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現在、ロシア海軍向けの新世代フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)の建造が進められています。

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アドミラル・ゴルシコフ型フリゲートの構想は、ソ連邦時代の1977年にまで遡ります。

元々は、当時アメリカ海軍が大量建造を進めていたオリヴァー・ハザード・ペリー級のような汎用ミサイルフリゲートソ連海軍が望んだのが発端でした。
そこで北方計画設計局は、プロジェクト1135(クリヴァク級)をベースにしたフリゲート・プロジェクト13040の設計作業を1981年から開始しました。
1986年に纏まった当初の設計案は、満載排水量6000トン、対艦ミサイル、対潜ミサイル、高射ミサイル、130mm砲、高射ロケット砲複合体、ヘリコプター、中距離水中音波ステーション(ソナー)を装備する汎用艦でした。

しかし、1991年のソ連邦解体後、プロジェクト13040は空中分解しました。

1990年代には、ネウストラシムイ型フリゲートグローム級フリゲートが建造されていますが、ゼレノドリスク設計局が設計したネウストラシムイ型は、元々は1500トン級コルベットとして計画されたものが拡大して4000トン級になった艦、アルマーズ設計局が設計したグローム級(ノーウィック)は、元々は小型ロケット艦から発展した艦であり、どちらも「正統派フリゲート(警備艦)」の系譜から外れた「異端児」でした。

ロシア海軍が再び(正統な)汎用ミサイルフリゲートを計画できるようになるには、10年の歳月が必要でした。
そして2005年2月28日、かつてプロジェクト13040を手掛けた北方計画設計局の手によるプロジェクト22350の設計案は承認され、翌年(2006年)に1番艦が起工されました。
最初に汎用ミサイルフリゲートの構想が出てから約30年が経過していました。

アドミラル・ゴルシコフ型は、現在までに3隻が起工されており、全てサンクト・ペテルブルク市のセーヴェルナヤ・ヴェルフィで建造されています。

ロシア連邦の「2011-2020年の国家兵器調達プログラム」によると、ゴルシコフ型フリゲートは2020年までに8隻が調達される計画です。


[プロジェクト22350フリゲート主要目]
満載排水量:4500t
全長:135m
幅:16m
吃水:4.5m
速力:29ノット
航続距離:4,000海里
乗員:186名
兵装:
高射ミサイルシステム「リドゥート」(ポリメント-リドゥート)×1基(32セル)
(48N6E2遠距離高射ミサイル、9M96E/9M96ME2中距離高射ミサイル、9M100短距離高射ミサイル発射可能)
対潜・対魚雷複合体「パケート-NK」4連装発射機×2基
搭載機:Ka-27ヘリコプター×1機


ゴルシコフ型フリゲートのミサイル兵装に関しては、当初は高射ミサイルはウーラガン垂直発射型だと言われていましたが、最近ではリドゥートが確実視されています。
この事で、ゴルシコフ型は建造途中で設計を変更し、高射ミサイルを新型に替えたとする見方もありますが、ステレグーシチー型コルベットの例を見る限り、それは違うでしょう。

艦には防空の為、2種類の対空ミサイルを運用できる高射ミサイル複合体「リドゥート」が装備されるが、1番艦は、一時的な戦闘モジュールとして高射ロケット砲複合体「コールチク-M」が搭載されている。


つまり、ゴルシコフ型(プロジェクト22350)の場合は、元からリドゥートを搭載する予定だったが(リドゥートの開発は1994年からスタート)、開発が間に合わない可能性が有るので(当初、1番艦アドミラル・ゴルシコフは2009年就役と言われていたが、リドゥートの試作品が出来上がったのは2009年、実用化は2011年)、ステレグーシチーと同様に「一時的な戦闘モジュール」としてウーラガン垂直発射型を搭載するつもりでいたが、建造ペースの遅れにより、リドゥートを装備できる目途が立ったので、当初の設計通りのリドゥートを装備するという事です。


<プロジェクト22350のリスト>

アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ
Адмирал флота Советского Союза Горшков
2006年2月1日起工/2010年10月28日進水/2012年就役予定

アドミラル・フロータ・カサトノフАдмирал флота Касатонов
2009年11月26日起工/2012年進水予定/2014年就役予定

アドミラル・ゴロフコАдмирал Головко

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2012年2月1日のアドミラル・ゴロフコ起工式典
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4番艦(アドミラル・ユマシェフАдмирал Юмашев?)
2012年起工予定

5番艦

6番艦

7番艦

8番艦

9番艦


プロジェクト22350の艦名は、ソヴィエト連邦海軍の著名な提督の名前が付けられています。

セルゲイ・ゴルシコフ(1910-1989)は有名なソ連邦海軍総司令官
ウラジーミル・カサトノフ(1910-1989)はゴルシコフ提督の女房役を長年務めたソ連邦海軍のナンバーツー
アレクセイ・ゴロフコ(1906-1962)は大祖国戦争時の北方艦隊司令官です。

ゴロフコ氏は短命(享年56歳)ですが、これは、晩年に核実験で被爆し放射線病に罹った為です。

ロシアでは4番艦の名前になると噂されているワレンチン・ユマシェフ(1895-1972)は大祖国戦争時の太平洋艦隊司令官を務め、戦後の一時期はソ連海軍総司令官兼ソ連海軍相でした。


2月21日、セーヴェルナヤ・ヴェルフィは、新たにプロジェクト22350フリゲート6隻を建造する契約をロシア連邦国防省と締結しました。

既に起工済み(当然、建造契約済み)の3隻に加え、新たに6隻の建造契約を締結したという事は、合計で9隻を建造する事になります。

建造元のセーヴェルナヤ・ヴェルフィは、今後15〜20年の間にゴルシコフ型フリゲート20隻が必要だと表明しています。

ロシア連邦海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、「個人的な意見」と前置きした上でゴルシコフ型フリゲートの最初の3隻を北方艦隊へ配備する構想を明らかにしました。


同時に建造されるステレグーシチー型コルベットバルト艦隊及へ優先的に配備され、アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート黒海艦隊向けですから、ゴルシコフ型フリゲート北方艦隊及び太平洋艦隊へ配備される事になるでしょう。

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ゴルシコフ型のルーツは、意外に古かったんですね。ゴルシコフ型と同時期に8,000トン級の大型艦も構想されていたとの話もあったので、そちらの縮小版かと思っていたんですが。
8,000トン級のほうは、現在構想中の新型駆逐艦に発展していくんだろうか?

ところで、うっかり見落としていましたが、ゴルシコフ型には「533mm魚雷発射管」が装備されていませんね。
長くソビエト/ロシア艦の標準装備(?)だった長魚雷(とヴォトパード対潜ミサイル)も、RBU-6000共々、いよいよ(水上艦用としては)お役ご免でしょうか。

2012/3/4(日) 午後 8:44 [ bygzam_ma08s ] 返信する

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