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ご存じ桂浜の像のモデルに使用された写真はブーツを履いているが、このブーツは「サイドゴアブーツ」というタイプだ。ロンドンのチェルシー地区で流行っていたため「チェルシー・ブーツ」ともいう。1836年に考案されたものだが、龍馬が撮影したころには30年近くたっていたので、それなりにメジャーなデザインだったのだろうか。 これは、ニッポン靴物語(新潮社版・\1,200・山川暁著・1986年)という本だが、第一章が「靴をはいた武士(さむらい)」である。最初の項は「坂本龍馬の靴」というタイトルになっており、6ページある。靴の歴史の本なので、龍馬を知らない読者のために簡単な説明に半分を割いている。そのため、龍馬の靴についてそれほど詳しく書かれているわけではない。内容を簡単に説明すると、以下のようになる。 ・龍馬は数多く旅をしているが、普段から履くと攘夷派に狙われる。
・長崎市中も危険に変わりないので市内を歩くときも履いていないだろう。 ・靴のことを書いた手紙が残っていない。 ・残された写真が龍馬が靴を履いていた唯一の証拠で、これら以外の資料はない。ゆえに龍馬の靴に関しては推測するしかない。 ・写真撮影のために履いたのではとも考えられるが、だったら洋服や帽子もつけるであろうから、個人所有のものだろう。 ・その気になれば、靴は長崎で入手できた。 ・一番確実性があるのは、船の上で履いていたのではないか。 ・でも全て謎である。 映画や小説では長崎の古道具屋で買ったり、ある本ではグラバーから入手したのではと書かれているが、最後の「全て謎である」がまさに全てで、どこの国で作られたか、どこで買ったか、どんな素材だったかなど知るすべはない。
この本は、平成13に発行された「週間 TIME TRAVEL 再現 日本史(講談社・\560)」の 「第3号(幕末・維新)」である。
27ページに「生活日本史」という項目があるのだが、サブタイトルが「和服にブーツが幕末最先端!龍馬の靴はなぜ大きめだった」となっている。ここではサイドゴアとは言わず、「深ゴムブーツ」と表現しており、以下の文章がある。(右の写真は、龍馬がはいていたものと同型と紹介されている)「甲高幅広の日本人がはくには、大き目のものを選ばなければならかったようで」
龍馬の足のサイズを考える「どこの国で作られたか、どこで買ったか、どんな素材だったか」は解らないが、写真があるのでサイズは身長からの換算で推定できる。龍馬の写真から考えてみる。立っている方は、靴の長さが分かりづらい。座っている方は腰以下のサイズ換算が難しい。そこで立っている方で、身長から顔の長さを割り出す。その長さを座ってる方にあてはめ、顔の長さと靴の長さの割合から求める。 ここで、龍馬の身長を169cmとしたが、これはENAK というニュースサイトをご覧いただきたい。 この換算で、31.8cmという数字が出たが、これは靴のサイズではない。靴というのは、足の長さ(かかとから、人差し指か中指の長い方までの距離)が25cmの人が履いてちょうど良い靴を「25cmの靴」というのだ。靴のある部分が25cmあるというわけではない。 では、靴の中身のサイズはどう考えるべきか。外寸(ソールの全長)と内寸(中敷きの全長)の比率で考えてみる。イギリスのチャーチという靴があるのだが、その通販にデータがあった。これらを調べてみると、「内寸×1.09=外寸」という式が成り立つ。 写真より、外寸が31.8cmなので、「31.8÷1.09=29.2」。内寸は29.2cmとなる。靴には捨て寸という余裕がある。つま先が直接当たると痛いし、普通に歩けない。捨て寸は通常、成人男子の靴で1〜1.5cmある。これを考慮すると、龍馬の靴は28.0cmの靴となる。 さあ、これで解決とはいかない。 「週間 TIME TRAVEL 再現 日本史」の「甲高幅広の日本人がはくには、大き目のものを選ばなければならかったようで」という文章が引っかかる。靴のワイズ(幅もしくは周囲)の問題だ。 では、実際に日本人と欧米人ではどれくらいの差があるのだろうか。 シリオ という靴販売のサイトがある。ここに欧米人と日本人の足型の違いについて書いてある。欧米人の足長と足幅の比率は10:3.5であるのに対して、日本人は10:4ということらしい。 サイズ28.0cmのブーツを日本人が幅で合わせるには、(4÷3.5=1.14から)実際のサイズの1.14倍の長さが必要ということになる。28.0cmのブーツを幅で合わせて入手したと考えると、(28.0÷1.14=24.56から)足のサイズは24.5cmと推察される。 いかがだろうか。身長169cm、足のサイズ24.5cmの龍馬はずいぶんと身近に感じるのは私だけだろうか。
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TAMさんの推定24.5cmは意外でした。海上以外は走り回っていたのでもっと大きな足、26〜27cmを想像していました。
私は身長178cm靴は26.5cm〜27cmを履いていますが、たぶん小足の方です。体は大きいのですがパーツは小ぶりなのです(笑)。
もしかすると小さいのを我慢して履いていたかもしれませんね、もちろん少しですが。それとも皮を伸ばして履いていた可能性はありませんか?すみません、尊敬する龍馬の足サイズが24.5cmではちょっとがっかりなものですから。もう少し考証を加え大きくしてください!
