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「失われた20年」政官財・言論界に妙案無し(3) \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1

  1、TPP参加とFTA等の拡大で日本再生はなるのか?  ⇒ 偽
  2、日銀改革で円高とデフレの解消は実現するのか?   ⇒ 偽
  3、消費増税で財政健全化               ⇒ 偽

 こうしてみてくると、「失われた20年」から脱却するための特効薬は存在しないことが分かる。では、「失われた20年」のなかで、日本人は一体何を失ってしまったのか。それを知った上で、正攻法で取り組むしかない。

 バブル経済の崩壊と共にあらゆる価値観が変ってしまった。予め用意された軌道に乗れば、幸せな家庭を営み、子供の将来や老後の暮らしに対しても何の心配もなかった。しかし、それらはすべて過去のものとなってしまった。経験的に親から子、師から子弟へ、先輩から後輩へと引き継がれてきた、「教訓」や「価値観」、「自信」、「目指すべき目標」これらは全て失われてしまった。
 先ず、絶対と思われていた土地神話が崩壊した。それと同時に、企業収益改善のためには、不採算部門のリストラやM&Aも企業経営上の選択肢の一つとなった。そして正規雇用労働者の代わりに非正規労働者を採用するなど、終身雇用・年功序列の因習がいとも簡単に葬り去られ、成果主義が取って代わり労働環境も一変した。その結果、企業業績は急回復したが、失業者は街に溢れ社会不安が増大した。昭和後半の一億総中流時代は終焉を迎えたのである。

 それを反映するように、公害や環境破壊が人命を脅かし、甚大な被害が出ているにも拘らず、政府や企業は賠償面での足切りを敢行する。教育面では最も大事な自己の確立や責任負担、他人への思いやり、社会生活への適応などの人間形成よりも必要以上の競争を生み出し、いじめや凶悪または刹那的とも言える犯罪が横行し始めている。わが国はやり得、やられ損の社会と化してしまった。
 しかし、これはわが国だけの現象ではなく、アメリカの反ウォール街デモにもみられる。その抗議内容は「私たちは99%」というスローガンを掲げ、1%の富裕層が米国の富を独占しているとし、富裕層はより高い税金を払うべきだと訴えている。

 行政においては、政策の過ちによる「無駄」「不公平」「海外に比べても高すぎる国会議員総経費」「多すぎる国会議員数」「民間と乖離した高額な公務員給与」「高級官僚の天下り先として設立された独立行政法人への税金投入」など、本来の行政コスト以外のものが国民負担の相当部分を占めている。
 この中で公務員給与を取り上げれば、経済成長段階では、民間が主導し、官はその方向付けや支援のみで十分だった。また、民間が潤えば税収も増え官の懐も膨らむ。だが、バブル経済崩壊以降は国家公務員給与が初めて民間給与所得者男性平均を上回った。これは、GHQの求めで公務員の労働3権(労働者の団結権、団体交渉権、争議権)の制限を設けた際、その「代償処置」として人事院や地方の人事委員会による給与改定勧告制度が設けられた。全くバカな話だが、公務員給与を民間給与所得に比べて低すぎないようにする仕組みだけで、民間に連動させる概念が組み込まれていなかった。そのために、民間給与所得者平均が1998年にピークを付けて下げに転じ、2012年度現在では507万円程度に留まる中、公務員給与のみ624万円と2割超の上方で高止まりしたままである。女性を含む民間給与所得者全体平均412万円に対しては、1.5倍にもなっている。
 民間に連動させるためには、国と地方の公務員と独法職員給与を共に3割削減しなければならない。これによって、一般会計の国家公務員人件費と地方交付税の地方公務員人件費削減相当分、さらには特別会計の独法人件費を合算すると年約9兆円超の歳出削減が可能となる。
 社会保障面では年金の不公平医療制度の無駄生活保護の無駄と必要な人に届かない不公平ミスマッチの雇用支援、「細部に目の届かない老人・障害者・児童・単親家庭福祉」など、全てのシステムにおいて制度疲労を起こしている。
 年金や医療保険、介護保険、生活保護制度は、従来のシステムを維持しようとすると、「不公平が増大し、財源が不足する」、つまり、制度自体が既に破綻しているわけで、そのまま維持や改革を先延ばしする選択肢はあり得ない。早急に制度設計から根本的にやり直すべきである。

「日本再生」 と 「政治への信頼回復」 は、
         〜行政や社会保障における無駄や不正・不公平の見直しから

 不公平の是正は一気に行い、官民が同じスタートラインに立たなければならない。景気が回復し、民間給与が上がり税収が増えれば、当然に公務員給与も同様に上がることになる。このように、官民が力を合わせることで、日本の再生が早められ、国民全体が豊かになることを、官僚にも知らしめることが大事である。

 従来型の経済政策は、政官財の利権の構造が国家の財政規模を増大させ、景気が悪化するたびに国債を増発し財政出動で切り抜けてきた。しかし今や、国と地方を合わせた債務残高が国民資産に迫る勢いだが、政官財界には、「財政出動のみが経済再生の手法」との思い込みが抜けきらない。
 しかし、それはあながち間違いとは言い切れない。だが、国の公共投資だけで経済再生を図ると言う在来の手法に固執せず、国と投資は呼び水として用い、民間投資を促すことが賢明だ。そのためには、バラマキや補助金に頼るのではなく、『知恵や意欲、技術の裏付け』、『行動を起こすための資金』、これらを積極的に結び付ける官民一体のシステムと日本独自の国際企業戦略による地方の活性化と産業構造改革が必要である。
 また、国や地方自治体が計画に入れていない分野でも、民間企業が行う一定の合目的事業について、その投資額を法人税から税額控除することによって投資を促進するという手法も可能であろう。
 
 日本再生は、
  国民負担部分に無駄や不公平を残したままで、
        国民に新たな負担をお願いするようなやり方をする政治家には任せられない。
  無駄や不公平をなくすことで、官民が胸襟を開き、一体となって進める「正攻法」によるほかはなく、
        それを敢行する政治家のみが「国民の信頼を得る」ことになる。

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