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非常時でも『省益(ムラ)優先』の官僚傀儡政治 \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1

 2008年9月15日、米投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻した。当時の経済財政担当大臣は、「日本にももちろん影響はあるが、ハチが刺した程度。これで日本経済が痛むことは絶対にない。」と明言したが、その後わが国は金融危機に陥った欧米諸国を上回り、かつ、昭和恐慌時の下落幅を超える3割という生産規模の落ち込みを経験した。

 しかし、3.11東日本大震災とそれに引き続く福島第一原発事故の発災と共に事情が一変した。事態の収拾は真剣勝負である。無能な政治家や利権まみれの官僚に任せておいたら、助かる命も助からないことを国民は知ってしまった。

 震災復興への対応でも、リーマンショック時の担当大臣が党を鞍替えして、またもや経済財政担当大臣に就き、日銀の国債直接引受は「法律が禁じているため、不可能だ」として復興増税を推進した。実のところは、日銀の国債直接引受は、年に10兆円程度なら国会の承認で可能なのにもかかわらず、財務官僚の代弁者となり、国民に復興増税を押し付けたのである。
 しかも、被災地からの要望を復興庁が適用の有無を査定し、被災地復興のための予算15兆円のうち6兆円を余らせた上、最近の報道では、被災地復興と無関係な事業などに使われていることがわかった。復興庁は復興支援どころか査定庁に成り下がり、少しでも多くの予算を余らせ、官僚に予算使い切りのフリーハンドを与えている。

 また、福島第一原発事故は、放出セシウム137の量で見ると、広島原爆168個分、チェルノブイリ事故の22.5とも言われる膨大な放射性物質を放出した。これ程の大事故を起こしたにも拘らず、政府は、事故から16か月後の2012年7月18日、安全性の確認もできていない大飯原発3、4号機を、「安全性は確認された」とする首相の独断で再稼働してしまった。国民の不安を余所に、産業界や原子力ムラの意に沿った判断である。

 更には、歳出の無駄を省くことで財源を捻出し、「任期中には増税しない」という国民との約束を反故にし、政権与党の公約になかった消費税増税関連法案を財務官僚の代弁者となり、野党との政治駆け引きの末、2012年8月10日、参議院本会議で可決成立させてしまった。

 現政権は、「ことごとく国民を欺く、邪悪な政権」と言うより他はない。

国益とは

国益とは \?\᡼\? 1 \?\᡼\? 1
 
 国益を持ち出さない政治家はいないが、彼らは国益の何たるかを本当に理解しているのか。
 
国益とは一体何?
 国益とは国家の目的を適えるのに利益があること。
 
国家の目的とは?
 国家は、独立国として国土(領土、領海、領空)及び国民の生命・財産・文化を守り、維持発展させるために存在している。
 
目的達成のために必要な仕組みは?
 この目に合致し、さらに増進するために、国家は、運営の基礎となるべき法体系、政治システム(立法・行政・司法)、政策、安全保障体制、治安体制、外交、通貨と財政制度、教育制度、社会保障制度を持たなければならない。
 
それらの仕組みや組織を活用して行うべきことは?
国家は、持てるシステムや制度を有効に活用し、危機対応、国家主権の行使、領土の保全、治安維持、外交、出入国管理、国民の人権擁護、資源・エネルギー・食料などの安定確保、国内経済および産業の安定的発展と安定雇用、通貨安定、地域格差を平準化する財政措置、有形財産及び知的所有権など無形財産の保護、社会資本整備、環境保全、災害対策、医療・保険・年金・福祉制度の維持発展などに努めなければならない。
 
以上のような国家の役割を、障害なく遂行できることが国益であり、外交や経済協定などにおいては、「国益となり得るか、否か」について検証されなければならない。
 
国益の検証
 国益を検証するにあたり、過去は塗り替えることのできないものである。しかし、現在および未来に大きく関わりその行方を左右することは確実である。その歴史を恣意的に否定し、捏造するなどの行為が国の内外で行われている。これを放置しては、私たち自身が私たちの拠り所とするものを失うことに繋がり、決して許してはならないことである。
 これらは、太平洋戦争の戦前戦中を通しての国際問題でもあり当事者間の対話で解決を図れる問題でもない。国を挙げての歴史検証を通じ事実関係明らかにすることで全ての疑念を一掃し、責任の所在を明確にした上で、毅然として望むべき問題である。
 
 現在及び未来に関しては、法や政策の執行、安全保障、治安、通貨と財政、教育、社会保障、更には、社会・環境の変化などに対応した新法の制定や政策の策定に対し、二国間または多国間の条約や協定などによろ、理不尽な取り決めに屈することなく、また制限や制約等を受けることなく、独立国として国家の役割を果たし得ることが重要である。『日米地位協定』やFTAやEPA、TPPなどの経済協定における『関税自主権の放棄やISD・ラチェット条項などの容認』は、国家が自らのフリーハンドを放棄することであり、国益に反するものである。
 
 しかし、『国家ビジョン』さえ描けない政権や政治家に、未来にわたって『国益』を検証するなどという『芸当』が本当にできるのだろうか?

