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強い農業は地方・地域の活性化で

 農業問題は一律に考えることは出来ない。作物の栽培では四季を通じて生産が可能な地域、冬は全くダメな地域。平野部では大規模化が可能でも、中山間地では不可能である。酪農でも牧草地を持てる地域、人工飼料でしか育てられないケースと様々である。また、農業は拡大再生産が難しい産業でもあり、規模拡大には土地の集約が必要となる。農業従事者が高齢化の一途を辿っているのは、農業では食べていけないために若い担い手が育たないのである。

 農林水産省の調べでは中山間地域が耕地面積の43%、総農家数の43%、農業産出額の39%、農業集落数の52%という。農業の規模拡大を図るにも耕地全体の半分程度が対象となるだけである。農家1戸当たりの耕作面積は1.2ha、規模拡大で20〜30ha規模とするためには、平地部農家の95%が離農しなければならない。また、一方では業としての農業をやめて自分の食べる量だけ生産している自給的農家が総農家の3割を占めるようになっている。

 農業政策の一番の難点は小規模な兼業米作農家の意識転換である。米作は収量も安定しており、獲得した経験があれば、高齢化が進んでもサラリーマンを続けながらでも継続が容易である。土地への執着が強いため相続人の不在や経済的事情など、離農に至る特別な要因がなければ細々ながらも引き継がれていく。改革の手始めは、兼業農家に離農のきっかけを作ることである。

従って、農業再生には、地方・地域の活性化による安定雇用の創出と、農地売却時の課税免除などの税制面と転業支援一時金などの補償面での優遇で兼業農家の離農促進を図り、転業困難な離農高齢者の土地買い上げ、またはリバースモーゲージ制度などによる終身生活保障制度の創設など土地集約のための環境整備が必要である。
それに合わせて、農業が里山の自然や環境保全を担って現在に至っていることを忘れてはならない。そのためには自然保護や環境対策などと合わせた中山間地域への自給的農家の移転・入植などの支援策、さらにはナショナルトラストの導入による森林・自然保護関係の施策と雇用促進が必須である。

 農業戸別所得補償制度や大規模化による経営の効率化だけでは、農業の再生には繋がらない。戦後の農地改革に匹敵するような抜本的改革、「新農業政策(New farm policy)」が必要である。
 また、失われた20年からの復活をTPPに活路を見出そうとするような政治家や官僚に任せていては日本の再生は遠退くばかりである。

強い農業と食糧の安定供給

 兼業農家の農業離れが進めば、あとは時間の問題である。専業農家は横並び意識を捨て、生き残りをかけて協業化や自前の規模拡大に進み、積極的な作付け分担、営農の多角化、直販ルートの開拓、生産品の加工・販売(一+二+三=六次産業化)、安全安心又は高級食材の輸出など、それぞれが独自路線の経営基盤を作り上げることが出来よう。

 基本的な政策目標としては、中山間地を利用した生鮮野菜生産の工業化、未利用農地の有効利用、農業の大規模化と効率化による生産性の向上、畜産用飼料生産の海洋利用、酪農生産地の分散による防疫・衛生管理の徹底など、生産量の拡大、効率向上、安全管理などである。
 これらの政策目標を実現するための具体策として、個人や農業法人による規模拡大や協業化への支援、未利用農地の整備、工業化のための設備投資、流通システムの構築などへの既成概念による制限を設けない自由な助成制度を整備する必要がある。

