたしの色を
そっと重ねることはできる



白の上のわたし












音楽★写真イメージ文・瑠璃子

写真提供・ブログ「heaven」
http://blogs.yahoo.co.jp/t_de6


転用不可

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写真提供・Mr.ティディ










イメージ音楽を聴きながら、お読み下さい。
音楽は(━)バーを下ろして・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=lN-aS48_EY4&feature=related

上記の音楽は、私のお気に入りです。
「マルタ島」を楽しんで下さい。映像もなかなかです。
下に「月の砂漠」の音楽もあります。手動です聞いて
下さい。













 日没直後の夕日の残照が、ジェラバ姿の運転手の姿を美しいシルエットに変えていた。それは、立ったり、座ったり、跪きなながら、地面に額をつけ、規則正しい動きをしていた。砂漠は、遥か彼方まで大小の盛り上がりの曲線を描きながら、運転手が祈っている場所から波状の紋様が続いていた。








「見知らぬ街では、どのようにして東の方向がわかるの?」
「マダム、太陽の動きに敏感になればいいんですよ。東とは限りません。メッカの方向を向いて祈るんですから。ここからは東でも、日本からは西です。北極からは南、南極からは北になります。」彼は、すまして答えた。
私は思わず笑った。
 



 

 

 観光客を乗せて歩くラクダが戻って来る。
 商売はどこでもできるのだ。
 お金が生活の手段である限り、自然のすべてのものが人間によって、お金と引き換えられる。氷の上でも、雪の上でも、たとえ墓場でも。




 

 

 ラクダは、ひき肉にすると最高に美味いそうだ。
 人間の運び屋からひき肉だ。
 ラクダレースの賭け事にも借り出され、ラクダも使い回しをされる。




 



 星の王子様に出てくるバオバブの木は、砂漠にもあるのだろうか?
 バオバブの木は柔らかいので、使い物にならない。だから、誰も切り倒さない。家具になる木だったら、とっくに絶滅しているはずだ。人間に不必要なものは、排除されるか、放っておかれるかの、どちらかだ。




 



 太陽が沈み、風が止まると、辺り一面、音のない世界になった。














http://music.geocities.jp/botannkunn/tukinosabaku.mid

「月の砂漠」の音楽です。
手動ですので、左の▲の再生ボタンを押して下さい。




月の砂漠を はるばると
旅のらくだが 行きました
金と銀との くら置いて
二つならんで 行きました


金のくらには 銀のかめ
銀のくらには 金のかめ
二つのかめは それぞれに
ひもで結んで ありました


先のくらには 王子さま
あとのくらには お姫さま
乗った二人は おそろいの
白い上着を 着てました


ひろい砂漠を ひとすじに
二人はどこへ いくのでしょう
おぼろにけぶる 月の夜を
対のらくだで とぼとぼと
砂丘を越えて 行きました
だまって越えて 行きました





写真イメージ文・瑠璃子

写真提供・ブログ「heaven」
http://blogs.yahoo.co.jp/t_de6


瑠璃子のメモ
「月の砂漠」の音楽をジャッキーさん
からプレゼントをして頂きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/jakki0947
「花・花・花」ブログ

転用不許可

イメージ 1

写真提供・Mr.ティディ











http://jp.youtube.com/watch?v=ppeXQf-OAZg
イメージ音楽を聴きながら、お読み下さい。
音楽は(━)バーを下ろして・・・。










 目覚めがいい日曜日には、必ずと言っていいほど、モンマルトルへ行く。
普仏戦争とパリ・コミューンで命を落とした兵士や市民を悼むために建てられたロマネスク・ビザンチン様式の白いドームをしたサクレ・クール寺院がモンマルトルの丘に見える。



 


テルトル広場の裏道になる石造りの狭い道を歩くと、ユトリロの絵の中の風景が現れる。ユトリロがアトリエにしていたモンマルトル博物館があり、葡萄畑の前には、ユトリロの絵の題材になったピンク色のレストランがある。似顔絵描きがイーゼルを立てている。かつて、ピカソやユトリロが常連だったと言われるシャンソニエ・オ・ラバン・アジルを通り、ユトリロの眠るサンヴァン墓地へ。





