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写真提供・Mr.ティディ
イメージ音楽を聴きながら、お読み下さい。 お聴きになる方が集中して切れてばかりいましたので ブログ「花・花・花」のジャッキーさんが、カセット にして下さいました。ありがとう。瑠 アトラス山脈の山間の風景を右に見ながら、私は車の振動を我慢しながら運転を続けた。太陽が真上から照りつけ、汗が体中にべたつく日中だった。私はペットボトルから水を飲むために車を止めた。 水汲みの若い女たちが三人でお喋りしながら歩いている。三人とも裸足だ。 向こうから土ぼこりを立ててジープが走って来る。ジープが三人の歩いている側に止まった。二人の男が車から降りて、彼女たちに声をかけている。一人はハンサムで、もう一人はそうでもない。その二人は、車から女たちが興味を持ちそうな荷物をこれみよがしに、彼女たちの足元に降ろし始めた。 その大きな箱の中には、香水、ハイヒール、スカーフ、膝上丈の短いドレス、派手な下着、様々なアクセサリーが入っていた。それを、一つ、一つ、ゆっくりと二人の男が取り出していく。女たちは、とまどいながらもそれらを受け取り、明らかに幸せそうな顔をした。 女たちは、それらを一つ一つ身につけていく。 口紅とアイシャドウ、チークに紅を入れる。立派な化粧だ。 たちまち女たちは、大人の女に見えた。 一人の女が、これ以上の女はいないわ・・・、そういう素振りで、得意げにスカートを持ち上げながらくるりと回った。他の二人も同じようにした。女たちは、同様に甲高く笑った。 女たちの目は強い光を放っている。 美しくなった、自信を一瞬にして身に付けたかのようだった。 背後には、アトラス山脈が広がっていて、彼女たちの後ろを年老いた男が気だるそうに荷車を引いて通った。 女たちは、どういうわけか水くみの道具と古い服をその場に残し、ハンサムとそうではない男の車に乗り込んだ。数分もしないうちに、そのジープは、元来た方向へ土ぼこりを立てて走り去った。 太陽はぎらぎらと輝いていたが、羊が草を食み、黄色や白の花々が風に揺れるのどかな早春のお昼どきだった。 写真イメージ文・瑠 転用不可
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