2009/3/19(木) 午後 8:16
龍馬と柔術の試合をした、幕臣信太歌之助は龍馬の身長を五尺九寸(179cm)と語ったそうです。もし、これが正しければ、顔は26.9cmで靴の外寸は33.7cmです。そうすると、内寸が30.9cmで、捨て寸を考えると、靴のサイズは29.5cm。ワイズを考慮すると、龍馬の足のサイズは25.5cm〜26.0cmです。これなら、よろしいでしょうか。
靴メーカーがサンプルを作るとき、10年ぐらい前までは25.0cmでした。それは、日本人の平均が25.0cmぐらいだったからです。
24.5cmは十文三分ですが、江戸時代の狂歌や川柳・落語などでは、女性が十文あると恥ずかしいという表現がいくつかあります。今の女性が恥ずかしいサイズが何センチかわかりませんが、例えば和田アキ子さんは27cmあるそうです。もし、江戸時代の十文が現在の27cm前後の感覚だとすると、江戸時代の24.5cmは決して小さくはないですね。
2009/3/19(木) 午後 10:56
靴と足袋はちがうのかなあ?たぶん違うんでしょうね。
小学生の時運動会では靴よりも足袋が圧倒的に多かったのですが、身長150cmくらいで足袋は十文半を履いていたと記憶しています。
まあ、ここで大きい足がいいの、このぐらいなら許せるかの話は龍馬の失笑を買いますから、TAMさん考証にすべて委ね、わがままは言いません(笑) ありがとうございました。
2009/3/20(金) 午前 10:33
はじめまして。
竜馬がゆくを読み終わって、検索したらたどり着きました(はじめは、HPの方にたどり着いたんですけどw)
おもしろい検証ですねぇー!
2009/3/20(金) 午後 9:23 [ ライーム ]
ghe*t*hea*en*pさん、はじめまして。「脱!竜馬がゆく」のTAMです。「竜馬がゆく」はいかがだったでしょうか。最初の一回は、一生に一度しか味わえない興奮だったと思います。「竜馬がゆく」を読み終わった方は、必ずと言っていいよどに「次に何を読むか」という問題にぶつかります。司馬遼太郎の世界に浸るか、真の龍馬を追いかけるのか、違う作者の龍馬ものを読むのか。。。。。。大変迷うところだと思います。
今後とも、よろしくお願いいたします。
2009/3/20(金) 午後 11:03
こんにちは!
TAMさんこれも転載させていただけますか?
できればコメント欄も(私との部分)。
2009/4/1(水) 午後 6:00
再度 お伺いシマ〜す!
TAMさんこれも転載させていただけませんか?
できればコメント欄も(私との部分)。
2009/4/2(木) 午後 8:05
すみません。風邪ひいて、毎日9時には寝てました。
転載の件、OKです。
2009/4/3(金) 午前 9:56
だいぶ回復できたかな?お大事に!
ありがとうございます。
2009/4/3(金) 午前 11:41
この記事は、2010/01/16にHPへ転載しました。
2010/1/16(土) 午後 4:36
なんと! 意外と小さいサイズなんですね
転載させて頂きます
2017/11/3(金) 午後 7:23 [ 太郎 ]