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東京都千代田区神田鍛鍛冶町。
JR神田駅から数分歩いた、
線路下の壁面にその落書きはあった。
普段はビジネスマンなどの賑わうこの街も
土曜日ということで人通りはほとんどなかった。
近年再開発が急速に進行し、
都内の町並みもずいぶんと変わったが、
このあたりはまるでタイムスリップでも
したかのように古い趣の建造物が残っている。
明治維新以降の文明開化の時代から
早くに近代化建築物の建てられたこのあたりも
100年以上が過ぎ去り、すっかり時代の流れから
取り残されてしまったかのようだ。
だが、それだけにこの街には未だ人の匂いが残っている。
そしてこの壁も。
このレンガ造りの壁とそこに書かれた解読不能の文字。
レンガとカラースプレーというのも
時代のギャップを感じさせるが、
今やこの2つとも過去の遺物となっている。
そこには確かに人がレンガを積み上げ、
そして月日が流れて、誰かが文字を書いた。
人の存在がイメージできる、そんな場所に思えたのだ。
一年中温度差のあまりかわらない空調と
よく行き届いて清掃された現代のビル建築に比べ、
時間と人を感じさせるこういったものには、
不思議と足をとめてしまう。
まるで、遥か未来の考古学者にでもなったように・・・・・。
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