 食糧の安定供給を目指すためには、日本人の食習慣と生活習慣病の予防対策も含め、健康で快適な生活に必要な食材について、質的かつ量的に十分な供給を行うための目標基準を定めることが必要である。同時に、地域や気象条件による作物適性、作物ごとの作付け量、通年供給バランスを考慮した生産分担が行えるよう、需給バランスを調査するNPO法人を設け、登録生産者によるエントリー方式で作付け状況を把握できるようにする。これは一応の目安だが、産地直送や生産者直売などを制限するなど、作物の生産調整を意図するものではなく、生産者の自己責任で供給の過不足による価格の変動を回避する仕組みとして役立てることができる。
 更に、品質管理や産地・ブランド管理の徹底を図り、日本の食に対する安全・安心を担保し、日本の食習慣のPRを通し、国内外の消費者の信頼を獲得する。農水産品や加工品の国際競争力を高めて農水産業を輸出産業に仕立て上げる。また、一方では、自然に親しむ生活習慣と家庭菜園などの普及で、次世代の子供たちに、里山や住環境の保全と同時に日本の原風景への親しみや食への関心を深めることも必要である。
 また、狭い国土で食糧の自給自足を目指すには、農業による海洋利用は必然である。生鮮食品や栄養補助食品、畜産用飼料の生産、バイオマス原料や人工光合成技術を利用した再生可能エネルギー生産などのための海洋農園は、沿岸のいたるところで可能である。この海洋農園は、森林の役割を補完し、大気や海の浄化にも貢献できる。
Homepage より
 

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消費税の問題と地方税化による更なる問題 \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1
 
消費税そのもの及び現状の税制度における問題点
  1. 全ての消費に一律に課税されるため、低所得者層ほど所得に占める消費税の割合が大きくなる問題。(消費税の逆進性
  2. 年間売上高3千万円以下の事業者については納税が免除され、また、年間売上高2億円以下の事業者には簡易課税制度が設けられており、消費者が負担した消費税の一部が国庫に入らず、事業者の手元に残ってしまう問題。(消費税の益税化
  3. 現制度では、消費税にインボイス方式を採用していないために、輸出企業の消費税の戻し税制度は下請け企業の納税分を最終輸出業者が益税にしてしまう問題。(輸出業者の益税化
  4. 事業者の消費税納付が年4回以下であるため、消費税を預かっている期間が長く、資金繰りが苦しくなった事業者が、運転資金に流用する問題。(消費税の滞納
 【消費税制に必要な改善点】
  A、逆進性に対する配慮
    給付付き税額控除を、『歳入庁』 と 『共通番号カード』 の両制度とセットで導入するのが原則
       ◎給付付き税額控除
必要最小限の消費支出にかかる消費税相当額を家計調査から計算し、それを、所得税の中から税額控除し、税額がそれに満たない場合は差額を給付するもの。
       ×軽減税率での対応
自民・公明党が主張する軽減税率では逆進性という状況は変わらず、軽減税率をどこまでを適用範囲とするかで、事業者に政治的な利権が発生するなどの公平性の問題、また、トラブルや訴訟が生じ納税者や事業者双方に大きなコスト負担をかける問題がある。
  B、消費税を益税にできない制度とするためにはインボイス方式の導入が必須
 
消費税を地方税化した場合、以下のような新たな問題が発生する
  1. 統治機構を変え、地方分権型国家とし、自治体には自立・責任・切磋琢磨を求め、倒産のリスクを背負う自治体破綻制度を創設するというが、競争原理を持ち込むなら消費税率もフリーハンドであるべきだ。消費税の一律課税は日本国憲法第94条に定める自主課税権を否定することになりはしないか。
  2. 国はグローバル化を目指し規制の撤廃を進め、地方の産業構造をそのままにして自治体間競争を促しても、産業構造改革を進めて内需の振興による雇用創出を図らなければ、農業や疲弊した地方経済は競争力を持つことはできないし、消費税収も上がらない。
  3. 現在の住民税、資産税(固定資産税・都市計画税)、法人事業税の扱いをどうするのか。
  4. 消費税の直接収受分5%と財政調整分6%の徴税と管理分配のための機関をどうするのか。
  5. 地方への配分方法を公正に行うための原則をどうするのか。
  6. 企業経理上、売り上げ管理は本社に一元化するわけだが、合併等企業の大規模化で、現在以上に本社機能が大都市圏に集中する傾向にあるが、著しい税収の偏りを6%の財政調整分だけで足りるのか。
 消費税が安定財源としての機能するのは、逆進性を無視し、必要最小限の消費支出にも一律に課税されるためである。景気が良ければ消費も活性化し、税収も増える。生活必需品に対する低減税率や必要最小限の消費支出分に対する給付付き税額控除を行えば、その税収は所得税などの足切りのある税制と同様な効果となり、安定税収とはならない可能性もある。

