|
パソコンのデータ整理中に発掘。
せっかくなので。
日記じゃないただの趣味SSです。
Grasp all,lose all.
「この気持ちもいつか薄れてしまうのか」
漠然と頭を過ぎった言葉に、寂しさと同時に理解してしまった。
上を見上げれば嫌になるほどの青空。
視線を下に向ければ、ちっぽけな住宅街とちっぽけな人間たち。
横に目を向ければ、足元から20センチほどしかないへりに腰掛け、
身を乗り出している―――僕の好きな人。
「危ないよ」なんて当たり前な忠告をやんわりと笑って無視して。
「高いトコが好きなの」なんて微妙な返答を返す君。
風に浚われる膝小僧が出る位の丈のプリーツスカート。
そこから覗く眩しいほど日焼けしない白い足。
膝下5センチまで上げた紺のハイソックス。
夏服のセーラーはどこまでも白く透けてしまいそう。
屋根などないから君の黒髪は日光を浴びて、茶色に染めたようで。
肩より長く、腰よりは短い君の絹のような髪が綺麗だった。
茹だる夏の陽射しに、目が霞む。
それは無性に泣きたくなるほど。
「……好きだよ。」
無意識のうちに、口から搾り出すように零れていた。
聞き逃されてしまいそうなほど小さな声は
それでも君の耳には届いたようで。
一瞬目を見開いたけど、先ほどよりもやわらかい笑顔で
うん、と応えてくれた。
それを知覚したと同時に、血液が顔に一気に集中するようだった。
あつい。気温の暑さじゃなくとにかくあつい。
なんてことを言ってしまったんだと羞恥に身悶えしてしまいそうだ。
僕の変なプライドとの葛藤など露知らず、君の意識は下へと向けられている。
顔を逸らされたので僕から見えるのは横顔だけ。
その顔がさきほどより頬の辺りがほんのり赤い気がするのは、僕の自惚れだろうか。
はんなりと笑った残像がいつまでも脳裏に焼きついてた。
いつか終わるとしても、僕はたぶんそれを忘れないだろう。
ただ根拠もなくそう思った。
おわり
あとがき
これ書いたときはまだ夏だったはず。。
高校の屋上からの風景を思い出して衝動的に書いただけ。
男目線なので当然アタシの実体験ではないフィクションだけど。
もう母校に行っても屋上立ち入り禁止だから幻の屋上。
懐かしい。
|