それが済むと、ちょっと回り道をしてダリ美術館の前を通り、モンマルトル墓地へ向かう。そこには、スタンダールやエミール・ゾラ、ハイネ、ドガ、デュマ、そして好きな映画「突然炎のごとく」の監督であるトリュフォーが眠っている。疲れていなければ、サルトルとボードレールが眠るモンパルナス墓地へ行く。






そして、更に疲れていなければ、ペール・ラ・シェーズ墓地まで足を運ぶ。そこにはエディット・ピアフ、ショパン、モジリアニ、ユゴー、オスカー・ワイルド、私の大好きなドアーズのジム・モリソンが、そこに眠っている。






この三箇所の墓地は、セーヌ川を挟んで、三角形で結ぶ位置になる。全部回れば日が暮れる。






私はため息を吐く。なんと、パリを終焉の地に選んだ文学者や芸術家が多いことだろう。ピカソやゴッホ、バルザック、アポリネール、シャガール、ヘミングウェイ、コクトー、カミュ、数え切れない足跡がある。そして、墓地に眠る文学者や芸術家のお墓の前には、訪れる人たちが花を捧げる。









パリ・・・・・・
それに、パリほど、小雨の似合う街はない。
・・・・、私が思うに、赤いパラソルが似合う・・・・











写真イメージ文・瑠


写真提供・ブログ「heaven」
http://blogs.yahoo.co.jp/t_de6


転用不可


Wiki文法が上手く作動しませんでした。
行の乱れをお詫びします。

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写真提供・Mr.ティディ











イメージ音楽を聴きながら、お読み下さい。
音楽は(━)バーを下ろして・・・。
http://jp.youtube.com/watch?v=OFMMlap9-YM&feature=related













 葡萄畑が両脇に続いていて、ところどころに果物売りが立っている。運転手が車を止めて、少女からバケツ一杯のマスカットを買った。遊牧民がテントをあちこちに広げている。水と牧草を求めながら家畜と共に移住生活をする彼らは、一所に一か月以上は居ないと聞く。






 音楽隊がトラックの荷台にすし詰めで乗り込んで、大きなタンバリンを鳴らしながら通った。男たちは白い衣装で、女たちは色とりどりのカフタンを着ていた。ヒューヒューという気勢をあげている。ベルベル人だろう。対向車線のバスは、団体の観光客を乗せている。砂漠観光の帰りだろう。顔から判断すれば、スペイン系のようだった。今度は、両脇にオリーブの木が続いている。






 「お腹が空きませんか?」と、運転手がのんびりとした口調で私に聞いた。流暢なフランス語だ。「ええ、とても。屋台のカバブを食べたいわ。羊の脳みそもでもいいけど・・・・」と私が言うと、運転手の横顔が「信用しないね」と言っていた。数分もしないうちに、運転手は、車を止めた。パラソルの付いたテーブルが並んでいる。小さな屋台の横には、殺されたばかりの血が滴る羊ややぎが顔をだらりとたれている。残酷だが、見慣れる。新鮮だということがひと目でわかった。






 カバブを注文する。私は、粘り気のないライスの上にカバブを乗せた。そして、塩とクミンを振りかけて、手つかみで食べた。こぼさないように、上手に手で食べるのは、コツがいる。運転手の目が、私を遠慮がちに見ている。私は、テーブルの下にライスをこぼす。西洋人のカップルがそれを見て、おかしそうに笑った。東洋人の女が手つかみで食べている様子は、彼らには奇妙に映っただろう。なにせ、カバブは手つかみが礼儀だ。






 憮然とした気持ちになった。しかし、彼らの注文したワインにハエがたかった。二人は、怒った顔をした。女のほうの眉がつりあがる。私は、見ない振りをして、手つかみでカバブを食べ終わった。運転手が、ニヤリと笑って、「東洋人は勇気があるね・・・」と言った。その時は茶目っ気のつもりだったが、今思うと、どういう意味だったかよくわからない。土埃の立つ赤茶けた道路で子供たちが、ロバと遊んでいた。その時の私の心情に絶妙にマッチしている風景だった。
















写真イメージ文・瑠





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