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核廃棄物の最終処分に安易な道を選ぶな \?\᡼\? 1 \?\᡼\? 1

 わが国の高レベル放射性廃棄物処理研究の第一人者である、元内閣官房参与・田坂広志 多摩大学大学院教授は、全国の原発サイトの「使用済み核燃料貯蔵プール」は、もし原発を順調に再稼働できても、平均6年で満杯になる状況にあり、青森県六ヶ所村の再処理工場の貯蔵施設も、すでに満杯近くなっている。核廃棄物の最終処分問題の解決法を見出さない限り、原発は、早晩、止めなければならなくなる。
 この問題は、「脱原発・原発推進」のいずれの立場であるかに関わらず、直視すべき「厳しい現実」である。また、昨年9月11日、日本学術会議が内閣府原子力委員会に対して、「地層処分の10万年の安全は、現在の科学では証明できないため、我が国において、核廃棄物の地層処分は実施すべきではない」と明確に提言した。
 政府はこれまでのように、「国内で地層処分を実現する」という一本槍の政策ではなく、種々の可能性を考慮する必要がある。核廃棄物の最終処分については、国際社会全体が責任を持って最終処分の方策を考えるべき問題であり、本来、「各国独自の制度」によって実施するべきではなく、「国際的な共同体制」によって実施することが望ましいと言う。その考え方には同意できるので最終処分場としての可能性』の提案をしてみた。


 しかし、日本列島の陸地で断層運動を生じるような硬くてもろい岩盤があるのは、地下十五〜二十キロメートル程度までで、陸域の地震は、殆どがその部分で起こる。現在、日本全国で約二千箇所の活断層が確認されており、地表面からは見えず断層面の上端が地表から1キロメートル以下の深度まで達している伏在断層も、活断層の範疇に入るため、確認されていない断層がどれほどあるのかは想像もつかない。現実問題として、国内にはオンカロのような地表から数百メートルの比較的浅い部分に安定した地層が存在するなどと言う想定自体、空想の産物でしかなく、「国内での地層処分」はまず不可能である。
 また、「海外での地層処分」は開発途上国や未開発地域を想定していると思われるが、現状では人が寄り付かない地域であるだけで、安全が担保されている訳ではない。地球上のいずれの地域であろうと、そこで放射能汚染が発生すれば、地下水系や河川を経て海洋まで汚染が広がり、生態系にもに重大な影響を及ぼすことになる。全くの論外である。
 更に、プルトニウムやネプツニウムなどの長半減期の放射性核種を、特殊な原子炉で燃やし、短半減期の放射性核種に変換してしまう核種変換による「消滅処理」だが、理論的にも技術的にも確立されていない。この「消滅処理」や宇宙船に積んで燃え盛る太陽に送り込むと言う「宇宙処分」、そのいずれにしても、事故などによって大気中に放射性物質が放出される危険性を孕んでおり、まさに「天に唾する行為」と言えよう。


核廃棄物の最終処分には安易な道を選ぶことなく、日本の英知を結集して技術的な問題をクリアすると共に、安全、且つ創造的な方法を模索すべきである。

 『生命の宝庫であるこの地球は、大いなる天と地によって守り育まれている』

 外部からの宇宙線を遮る電離層が太陽の恵みをもたらし、限りなく澄んだ空は宇宙の営みを私たちに示し、人類に深い思慮を求めている。
 足元の地殻は地球中心部が高密度に圧縮され、放射性元素の崩壊を惹き起こし凄まじい放射線と熱を放出しているにも拘らず、地表面には地震や火山活動など自然の脅威を見せつけることもあるが、大地の恵みや温泉など地上生命体を癒し育んでいる。これほどまでに生命を慈しむための機能を持つ地球、全宇宙を見渡しても非常に稀な星、この環境を守れずして私たちはこの地球に生きる資格があるのだろうか?

Homepage より

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