 自民・公明党が主張する軽減税率方式では逆進性は全く解消されないばかりか、建設国債を発行して景気浮揚を図っても、金の流れは限定的なものとなり、土木建設業の一部が恩恵を受けるだけで、根本的な内需拡大には繋がらず、建設コストの高騰と増税により消費は落ち込み、所得税や法人税の落ち込みも激しくなることが予想され、失業保険の給付や生活保護費の増大で益々財政負担は増えることになる。

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一難去ってまた一難

一難去ってまた一難 \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1

 野田民主党をやっと政権の座から引き摺り下ろせたとの安堵もつかの間、安倍自民党の「防災対策への公共投資で日本経済再生」という思い込み政策。
建設国債でも赤字国債でも金に色は付いておらず借金である。公共投資と円安誘導を同時にやりたいなら、維新政府以来の政府紙幣の発行と言う手もあるが、しかし、その禁じ手は、中国や朝鮮半島情勢を考え、まさかの場合に取っておくべきである。

 日本をここまで疲弊させてしまった自公政権、国民の希望さえ奪ってしまった民主政権、国民が本当に期待するのは、「当たり前のことが当たり前に出来る未来(やり得・やられ損を許さぬ社会)」、それを第3極に求めている。しかし、日本維新の会のように、視野が狭く、国民をなめ、思い上がりの新自由主義に凝り固まった独裁者に託すことはできない。正統派で普遍的な価値観に基づく政策で、国民の信を得ることが大切である。

 自民、民主、公明、彼らはいずれも景気が良くなれば税収も増え財政問題は解決すると考えており、財政の無駄を洗い出そうとする意思がない。景気対策の手法としても金融緩和や古典的な公共投資以外の選択肢を持たない。日本維新やみんなは、公務員給与の削減や議員定数削減から始めるだろうから、多少の期待は持てる。しかし、経済的には新自由主義路線であり、あらゆる部分に競争原理を持ち込むことになる。その結果はアメリカ社会と同様の格差の拡大に繋がり、国民は We are the 99%”と叫んで永田町の首相官邸前に座り込みをしなければならなくなる。

 自民党のように建設国債を増発しなくとも政策に回せる金は十分にある。民間の1.5倍と、大きく乖離した公務員給与(国、地方、独法)を3割カットし、それを有効投資に回すほうが国民の理解は得られ安い。
防災対策への公共投資は確かに必要だが、防塁をいくら高くしても限りがあるし、安全と思われていた田老の防波堤も自然の力には負けた。秦の始皇帝のように日本列島全てに防壁を設け要塞化するわけにはいかない。
それよりは、信玄堤のような減災・免災の知恵が必要だし、安政南海地震時の濱口梧陵の臨機応変な対応やその後の防災対策にも学ばなければならない。地域性を無視した国の一方的な防災計画で日本経済の再生を図ろうとしても、公共投資では日本経済の再生はおろか、防災対策も中途半端で終わり国民を疲弊させるだけだ。有効投資は全て地方の活性化に回し、防災対策も地方に任せるべきである。

 地方の再生には、地場産業やエネルギー産業その他の内需産業の振興で地方に新しい雇用を生み出すことである。その新雇用を兼業農家や小規模農家の離農の受け皿とし、農地の集約を図り農業の再生を図らなければならない。農業の戸別所得補償は、離農を思いとどまらせる効果しかない。逆に戸別所得補償を廃止し、雇用創出と離農奨励政策で地方の産業構造を大きく転換することこそが日本再生の近道である。

