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超久々にサッカー以外のネタを。
映画のカテゴリーで書くべきなのか迷ったが、一応テレビドラマ用に制作された作品ということで、雑記として書くことにした。そんなことはどうでもいい話なのだが(笑)。
先日、やっと『THE PACIFIC』を見終わった。
ドリームワークスが放つ戦争スペクタクルの第2弾!
まったく興味の無い方々からすれば、どうでもいい作品なのだが、戦争モノが好きな方にとっては、ぜひチェックしたくなった作品だったのではないだろうか。
作品は太平洋戦争中のアメリカ海兵隊の物語で、ガダルカナル(初めての日米の地上戦)から沖縄戦までの日本帝国陸軍及び一部海軍守備隊と、海兵隊の戦いを圧倒的な戦闘シーンを売りにして作られたアクションドラマである。
勿論ドリームワークスというか、スピルバーグらしく、戦争の中に兵士達の苦悶や愛、正義感などをたくみに盛り込んでおり、何にも考えなくてもこういう戦争だったんだな〜と分かる作品になっている。
同じスタッフで数年前に『バンド・オブ・ブラザーズ』という、アメリカ陸軍空挺師団の物語を作っており、こちらはかなり面白い作品だった。前作も全てDVDコレクションした私としては、なのでこのドラマが放映されるという時から、いずれは発売になるであろうDVDBOXの購入を秘かに楽しみにしていたのだ。
さて、今作である。
一言で言えば、ど〜しようもないくらいつまらない作品だった(泣)。
期待値が高かっただけに余計にそう感じる部分はあるのだろうが、どうでもいい兵士達の余暇の場面や、戦場での葛藤を細かく描いていく姿など、とにかくつまらないのだ。
いや、戦争モノの社会性をちゃんと考えれば、戦場での葛藤や、兵士達の精神面への描写は無くてはならないものであるし、そこを追求してこそ、戦争モノの存在意義があるのだと私は思うのだが、あくまでそれは社会派作品の役割であり、ドリームワークスの、いやスピルバーグやトム・ハンクスの役割ではないと思う。
彼らはもしかしたら自分達もそういった社会性のある作品を世に出したいと思っているのかもしれないが、戦勝国の右派的な彼らの視線など、敗戦国もしくはそれ以外でも第三国の人間からすれば、誠に自分勝手な正義感の押し売りもしくは、言い草にしか感じられない。
それは『バンド・オブ・ブラザーズ』でも同じだったし、『プライベート・ライアン』でも同じだった。ヒューマニズムを前面
に出せば出すほど、陳腐な正義感が現れ、相対する敵はただの敵としてしか描かれず(そらぁ〜当たり前だけど)、ロボットや動物を撃ち殺すのとほとんど同じような感覚で映像が作られている。
一見すると同じような銃撃戦を描いているが、『プラトーン』や『シン・レッド・ライン』ではそこが違う。
相手は恐怖の対象である『プラトーン』の戦闘場面は、敵と戦っていながら、彼らの思いは内を向いている。激しい戦闘シーンだが、そこにあるのは生への希望を失いたくない兵士達のリアルな視線であり、必死に突撃してくる敵におびえる生々しい兵士の目だ。
『シン・レッド・ライン』では、敵は見えない恐怖であり、見えた時は憎悪の対象ではなく、同じ弱い人間であることが鮮烈に描かれている。
別にアカデミー賞に輝く作品や、天才監督の素晴らしい作品と比較する必要などないし、スピルバーグには彼らには無い良さもあるのだが、要は戦争モノで社会的な様々な事象を描くということに対しては、あまり特異ではないし、良く出来てる訳でもないということだ。
そういった社会性など関係なく、やはりスピルバーグの売りは戦闘シーンの派手さであり、アクションである。銃弾が飛び交うリアリティーたっぷりの音声などは、彼らでなくては描き出せないと言えるし、その路線だけで考えれば、充分に楽しめる作品を作ることは出来ている。いや、出来るはずだった。
前作『バンド・オブ・ブラザーズ』が面白かったのは、そういうアクションシーンを中心に据えつつ、一つの隊に物語を絞り、戦場への出発、戦闘、苦戦、勝利、終戦という一連の流れの中で描ききっている。なにより作品タイトルにもあるとおり、この隊に所属した全員との“血より濃い絆”が描かれている。
