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情報格差を逆利用した報道における情報操作 \?\᡼\? 1 \?\᡼\? 1

 ※参考 : デジタル・ディバイド
 デジタル・ディバイドとは、「インターネットやパソコン等の情報通信技術を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差」 のことをいう。具体的には、インターネットやブロードバンド等の利用可能性に関する国内地域格差を示す 「地域間デジタル・ディバイド」、身体的・社会的条件(性別、年齢、学歴の有無等)の相違に伴うICT の利用格差を示す 「個人間・集団間デジタル・ディバイド」、インターネットやブロードバンド等の利用可能性に関する国際間格差を示す 「国際間デジタル・ディバイド」 等の観点で論じられることが多い。(総務省ホームページより)

 デジタル・ディバイドの概念は、従来の一般メディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、書籍)から得られる情報の他に、インターネットなどのデジタル・デバイスを通して求める情報を必要な時に得られることは、大きなメリットであり、情報量も格段に違ってくる。その差が情報収集を意図した場合に生ずる差であり、得ることが出来る者とできない者との間で格差があると言うことになる。
 しかし、インターネットなどの情報通信技術(IT)を利用する人々は、個々の利用者が自分の興味や必要性に応じて情報と接するわけで、あらゆる情報に触れるわけではない。
 あくまでも、デジタル・ディバイドが問題視されるとすれば、それは仕事や研究、調査、旅行、レジャーなどで積極的に情報収集しようとする意思がある場合に、デジタル・デバイスを利用できるか否かによって大きな差が出てしまうということ。または、利用する機会に恵まれることによって新たな道や展開を見出すことがあるかも知れないということだ。

 ここまでは、一般的な情報の受け手の話だが、情報発信を専門とする報道に目を向けた場合について考えてみたい。

 報道関係者は常に表現の自由を主張し、外部からの束縛を許さない。しかし、彼らの情報発信の仕方は、『表現の自由=真実の報道』 と言い切れるわけではない。報道する側の資質や能力によって、大きな差が出て来る。また、政治、経済、社会、技術、エンタメ、スポーツなど各ジャンルで、視聴者や読者の興味を引く話題で視聴率や部数を稼ぐビジネスでもある。
 政治関連ニュースにおいては、十分な調査もなく行政当局の発表や恣意的なリークを鵜呑みにし、さらには専属のコメンテーターの意見を交え尤もらしく脚色する場合もある。
 
情報の裏付けをしっかり取らなければ、報道機関は情報操作に加担させられてしまう

 情報発信する側に何らかの意図がある場合、『露出度が高く多くの人々に認知される媒体を使用し、効果的に情報発信を行えば良い。』 と言うことになる。露出度が高く広範な周知効果を期待できる媒体として、順番を付ければ、「テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、web」 という順番になる。テレビなら最も効果的な時間帯があり多くの人の目に留まる。新聞なら全国紙の第1面、雑誌なら電車の中刷り広告もある。ラジオなら仕事や車の運転中でも付けているだけで耳に入ってくる。都市部では電車や駅、街中などでもヘッドライン・ニュースを観ることが出来るかも知れない。しかし、webでは、利用者の能動的な行為が必要なため、利用者側が求めなければ、周知効果は限られてしまう。
 政敵の抹殺を意図したスキャンダルのでっち上げ、原発事故の過少評価、電力の供給不足不安、消費税増税の必要性、TPP加入の必要性、これらについては政府や一定の政治勢力にとって都合の良い内容の情報のみで脚色されたものであるが、その思惑通りテレビや全国紙などのマスメディアで繰り返し々々報道される。これは、民間放送各局ばかりでなく、公共放送であるNHKも同様である。
 ニュース報道などに登場するコメンテーター、新聞の社説や特集コラムなどでも口を揃えてその情報の信憑性や政策の必要性を説く。これらの情報はいたる所で流され、テレビのバラエティー番組でも面白おかしく取り上げられる。こうなると受け手側が好むと好まざるとに拘わらず、確かな情報のように伝達され国民の胸に深く印象付けられてしまうことになる。一種の 『プロパガンダ』 である。

 ところが、マスメディアは、そのプロパガンダに真っ向から反対する勢力の意見や良識派の批判など、都合の悪い情報に対し、反応しないばかりか切り捨て口調で批判することもある。また、ネット規制、ダウンロード遺法化、ACTA(:偽造品の取引の防止に関する協定等)などの法案については、報道に取り上げられることもなく、いつの間にか国会を通過成立している。人権擁護委員会設置法案なども、国民生活に大きく影響を及ぼす問題なのに、同様の扱いで閣議決定しても何の報道もない。

 マスメディアの中にも、評価できる番組はある。TBSテレビ毎週土曜日17:30からの『報道特集』、NHKにもNHKスペシャルやETV特集などがある。しかし、残念なことに放送時間帯がゴールデンタイムには組まれていない。夜の10時台、再放送も深夜枠である。最たるものが、TPPに対し強烈な反対を表明していた京都大学准教授中野剛志氏のNHK、視点・論点 「TPP参加の是非」 は早朝4時台の10分間だった。これらは、偏向報道はないことのアリバイ作りにしか見えない姑息なやり方だ。
 
これらのマスメディアの報道に対し、差別化を図るタブロイド紙や週刊誌、全く反対の立場をとるwebを利用するメディアは、マスメディアが報じない反対する勢力の意見や良識派の批判、当事者のインタビュー、現場実況報道などを詳しく取り上げ、政府や一定の政治勢力の思惑を解明・解説し批判する。
しかし、如何せん周知能力はマスメディアに比べ、微弱である。求める人々への情報提供であって、テレビのように点けておくだけで、老若男女を問わずその耳目を通し、「無意識のうちに刷りこむ力」 はない。また、タブロイド紙や週刊誌は、同時に掲載されるその他の記事の内容から、真実報道さえ眉唾とみられてしまうことも否めない。その意味で、わが国には真実を国民に周知するための報道機関が存在しないと言っても過言ではない。
 
プロパガンダ』のあり様や『国民不在の政治運営』、『メディアの実態』 これらの現実を認識し得る国民だけがやきもきしてみても始まらない。日本のあり方を根本的に変えるには、政治制度や官僚機構は勿論だが、その前に、社会に大きな影響力をもたらす「教育」 と 「マスメディア」 のあり方を変えなければならない。
 
 

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