 財政面では、日本もアメリカとは別な意味の「財政の崖」に直面してる。社会保障費自然増の原因を根本から見直すことが先決で、税で補う場当たり政策では何の解決にもならない。国民の負担増が加速し、止めるすべがなくなれば、財政破綻へ一直線に向かうことになる。
 社会保障制度はセーフティーネットである。公平を原則としながらも、自助で足りるところへの保障は不要である。国家管掌年金もその原則の中で運営されるべきである。
医療制度もホームドクター制の導入など、総合診療・検査・施療・施薬を分離する大幅なシステム変更で、医療の充実と総経費の削減を目指すべきである。

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人権擁護委員会設置における問題  \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1
 
(注)国連人権委員会決議1992年3月3日1992/54附属文書(経済社会理事会公式記録1992年補足No.2(E/1992/22)第Ⅱ部第A節)、総会決議1993年12月20日48/134附属文書

 国内機構の地位に関する原則(パリ原則)は、人権擁護を目的とする国内機構(人権擁護委員会)の権限と責務を規定している。その中では、人権侵害行為が認められた場合に行うことができる機構独自の調査や措置など実質的な責務は明記されていない。
 あくまでも、『政府、議会及び権限を有する他のすべての機関に対し、人権の促進及び擁護に関する助言を与えるという立場から、調査で得られた情報に基づき、意見、勧告、提案及び報告の提出と、公表を決定することができる。』、その他に『国際人権条約と国内の法律等の調和並びに条約の効果的な実施を促進、国が国連の機関や委員会等に提出を求められている報告書に貢献、国連及び他の国連機構の組織への協力、人権の教育や研究のためのプログラムの策定を援助、情報提供と教育を通じ国民の認識を高める。』というものである。
 
構成並びに独立性及び多様性の保障
 
 ところが、構成並びに独立性及び多様性の保障の中に、『そのメンバーの任命は、選挙によると否とにかかわらず、人権の促進及び擁護にかかわる(市民社会の)社会的諸勢力からの多元的な代表を確保するために必要な担保をすべて備えた手続に従った方法でなされなければならない。』とあり、
 具体的には、『人権と人種差別と闘う努力とを責務とするNGO、労働組合、例えば弁護士会・医師会・ジャーナリスト協会・学術会議のような関係社会組織や専門家組織、哲学又は宗教思想家、学者、議会などの代表等を参加させる。』となっている。
 
 ここで問題なのは、人権と人種差別と闘う努力とを責務とするNGO、労働組合などの中に、怨恨を持つ被害者、偏見や先入観で判断する者などが入ってしまう恐れがあり、報復の応酬を合法化する恐れがあることだ。さらに、今回の政府案では、委員の国籍条項を設けておらず、将来の外国人地方参政権を有する者の参加を想定しており、地方都市などで外国人住民比率が高くなり、特定の思想的傾向を持つ外国人が多数人権擁護委員に任命された場合の不都合などがある。
 
