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病める世界への処方箋

病める世界への処方箋 \?\᡼\? 1 \?\᡼\? 1
 
 冷戦の終結後、旧社会主義国を中心に民族間対立などによる内戦が世界各地で発生した。その一方で、9.11アメリカ同時多発テロ事件に象徴されるような大規模かつ残虐で一般市民をも攻撃の対象とする卑劣極まりないテロ事件が頻発し、国際社会はテロの脅威と戦わなければならない時代に入った。
このような戦争やテロの脅威などを根絶するためには、顕在化するテロ集団を武力鎮圧するだけでは本当の解決にはつながらない。武力鎮圧は恨みの連鎖を生むばかりだ。

 イスラム諸国のみならず先進国の若者たちにもISに参加したり、自国内でテロ行為をひき起こしたりする事件も起き、世界各地のテロ集団がISやアルカイダを名乗り、影響力を競うように活動を始めた。この一連の問題は、民族や人種、宗教、身分制度などの人権問題による差別や植民地時代の遺物とも言える列強による理不尽な国境線画定などの歴史的経緯、更には資源獲得競争を有利に導くために先進国が資源輸出国の一部の支配層と癒着し、教育の普及や民主化を妨げてきたことなど、貧困や憎しみを増幅させる仕組みが存在し続けてきたことにある。
 また、テロリストたちはそれを逆手に取り、無教育の若者たちを巧くリクルートし、ジハードをイスラム信徒の義務と教え、聖戦士(ムジャーヒディーン)として自爆テロなどに駆り立てている。
 若者たちのリクルートは、イスラム諸国のみならず、インターネットを通し欧米諸国を初め、アジアや日本にまでも及んでおり、最早全世界的な問題でもある。それらは、世界のあらゆる地域で共通する現代社会の閉塞感や生きづらさなどの社会問題に起因するところが大きいと言えよう。

 冷戦終結後の世界は、社会主義国家においても経済改革が進み、経済優先主義のグローバリゼーションが浸透し、様々な矛盾が表面化してきた。富の寡占による格差の拡大、職業による賃金格差、行政の中で置き去りにされる不公平感、就業機会に恵まれず自立できない若者の存在、不確実性社会の中で競争に敗れたり、コミュニティからはみ出し自分の居場所を確立できずに孤立するなど、社会生活の中で自己を確立できずに心を病み自己を閉ざしたり、犯罪に奔る若者が多出し、甘い言葉や扇動に乗りやすい温床が出来上がっていることがうかがえる。

 これら現代社会が抱える問題を大別すると、顕在化する「テロの脅威」とそれらの土壌となる「理不尽な環境の存在」である。

 前者のテロなどの脅威については、有志連合のような軍事力の行使ではなく、国連警察軍のように人類への脅威に対し、国連決議に基づき全世界が一致して取り組むシステムが必要である。一部の国々の思惑で軍事力が行使されれば、「集団的自衛権の行使」と言って参加したがる無分別な輩も出て来る。その結果、必ずや「恨みの連鎖」を生み、世界のあらゆるところで自国民が標的にされかねない。

 後者の理不尽な環境の存在については、現代社会が抱えるこれらの人権問題や社会問題を一つ一つ丁寧に打開することが必要である。

  その中でも政治における公正・公平を実現する民主主義のあり方については、従来からの形式だけの三権分立では民主主義が担保される保証はない。三権それぞれの任命が公平な選挙によるものとし、その上で国民が選出する第3者機関がそれらの活動を監視するシステムを設けなければ、間接民主制である限り権力は悪用される。同時に現代社会が様々な人種・民族・宗教などが混在する以上、国家統治における政経分離は必然である。
  また、経済問題ではトマ・ピケティ氏が指摘するような格差の縮小や富の分配など富の寡占化を解消するための税制導入や、富の寡占化そのものを伴わない経済システムの構築が必要である。
  そのためには、アメリカンスタンダードによるグローバリゼーションを根本的に見直し、その目標を競争社会から成熟した共生社会の実現に転換する。各国における産業育成政策や対外規制は尊重されなければならず、先進諸国においては少なくとも基本的な工業用資源・エネルギー・食料などの自給を目指すべきであろう。これは、自国企業に儲けさせたいからと言って押し売り外交で相手国の産業崩壊を招かず、足りないからと言って闇雲に資源獲得競争に奔らないための知恵であり、工業用資源については大量消費・大量廃棄の見直しや都市鉱山などの廃棄物の再生で、エネルギーについては再生可能エネルギー開発、食糧については農業の工業化等によって対応できよう。単なるナショナリズムへの回帰ではない。
  更に、それらを周知するためのメディアは現在の国営放送を解体し複数の公共放送を設立して担わせ、その運営はNPO法人として公正・公平を競わせる。そのNPO法人への寄付金は所得税から税額控除されるシステムとし、商業主義一辺倒のメディアと区別するなど、公正・公平な報道のあり方についても全世界的なコンセンサスが確立されなければならない。

これらは国際社会が一致して取り組まなければならない課題である。

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    「共生」、これこそ人々が最も敬意を払い、遵守すべき信条であると思います。人々が持ちべきこの信条をおざなりにしているからこそ争いが起き、悲惨な歴史が繰り返され格差の拡大が起きるのだと感じます。互いを敬い、互いの存在を認め合ってこそ人類が目指しているはずの「平和な社会」が実現されるのであり、その過程で「民主主義」という考え方が導き出されたはずなのですが、形骸化していることは否めないのだと感じます。

    [ 蠡鷏 代表清算人 ]

    2015/2/27(金) 午前 6:21

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