政治課題の優先順位

政治課題の優先順位 \?\᡼\? 1 \?\᡼\? 1
 
 今、政府に求められることは、国民が共感を持てる『国家ビジョン』を示し、それを裏付ける一貫した政策を組み立てることである。外交の軸足を戦後一貫して続けてきた「日米同盟」を基軸にする路線を堅持するが、独立国家として存立し国民が安全に経済活動や日常生活を送るために必要な最小限の自主防衛力を備え、外交面においては全方位外交を目指し、経済協力や人道支援など世界平和に向けた独自の役割を積極的に担うことで、過去の過ちを二度と繰り返すことがないことを国際社会に広く知らしめ、日本の国際的地位を確立していかなければならない。
 
 
 これを『国家ビジョン』且つ、世界における「日本の役割、あるべき姿」とするならば、対外関係を「国際協調、人道面における積極的な国際貢献」とし、海外に対する資源や食糧の依存と産業における輸出依存、これら過度な海外依存体質の社会構造から脱却することが急務である。それには、災害復興や長期に亘るデフレからの脱出によって失われていた日本人の自信を取り戻すことから始めなければならない。
 これらの政治課題に優先順位を付けるとすれば、最優先は民主党政権により失墜した政治への信頼、東日本大震災からの復興、福島第一原発事故の収束と被災者救済である。
 次は、『国家ビジョン』を踏まえた教育制度改革、日本を元気にする産業経済政策、財政、社会保障システム改革、外交、安全保障政策、これらは戦後65年、更にはバブル崩壊後の失われた20年の間、放置され続けてきた政治課題である。憲法9条や首相公選制、国会及び司法改革などの内、憲法改正を伴うものに付いては、国民のコンセンサスを醸成するために一定の時間を必要とするが、それ以外の政治課題は革命的なスピードを以て、3〜5年以内には完遂させなければならない。
  1. 消費増税を撤回し、政治への信頼回復、民主主義が機能する政治、国民の安全安心
  2. 日本および日本人のアイデンティティを構築する教育制度改革
  3. 金融政策だけではデフレ脱却は出来ない。公共事業以外の有効な産業政策が必要である。起業支援と地域産業の底上げで地方の活性化、農・水産業連携で食糧自給へ目途、新資源の探究と新たなエネルギー開発のための海洋利用の推進、価格競争とは縁のない「モノづくり(技術や品質面での特異性とブランド力)」への産業構造改革で、安定雇用の確保と過度な海外依存体質から脱却し、日本経済の再生を図り、国益を守る政治を実現する。
  4. 無駄や不公平の撤廃で、財政の健全化と持続可能な社会保障システムの構築
  5. 外交力の向上と、新自由主義路線によるパワーゲームへの歯止めの提唱。
  6. 防衛面では、自主防衛力の向上で日米対等を目指し、集団的自衛権の行使は日本及び近海の安定を維持する目的にのみ限定する。
 これらの政治課題が、更に放置されるようでは、そう遠くない将来における財政破綻は決定的なものとなり、わが国は二流国どころか、世界中から注目されることのない国に成り下がってしまう。 
ストップ・ザ・パワーゲーム \?\᡼\? 1 イメージ 1

