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「失われた20年」政官財・言論界に妙案無し(1) \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1
 
 週刊ダイヤモンド
       金融政策でデフレ脱却できるか
       グローバル化で日本企業は生き残れるか
       日本経済復活の処方箋、答えはどこにあるのか?
       ・・・・etc
 今政官財界で模索される成長戦略は「TPP参加とFTA等の拡大」と「日銀改革で円高とデフレの解消」と言うものだ。この場合、この二つの命題の真偽は如何!
 
命題1、TPP参加とFTA等の拡大で日本再生はなるのか?
命題2、日銀改革で円高とデフレの解消は実現するのか?
 
  「TPP参加とFTA等の拡大」で日本のモノづくりを復活させ、外圧により国内のあらゆる規制を取り払い、新自由主義型の経済原則で全ての産業やシステムを淘汰させることで、日本を再生させようとする考えである。前もって十分な準備をする時間もなく、走り始めた汽車に飛び乗るという、全く無謀な試みだ。
 
    (伊藤元重の日本経済「創造的破壊」論)
  1. 製造業の急速な海外展開を進め、更なる国際化で日本企業の国際競争力を向上させる。
  2. サービス産業の生産性向上のため、医療・介護制度を破壊する。
  3. 政府債務の削減と、持続可能な社会保障制度構築のために、現制度を破壊する。
  4. 関税ゼロを受け入れることで兼業農家の離農を進め、農業経営者の再編を促し、農業の国際競争力を向上させる。
 「第1の命題」では日本企業の海外展開で国際競争力をつける部分では、海外進出を果たせる企業は一時的な成功を勝ち取ることは出来よう。しかし、彼らが目指す競争力とは価格競争力でしかない。進出先における現地雇用は、その国の経済成長を促し、待遇改善のための労働争議等で人件費は必然的に増大する。企業が十分な収益を確保するには、次の移転先が必要となる。その結果、グローバル企業とは名ばかりの根無し草となったり、資本力が低下すれば、M$A等でより資本力のある外国企業に技術やブランド名まで引き渡すことになる。
 同時に、製造業の海外進出で国内の空洞化は避けられない。外圧に押されての規制撤廃は、従来のシステムの良い部分をも捨て去ることにもなりかねない。特に社会保障関連の国民皆保険的な国策システムにまで外圧による修正が入れば、セーフティーネットの崩壊にもつながる。
 また、農業は食糧安保など、懸念される食糧供給的な側面だけでなく、自然環境の保全にも大きく貢献している。専業農家への支援の他に、環境保全機能システムの構築も必要である。
 これらについて、無策のまま自然淘汰に任せる政策なら、政府も国家も必要ない。TPPやFTAは、日本的な「商売」の世界ではなく、国家間、グローバル企業間の「パワーゲーム」でしかない。これらの経済連携協定がアメリカの流儀(新自由主義的な発想で、アメリカンスタンダードに適合させる形)で進められる限り、「第一の命題は偽」である。

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