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ロシア首相ウラジーミル・プーチンは、最近(2月20日)ロシアの新聞に寄稿した論文において、新世代(第4世代)戦略原子力潜水艦「ボレイ」級カムチャツカ半島配備に言及しました。

しかし、現地からの情報によると、そのカムチャツカ半島のヴィリュチュンスク(ルイバチー)基地には、第4世代戦略原潜の為の新たな設備は、ほとんど何も建設されていません。

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2012年2月22日

カムチャツカ半島の沿岸インフラは、新たな潜水艦「ボレイ」に適していない。
『イズベスチヤ』紙は報じた。 

ウラジーミル・プーチンは、ロシア軍についての論文に、こう書いた。
ロシア造船業界の最新の成果である「ボレイ」と、(過去に)不成功だった事で知られるミサイル「ブラヴァー」は、石油会社「スルグトネフテガス」と多国籍企業から2002年に援助された資金で作られたヴィリュチュンスクの最新の基地に配置される。

しかし、「最新」なのだろうか?
沿岸のインフラに関して言えば、その後、ヴィリュチュンスクは根本的に新しいどころか、ルイバチー半島に潜水艦基地は建設されていない。
 『イズベスチヤ』紙は報じた。 

第16潜水艦戦隊によると、 「ボレイ」が配置されるクラシェニーンニコフ湾基地の桟橋は、1980年代に建設されたものである。
現在、ここを4つの異なるプロジェクト艦〜「カリマール」(667BDR)「シチューカ-B」(971)「アンテイ」(949A)「パルトゥース」(877)〜約20隻が占めている。

同戦隊のとある士官は、桟橋について述べた。
「それは、全く修理されていません。ブラヴァー"ミサイルを装備するボレイは、他のミサイルや潜水艦と同じ場所〜桟橋は"遠く"、湾の沿岸の反対側に位置しているのですが〜に置かれることになるでしょう。ボレイの為に新たな桟橋やミサイルの保管庫を建設するという話はありますが、それは未だ計画段階です」


基地の近代化において、軍の町には、幾つかの高層ビル診療所病院幼稚園ウォーターパーク、2007年にウラジーミル・プーチン自身によりオープンした大型スポーツセンターなどが建設された事には留意すべきである。

太平洋艦隊司令部は、ヴィリュチュンスク戦隊に関して、ヴィリュチュンスク基地に「ボレイ」の存在を確保する為、「多くの作業」を行なったと主張している。
「埠頭区域は、主にエレクトロニクスおよび動力、通信システム、基地周囲の保護の面において改造されました」
太平洋艦隊の代理人は説明した。

彼によると、「ボレイ」は、何ら特別な条件の停泊場を必要としない。
 「これらの潜水艦は、任意の場所の海洋へ展開することが出来ます。
その事に桟橋設備は重要ではありません。
そこに、彼らにとって必要なもの全てがあります」
彼は語った。 


地政学問題高等学院第一副校長コンスタンチン・シフコフは、「ボレイ」が必要とする動力及び沿岸支援システムの条件は他の潜水艦と同様であり、埠頭を近代化しなくとも、ヴィリュチュンスク基地のインフラは適合している事を確認した。
彼は、「ブラヴァー」ミサイルと、現在、ヴィリュチュンスクに居る「カリマール」が装備する「シネーワ」の保管条件は、実質的に同じである事を強調した。
「シネーワとブラヴァーは、温度、湿度、防振に関して必要とする条件は同じです。
ブラヴァーがシネーワの隣に保管される事は充分に可能です」
彼は強調した。 


「ボレイ」を建造し、試験を続けている「セヴマシュ」工場管理部は、国家機密を理由に、潜水艦が駐留する為の条件についての説明を拒んだ。

東方軍管区司令官コンスタンチン・シデンコ大将も、潜水艦及び「ブラヴァー」ミサイル採用の為、ヴィリュチュンスクで何が行われたのかについて説明しなかった。

国家安全保障問題センターアナトーリー・ツィガノクは、海軍はヴィリュチュンスク基地を「ボレイ」の為に大幅に変更していない事を認めた。
彼は「ブラヴァー」の技術特性はは完全に開発されておらず、重大な事故に繋がる可能性が在る事を指摘した。
「私は、大いに疑問を感じております。ミサイルは、本当に今年から生産数を増加できるのでしょうか。
ブラヴァーの試射成功率は52パーセントですが、正式採用の為には、95パーセントが必要です」


太平洋艦隊司令部の情報提供者は、「ボレイ」は、潜水艦とミサイルが海軍に正式採用された後、 ヴィリュチュンスクに到着すると述べた。
それは、2012年秋か2013年春になるだろう。
正確な時期は、今年夏の「ブラヴァー」発射と、国家試験の完了次第である。


ウラジーミル・プーチン寄稿論文

プーチン氏は、論文の中で「ボレイ」級について、こう書いています。
(2002年当時のロシア連邦軍参謀本部総長が、カムチャツカの戦略原潜基地の廃止を提案したが、当時のプーチン大統領は、その提案を採用しなかったと前置きして)
「そして今、我々は、すぐにでも新世代潜水艦ボレイ型の戦闘任務を遂行できる最新の基地をヴィリュチュンスクに有しています」
「新たなプロジェクトの戦略水中ロケット艦ボレイが当直勤務に就きます。
このクラスの潜水艦〜ユーリー・ドルゴルーキーとアレクサンドル・ネフスキー〜は国家試験を受けています」


しかし、プーチン首相が「ヴィリュチュンスクの最新の基地」と言っているのは、実際には福利厚生の為の施設であり、新型原潜を受け入れる為の新たな設備は、ほとんど作られていないという事のようです。


上の記事を読む限り、この問題に関し、現地(ヴィリュチュンスク基地)と太平洋艦隊司令部(沿海地方ウラジオストク)、そして、モスクワの軍事専門家の間には認識の違いが有るようです。

なお、記事中に登場する地政学問題高等学院第一副校長コンスタンチン・シフコフは、潜水艦発射弾道ミサイル「シネーワ」ヴィリュチュンスク基地に有るかのような発言をしていますが、現実には、ヴィリュチュンスク「シネーワ」は有りません。

ヴィリュチュンスク基地に配備されている「カリマール」戦略原潜(デルタIII級)の弾道ミサイルは、「シネーワ」よりも古いタイプのR-29R系列です。
2006年以降は、改良型のR-29RKU-2が搭載されています。

ちなみに、R-29RKU-2液体燃料ロケット「ブラヴァー」固体燃料ロケットです。
これまでに、ヴィリュチュンスク基地に固体燃料ロケットエンジンの潜水艦発射弾道ミサイルが配備された事は一度もありません。

シフコフ氏(軍事学博士)は、以前にイズベスチア紙が艦上戦闘機MiG-29Kの空母上試験について報じた時にも登場しています。

同氏は『イズベスチア』の軍事専門家でもあるようです。
本職は「地政学問題高等学院第一副校長」ですが。


なお、『ロシースカヤ・ガゼータ』ウラジーミル・プーチン寄稿論文は、
『くろいあめ、あかいほしM2』に翻訳文が掲載されています。

(これは第1回目ですが、順次翻訳が掲載されます)

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