世界経済へのジャパンスタンダード標準化戦略

欧州危機対策
 ギリシャ危機に端を発するEU圏の金融危機、ドミノのように次から次と各国の財政や金融破綻が相次ぎ、最優良国のドイツにその負担が大きくのしかかる。ドイツがいつまで持ちこたえられるか、あるいは、ドイツが身を削りながらどこまで我慢するのか、統一通貨ユーロ及びユーロ圏経済の行方に全世界の耳目が集まり、世界経済もそこが起点となる恐慌の到来を恐れながら、その動向に一喜一憂し続けている。
 この現状を打開するための国際会議を提唱する。その中で、『一国一通貨』 原則の復活で、統一通貨圏内の国々が財政規律を無視して無秩序に国債や通貨を発行し破綻の危機を招き、その影響が統一通貨圏内に止まらず全世界に及ぶような現状を打開する。その場合、統一通貨ユーロの廃止は全世界に大きな衝撃を与え、その混乱が新たな危機の火種にならないとも限らない。それを回避するために、国ごとに統一通貨に対するレートを決め、旧通貨や新通貨〇〇ユーロに切り替えると同時に、貿易の決済は欧州中央銀行(ECB)が管理する統一通貨(ユーロ)で行うものとする。その上で、それぞれの国が財政規律を整え、国内産業の振興などに努め、それに失敗した場合は、厳正な破綻処理の後、再び国際社会に参加するための国際支援ルール作りをすることが必要なのではなかろうか。
 域外からの余計な口出しは、内政干渉ともなり、容易に受け入れられないかも知れない。しかし、欧州危機問題は、明らかに新自由主義型市場拡大戦略の失敗であり、世界経済危機にも発展しかねない問題である。域外からの提案であっても真剣に検討されるに違いない。

新自由主義型市場拡大戦略(パワーゲーム)への歯止め
 経済政策では、従来の新自由主義的発想によるグローバル化やボーダーレス化による自由化路線で、非効率的として衰退した産業や農業の再生による雇用の確保や環境保全につなげるために、FTAやEPAその他の多国間経済連携協定などにおいて制限された関税自主権の回復。更には、企業活動を優先し企業の提訴により相手国の国家主権の行使を妨げ、被提訴国が一方的に不利益を被る恐れのあるISDS条項やラチェット条項の無効化など、大企業、特に多国籍企業に有利な協定を撤廃する。
 その際、自動車の排ガス規制などと同様に、健康被害防止のために、放射性物質の残留基準、食品や子供が直接触れるオモチャなどに使用される有害物質の規制や安全基準によるガイドラインを設け、国際機関や民間のチェック機関を設けて、安全性・信頼性を担保する制度の導入を提案する。

消費者に消費行動の判断基準を提供
 民間チェック機関としては、企業・債権や高級ホテル・レストランなどの格付けと同様に、一定基準の下、商品のランク付けを行うムーディーズやミシュランのような信頼性の高い民間機関の参入を促し、『商品版ミシュラン』で消費者に消費行動の判断基準を提供することを提案する。
 品質基準には、商品そのものの品質・性能・安全基準適合証明に加え、その商品を製造するのに要した原材料、エネルギー使用量、温暖化ガスや環境汚染物質の排出量などにより環境貢献度を数値化して表示することを義務付ける。更には、耐久消費財についてはその耐用年数、パソコンや家電など簡単な部品交換でその性能をグレイドアップするなど、陳腐化せずに必要最小限の追加投資で継続使用できる有効耐用年数などを表示することで、消費者の安心を担保すると同時に価格設定の適格性など、消費行動のための判断基準を提供し、消費そのものが地球環境の保全に繋がる行動であることを認識してもらうことを目的とする。
 また、世界中の水産資源枯渇を案じて考案されたMSC(欧州のスーパーマーケットで魚を買うときの目安として用いられている)も、厳格な科学的調査結果、幅広い専門家のコンセンサスとして海域の資源量、生態系への影響を考慮した漁法、管理システムなどを勘案して適格な漁業者に「青いチェック・ラベル」の証明を与え、消費者に簡単で分かり易い魚の買い方を示す制度であり、これも同様の品質基準に加えることのできる指標である。
 これらは、あくまでも民間機関によるもので、制度的強制力を持つものではないが、消費者が商品の優劣を判断する手助けをする権威ある機関として受け入れられれば、高品質で安全性や信頼性の高い日本の商品の優位性を海外に知らしめるための武器となるものである。

 このような民間基準は、新自由主義論者にとってはあらたな非関税障壁となるのかも知れない。しかし、それが消費者の意思であれば、新自由主義論者といえども誰にも文句を言いようがない。彼らのギブアップは、パワーゲームの終了を意味する。ゲームオーバーである。

