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脱原子力への「長く険しい道程への決断」 イメージ 1

 「脱原発依存」に対する明確な意思表示もないまま野田新政権が発足した。この政権は小泉政権同様、狼煙だけを上げ、中身は人任せ・成り行き任せのなし崩し政策遂行型らしい。

 国民と向き合うわけでもなく、マスコミを誘導しTPP参加に向けた協議の開始や韓国への5兆円スワップ保証、IMF資金増強に600億ドルの拠出、ASEAN首脳会議で2兆円規模のインフラ支援などの円バラマキと消費増税に突き進む姿は、民主主義を形骸化し国民を欺き重荷だけを背負わせ、責任も取らずに去る者の姿を想像させる。それでいて本人はチャッカリ歴史が評価してくれると思っているに違いない。

 戯れごとはさて置き、2011.05.31ニューヨーク・タイムズが「日本の原子力依存、カネと雇用で盤石な原発の現実」という記事に取り上げられるように、過疎に悩む地方が経済発展を求めて原発建設を受け入れてきた。1974年に田中角栄元首相が導入した電源三法により、消費者が支払う電気料金の一部が電源開発促進税として集められ、原発に隣接する地方に流れる仕組みができ、補助金で過疎地が息を吹き返す。その結果、原発誘致が中央・地方格差の是正措置の一環となった。一度原発を建設すると、相互依存関係ができ後戻りができなくなる。美味しそうなアメ(政策)に魅せられ、一種の依存症が作り出されてしまった。

 「脱原発依存」の推進は、菅首相の再生可能エネルギー利用の推進だけでは済まない。野田内閣が行っているような子供だましでは国民の信頼は得られない。

 先ず、「核燃料サイクル構想の撤回と脱原子力の目標年限を定める」ことだ。多くの原発が耐用年限を迎える2030年が一つの目途になると考えられる。
 次は、以下のようなしっかりした「エネルギー総合政策」を練り上げ、一切の矛盾をなくし、国民の信頼を得ることだ。
 それまでは、「エネルギー総合政策」に則り、安全性が確認されたものから再稼働することを考えるべきである。そして、老朽化やストレステストをクリアできないものから順番に稼働停止し、廃炉へ向けての一貫した仕組みづくりで、立地自治体周辺の雇用の安定と関連産業の支援を行うことが必要である。

≪エネルギー総合政策≫
  1. 直近の電力不足に対する応急的対策
  2. 東京電力の破たん処理と発送電分離も含む電力供給システムの抜本的な見直し
  3. 原発再稼働のためのストレステストの信頼性の向上と稼働条件のクリア
     従来の政府原子力委員会から保安院および電力会社、経済界出身スタッフを除外した批判的研究者および知識人を半数以上入れた検討チームで精査
     周辺の活断層の把握と地盤データ再調査を踏まえ、地震や津波による影響調査を原子炉本体だけでなく施設全体の設備について精査
     圧力容器の脆性遷移温度の変化の上限を安全側に定めて耐用年限の基準とし、その他の周辺設備に対しても更新の要否とコストバランスを総合的に考慮して稼働可能年限を決定
     使用済み核燃料の最終処分に至るまでの期間、電力需要量に応じた電力需要自治体内での使用済み核燃料の仮置き場の設置同意の取り付け
  4. 事故が発生した場合の政府主導の特別チームで事故の収束を図る体制の整備とその場合の、電力会社、政府、自治体、80km圏内の周辺住民全てが参画する、シビアアクシデント対策の整備
  5. 代替エネルギー又は再生可能エネルギー等の中長期的な対策の策定
  6. 廃炉へ向けて取り組みの決定
  7. 原発停止による、立地自治体の税収減や関連産業の衰退などの経済的不利益に対し、新規事業の創出と、使用済み核燃料の処分・原発の解体除染・跡地の再利用までを一貫して行う仕組みづくりで、立地自治体周辺の雇用の安定と関連産業の支援
  8. 使用済み核燃料の最終処分方法の模索・決定
2012年6月8日 Homepage  より

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