戦勝国であるアメリカにとっての戦争モノ(特に第二次世界大戦モノ)とは、まさにこういうものであるし、この路線で充分なのだと私は思う。そこに、変に戦場で苦しむ若者へ寄り添う視線を混交させたり、余暇での女性との出会いを混ぜ込む必要などまったくない。
今作では、どういう訳か売りであるはずのアクションが無駄に空回りし、えぇ〜ここなの?という場面でとにかく多くの時間が割かれている。
そこが、ますます興味を削がれる。
さらに、主人公も3人と、一見絞りこんでいるのだが、彼らはそれぞれ違う立場というか、違う隊、違う場所の兵士達なので、物語に一貫性がなくなってしまっている。
前作ではエピソードごとに様々な主人公が配されながら、一貫してE中隊という主幹があった。
そこで描かれる仲間達は、様々なエピソードをしっかりと次を繋げていくし、仲間が倒れれば同じ隊の仲間として、見ているこちらも共感することが出来た。
が、今作では物語があまりに飛びすぎるので、仲間が倒れてもあれ?この人誰だっけ・・・的な感想しか持てないのだ。
と、そんなこんなで、とにかくつまらない作品だった。
せっかく、せっかく楽しみに少ない小遣いから1万円を越える費用を投入したのに(泣)、まったくもって期待はずれだった。
まぁ、中にはこれもまた面白いという方もいるだろうし、単純に日本兵の夜襲に対抗する海兵隊の機関銃兵を見たいという方にはかなりおススメな作品かもしれない。
いずれにせよ、スピルバーグがヒューマニズムを押し出すと、なんでああも陳腐な作品になるのか・・・と、つくづく感じられた。自身のルーツでもある『シンドラーのリスト』だけは良い作品なのだが・・・。
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見ていない映画の感想にコメントというのもナンセンスですが・・・そうですか、残念でしたね。
わたしは戦争映画が嫌いです。良くできているといわれるものでもほとんどダメ。
戦闘シーンに迫力があるなんてのも、苦手です。気持ち悪いとかではなくて、本当ならもっと気持ち悪いことになるはずのものを戦いの迫力スリルという面白さにしているところに、違和感を覚えます。だからって気持ち悪く描けというのではありませんよ。増村の「赤い天使」の気持ち悪さなどは好きですけど。
特にアメリカ映画ではタイトルにされた「勝ち組の勝手な言い草」が見えてしまって・・・
戦争を描いた映画なら、岡本喜八の「肉弾」などが好きです。
2011/9/7(水) 午後 11:11
『シンドラーのリスト』は劇場鑑賞し始めた頃に観た好きな映画です。
アメリカの戦争じゃなくてドイツの戦争の話でしたね。
戦勝国が自分の戦争を振り返る作品は、見終わった後に後悔する
事が多いので、最近は評判良くても見てません。
2011/9/10(土) 午前 10:01 [ タケシ ]
>ふうちゃんさん。
戦争映画の難しさというか、価値というものは本当に難しいと思います。戦闘場面を売りにしていようが、銃後の生活に焦点を当てていようが、戦争を描いた作品としては同じかもしれませんが、仰るとおりアメリカ映画の戦争モノは基本的に男の浪漫の延長戦上にある作品が多いような気がします。ゆえに敬遠される気持ちも分かりますし、私自身もあまり好きになれない作品が多く有ります。ただ、個人的に戦争モノは好きなんですが・・・。
結局、ギリギリのところでの人間模様が好きと言うか、心に直裁的に突き刺さって来るのだと思います。
2011/9/12(月) 午後 10:01
>タケシさん。
『シンドラーのリスト』は良い作品でした。美談であり、同じようなユダヤ人救済の話なら日本大使館の松原千畝の話の方が感動的なんですが・・・。
戦勝国の戦争モノは、強い相手にこれだけ苦労して頑張って勝ちました!凄いでしょ僕たち・・・という作品が多過ぎです。そしてここで紹介した作品も当然そういう作品です(泣)。
それでも見る価値があるかどうかは、個人の判断なんでしょうが、『THE PACIFIC』はダメでしたね・・・。
2011/9/12(月) 午後 10:07