国民の求める政治とは(5) \?\᡼\? 1  \?\᡼\? 1

Ⅸ、外交力の向上でジャパン・スタンダードの発信と国際貢献
  • 外交力の向上を目指せ!
     米国、EUとの関係強化を軸とし、中国・ロシア・朝鮮半島との平和友好関係樹立、インドを含むアジア太平洋経済圏の確立、中東・アフリカ諸国との関係強化など、政治経済の多極化に対応したグローバルな全方位平和友好外交による協調性の確立を日本外交の基本に据える。
    本格的な外交には、各国について、日本との相互関係の歴史並びに現在の状況、民生、文化、技術、産業経済・政治システム・軍事などの現況と総合戦略、それらを支える人的情報、更には、キーパーソンや関係構築のパイプとなる人物など、あらゆる情報収集と蓄積が必要である。
    それらを可能にするため、総理府に情報庁を創設し、外務省スタッフの再教育はもとより、民間や文科・産業・国防関連各省から適材を求め、各国大使館に情報収集及び分析のためのスタッフを増強する。それをもとに、各国のニーズ、現在の立ち位置、日本に対しどのような関係が望まれているのか、日本としてどのような関係を構築すべきかを国家戦略的な判断材料として提供し、総合かつ個別的な外交戦略を構築する。
    また、外交力の向上には、国連安全保障常任理事国への加入が必須であり、国連や国際機関、種々の国際会議等において、国際社会に向けた日本の立場やスタンス、国際協力の実績紹介などについての積極的なアナウンスにより、日本に対する国際認識の向上を図ることが重要である。
  • 日本のアイデンティティを国際社会に顕示し、ジャパン・スタンダードを国際基準に!
     日本は先進7か国(G7)の一員として、世界経済のルール作りで指導的な役割を担っていく必要がある。現在、世界経済はアメリカン・スタンダードを基軸としたグローバル化やボーダーレス化によるパワーゲームが至る所で問題を惹き起こしている。また、EUなど域内経済圏構想も破綻の危機にある。二国間FTAやTPPは、徳川幕府が外圧に屈して結ばされた不平等条約を改正し、関税自主権を回復した小村寿太郎の努力をあっさり葬り去るような協定である。そのパワーゲームに歯止めをかけるために、ジャパン・スタンダードによる節度ある自由経済の構築という新たな価値観への、意識変換を促す必要がある。
  • 国際貢献は人道援助に特化
    また、日本は、経済力に見合う発言と役割分担で軍事面を除く国際貢献をする必要がある。日本主導による危機的状況の除去に必要な緊急対策の推進策として、環境汚染、地震その他の災害、海難事故、海洋汚染事故、感染症、難民支援、機雷や地雷除去などの戦後処理などの人道援助である。そのための研究機関を国際機関として日本国内に誘致し、研究開発や実働訓練などで、人道援助のための技術開発や国際的人材育成を担い、これらの人材を活用する対策チームを常設し、世界のどの地域であっても、発生から四八時間以内に活動開始できるよう、国際情報ネットワークを構築すると共に、他の先進諸国と共同で救援物資の移送や大型重機などの運搬が可能な大型ヘリ用の航空母艦を世界の海に配置し、国際人道援助即応体制の構築を提案する。
    資源輸出国並びに開発途上国への協力は、農業や治水事業、感染症予防など医療体制の構築、工業化による公害の防止策や環境保全対策及び省エネルギー対策等の技術移転など、飢餓対策、健康管理対策、地球環境保全を核とする経済援助を行うことを基本とする。
Ⅹ、国民の不安を解消できる国家安全保障戦略
  • 国家主権の侵害等に対応する法制度の確立
     国の安全保障を脅かし、国民生活に大きな影響をもたらすおそれのある外国人や外国資本による企業買収や土地の取得の問題、また、安全保障、社会保障、国土・環境保全などに必要な制度変更等は国家主権行使の範囲とし、条約等の締結にあたりISD条項やラチェット条項などによる国家主権の侵害を防止する。
  • 国境警備と国土防衛
    安全保障面では、日米同盟を主軸とし、日本の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保について、国民の信託に応じられる防衛力の適正配備、装備の点検と常時訓練、並びに日米その他の同盟国または協調国との共同演習などを定期的に実施し、あらゆる場合を想定した緊急対応策の準備と、最高司令官である首相の有事判断と実力行使を伴う指揮命令の行使に必要な事前協議機関としての安全保障会議に衆参議長を加え定期的に開催し、非常事態への対応について、適切な対処法や文民統制の徹底など図る。
    また、予備演習などを通し、各自治体を含む指定行政機関等との連携についても十分な準備が必要であり、議会の事前承認手続きを得ずに緊急防衛出動命令が出された場合の議会への説明・承認等も演習の対象とする。これらはテロ攻撃や災害などへの即応にも共通するものとし、定期演習などを通して国民の理解を得るものとする。
    しかし、防衛出動は重大な主権侵害や理不尽な武力攻撃に対する最終手段であり、このような事態の発生を未然に防ぐための外交努力が最も重要である。

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