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桐野夏生著「リアルワールド」2003年集英社発行
高校3年の大学受験を控えた4人の少女。
一人の少女の隣に住むやはり高校3年の男の子が母親を殺してしまう。
少女たちはそれぞれニックネーム下呼び合う。ホリニンナという少女はこの少年ミミズ
の隣に住む。偶然彼が母親を殺すときの物音を耳にし、外で出会った少年に自電車と携帯
を盗られる。かれは登録してある4人少女、ホリニンナ、ユウザン、キラリン、テラウチ
に逃走中次々と電話し、少女たちはかれの逃走を手伝うようになる。
4人ともいわゆる上流家庭の少女たちである。
ホリニンナは両親との間も順調で受験勉強にせいだしている。
ユウザンは自分がレスビアンであることに気づき、悩んでいる。
キラリンは完全なるお嬢様でだれからも可愛い少女と思われているが、いつも何かを求めて
さまよっている。
テラウチは本当に秀才で、親の見栄で小学生のときから郊外から東京都心の小学校に
通わせられていた。母親の浮気に悩んでいる。
ミミズと呼ばれ少年も親の見栄で私立中学最大の難関のK中学、高校と進むが完全に校内で
おちこぼれ両親とくに母親を憎むようになり、高校3年の夏休みバットで母親を殺してしまう。
4人の少女たちはそれぞれこの少年のかかわり、キラリンは長野に逃げている少年と行動
をともにし、ここに悲劇が始まる。
タクシー強盗を仕掛け、ドライバーとキラリンは即死。少年はどうにか命は助かる。
彼らが長野にいることを警察に通報し、母親との葛藤に悩むヤマウチは自殺。
世間から見れば何の悩みもない平和な家庭の少女、少年が悲劇の中に巻き込まれていく。
読んでいて最近も盛んにおこる親殺しの少年少女たちの姿が浮かび上がってくる。
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