活動の方法
 また、国内機構は、その活動の枠組みの中で、
    1. 構成メンバー又は申立人の申出により、その権限内の問題を自由に検討する。
    2. 権限の範囲内の情況を評価するのに必要であれば、いかなる者からも聴取し、いかなる情報や文書をも入手する。
    3. 特に、機構の意見及び勧告を公表するため、直接又は報道機関を通じて、世論に働きかける。
    4. 定期的に、また必要な場合はいつでも、正式な招集手続を経た上、すべてのメンバー出席の下に会合を開く。
    5. 必要に応じてメンバーによるワーキンググループを設置し、機構の機能の履行を補助するために、地方又は地域事務所を設ける。
    6. 管轄を有するか否かにかかわらず、人権の促進及び擁護の責務を有する組織(特にオンブズマン、調停人及び同種の機構)との協議を継続する。
    7. 国内機構の活動の拡充において非政府組織が果たす基本的な役割を考慮して、人権の促進及び擁護、経済的、社会的な発展、人種差別主義との闘い、被害を受けやすい集団(特に子ども、移住労働者、難民、身体的・精神的障害者)の擁護並びに専門分野に取り組んでいるNGOとの関係を発展させる。
準司法的権限を有する委員会の地位に関する補充的な原則
 国内機構に対しては、個別の情況に関する申立てないし申請を審理し、検討する権限を与えることができる。国内機構の扱う事件は、個人、個人の代理人、第三者、NGO、労働組合の連合会及びその他の代表制組織が持ち込むことができる。この場合、機構に委ねられた機能は、委員会の他の権限に関する上記の原則を変更することなく、以下の原則に基づくことができる。
    1. 調停により、又は法に規定された制約の範囲内で、拘束力のある決定によって、また必要な場合には非公開で、友好的な解決を追求すること。
    2. 申請を行った当事者に対し、その者の権利、特に利用可能な救済を教示し、その利用を促進すること。
    3. 法に規程された制約の範囲内で、申立てないし申請を審理し、又はそれらを他の権限ある機関に付託すること。
    4. 特に、法律、規則、行政実務が、権利を主張するために申請を提出する人々が直面する困難を生じさせてきた場合には、特にそれらの修正や全面改正を提案することによって、権限ある機関に勧告を行うこと。
 活動の方法では、『調査等ではかなりの強権を持つことが出来るが、その他については、報道を通じ、政府、議会及び権限を有する他のすべての機関に対して為した意見や勧告を公表し、世論に働きかける。また、地方又は地域事務所を設け、人権の促進及び擁護の責務を有する組織との協議や人権関連NGOとの関係を発展させる。』 というものだ。
 準司法的権限を有する委員会の地位に関する補充的な原則では、『国内機構(人権委員会)に対して、個別の情況に関する申立てないし申請を審理し、検討する権限を与えることができる。』 とし、それを義務付けてはいない。

 政府案では、調査は強制を伴わない任意調査としているが、援助、調整、説示、勧告、通告、告発、要請、調停、仲裁等の準司法的権限を付与している。これは、立法・行政・司法の三権分立を定める日本国憲法に違反する。

 現在、警察・検察・裁判所いずれの組織にも問題があり、司法の崩壊とも言われている。そのような状況下で、国民の人権を擁護する目的で設置するとは言え、新たに国民に対して法の執行をする機関が追加されるなどあり得ないことである。それ以前にすることがある筈だ。恣意的な冤罪防止のためにも司法に民主主義を担保するシステムの導入が必要である。

 人権委員会を設置するなら、前出の民主主義を担保するシステムの一部として導入することも可能である。そして、その役割は、『政府、議会及び権限を有する他のすべての機関に対し、人権の促進及び擁護に関する助言を与えるという立場から、調査で得られた情報に基づき、意見、勧告、提案及び報告の提出と、公表を決定することができる。』 機関とし、実際の業務は、行政・司法の役割に委ね、地方業務は従来通り法務局を窓口とし、準司法的権限の部分は裁判所に委ねるべきである。

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国家ビジョン

国家ビジョン  \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1
 
国民の人気がひときわ高かった小泉政権も、「自民党をぶっ壊す」、「構造改革なくして景気回復なし」、「聖域なき構造改革」と言ったが、ここには、わが国の未来をどのよう様するのかという『国家ビジョン』はなく、「三方一両損」のような妥協と、労働者派遣法の改悪や自衛隊のイラク派遣など、内閣が国民合意を経ずに、済し崩しに基本政策を変更する政治が横行するようになってしまった。
 
『国を支える官僚組織』があれば政治家は要らない?

日本の戦後政治は、陸・海軍その他の関連官庁や「官庁の中の官庁」とも呼ばれた内務省の解体を除けば、戦前の官僚組織に多少の変更を加えただけでほぼそのまま引き継がせ、その後の社会的変化や要請に対応するために利権構造を織り混ぜながら、制度や組織を加算的に積み上げ、膨大かつ複雑怪奇な官僚組織を形成し現在に至っている。
国家は、政治体制が変わろうと、国家ビジョンが有ろうと無かろうと、また政治家が無能であっても、それなりに存続していく。要は従前の手続きを踏まえた国家運営は官僚だけでも十分に機能する。政治家は法に定められた手続きだけを担い、官僚の仕事や国民生活の邪魔さえしなければ良いわけである。官僚が作った予算を通し、新しく決めなければならないようなことをしない限り、国は回って行く。

政治家に「国益とは?」と問うても満足に応えられるはずはない。同様のことを官僚に問えば答えは明白である。「組織自体が必要とされること」である。彼らにとっては、「国益=省益」でしかない。しかし、それは本音の話であり、彼らは別な尤もらしい答えを用意している筈だ。
 
 
非常時こそ政治主導が必要
政治は、平時は状況を注視するだけで済むかも知れない。しかし、非常時こそ政治主導が求められる。3.11東日本大震災とそれに引き続く福島第一原発事故の影響を最小限にとどめ、復興対策を地方の意見を重視する形で機敏にまとめ、冷え切った日本経済を拡大に導くきっかけを作るべきであった。「天災」への対応の拙さで「人災」を積み重ね深刻化させないことが重要である。それには、予め危機対応などの非常事態対応策を含め、政策の優先順位を決めておくことが必要であり、それこそ、『国家ビジョン』から導き出されるものである。先ず『国家ビジョン』があり、そこで初めて「何のためにどうするのか」が決まってくる。そのための「制度」や「組織」のあり方、それらは全て自動的に決まってくる。しかし、現実は後先が全く逆で、「先ず、組織有りき」である。革命でも起きない限り従前の組織が全て解体され、新しい体制に合わせて一新されることはない。
 
『国家ビジョン』と、そこから導かれる目標
3.11東日本大震災の経験を経て、国民は『国家ビジョン』を持たない政府が、国民のために何も為し得ないことを思い知らされた。
「日本は確立した『国家ビジョン』を有し、そこから導かれる目標を実現するために制度や組織を再編し、国際社会の中で積極的な地位を確立していかなければならない。」と、今改めて思う。
 
『国は、国民の生命と安全安心の生活を保障する。全ての国民は、自身のアイデンティティを確立し、かつ、個の能力を十分に発揮して民主的で活力ある国家を実現し、自然との共生や国の枠組みを超えた人々との共生を可能にする社会を構築する。』
 
これなら、政治主張の違うどのような勢力であろうと反対する者はいない。
 
次は「どのような価値観を持って、国の目標や役割を発展的に実現させるか?」である。この部分では、政治主張が異なればその方法(政策)も変わってくる。
 
民主主義が機能しない白紙委任の政治をこのまま放置して良いのか?
政府の情報隠蔽、マスコミの偏向報道、国民は何を信じたら良いのか?
国は自己保身と利権者や経済最優先の政策ばかり、国民を守る気はないのか?
教育の基本を『自己』と『日本及び日本人のアイデンティティ』の確立とすべきではないのか?
老齢基礎年金のみとし、無年金の解消と所得による支給制限を設けるべきではないのか?
所得比例年金は不公平だ。直ちに政府管掌を止め、自己責任方式とすべきではないのか?
増大する医療費を抜本的な医療制度の変更なしで、国民に高負担を求め続けるのか?
老齢基礎年金額を上回る生活保護は不公平、現物支給を原則とすべきではないのか?
無収入の資産家が援助を受けられず餓死、法的支援が必要なのではないのか?
経済協定や領土問題、日本の国益を守る政治が行われているのか?
外交力の向上を目指す取り組みは行われているのか?
国家主権の侵害等に対応する法制度は不十分ではないのか?
領海警備や国土防衛は不十分ではないのか?
 
先ずはこれらの不合理を解消して国家ビジョンの実現に向けた、法整備と政治システム(立法・行政・司法)の適正化を図り、危機対応や安全保障に加え、治安、外交、通貨と財政運営、経済・産業政策、社会保障など基幹政策をまとめなければならない。
 
国造りの基本を、『日本および日本人のアイデンティティを確立し、共生の道を探る。』 とし、日本的価値観、技術、ビジネスモデル世界に向けて発信することが大切である。

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