自称プリンプ翻訳家の小ダイアリー 10th aniversary

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・シェアル前提だけどシェゾは居ません
・山なしオチなし意味なしの怪文書

ぷよクエのBLEACHコラボ2話で思いついた何か。




遠くからトタタタ、と聞きなれた足音。


「アルルー!ちょっと教えてほしいことがあるんだけどー!」


アミティだ。

ときどきアミティはボクのところを訪ねてくることがある。

教えてほしいこと、というと大体学校の問題とか、魔導のことがほとんどなんだけど……

今回の疑問は、予想のだいぶ斜め上だった。


「シェゾってぬいぐるみ集めが趣味なの!?」

「……えっ?」





落ち着いてアミティの話を聞いてみると、

どうやらこの前シェゾがライオンっぽいぬいぐるみ的な生き物を追い掛け回していたのを見かけたらしい。

想像するだけでシュールな光景である。


「はぁ。シェゾがそんなことを。
 シェゾが魔力目当てで何かを追い回すのは慣れた光景だけど
 そういうのを追いかけてた覚えはないなあ……」

「そうなんだ……うーん、どうしちゃったんだろ?」


考える。あまりに心当たりがない。彼に何かあったのだろうか。


「アミティ。そのぬいぐるみって魔力があるものとかだったりしない?」

「どうだろう……喋るぬいぐるみみたいなものだからもしかしたら魔力があるかもしれないけど、
 でも魔力目当てって雰囲気はなかった気がするんだよね……?」


ということは、純粋な趣味ということだろうか。あのシェゾが?ぬいぐるみを?


「……はっ」


いや、待った。いつぞやに似たような出来事があった気がする。

あれはいつだっただろうか。森でちょうどアミティの言ってたような感じで

シェゾがどんぐりガエルを追いかけてたことがあったような気がする。ついでにおにおんも。

つまりそれは。


「単純に可愛いものが好き……ということ」

「へぇ、シェゾってそうだったんだ。なんだか意外な趣味だね」

「うぅん、シェゾにそんな趣味があった覚えは……」

「アルルの知ってるシェゾは違うんだ?」

「少なくとも、シェゾがプリンプに来るまではそんなこと無かったはず」

「それならなんで最近になって可愛いもの好きになったんだろうね?」

「うーん、心当たりないなぁ……」


確かになんでそうなってしまったのかは気になる。

よりにもよってそんな女子力の塊みたいな趣味が芽生えるだなんて、

何かあったとしか考えようが無い。

この世界に来る際に頭でも打ったのだろうか?

いや、最初の頃はそんな変な感じはなかったしそれはないはず。

ではホームレスで洞窟住まいしてたせいで気が病んでしまったのだろうか?

違う。なんだかんだでシェゾはあんな場所でもベッドなんか敷いて快適スローライフを満喫していた。

ついでにボクも人のこと言えないけど大丈夫だし、彼に限ってそれもないだろう。

となると、他の可能性は……


「あんまりあたしたちがヘンタイって言いすぎちゃったのが悪かったのかな……」

「えっ、まさか」


アミティの言葉を遮ろうとしてみたけど、何か納得が行ってしまった気がした。

正直、大方の知人たちにはヘンタイの通り名で通ってる。多分シェゾって言う本名よりも。

本人はあんまり気にしてはなさそうだったけど、

罵声を浴び続けた人間が精神を病むのと同じような要領で、

ヘンタイと言われ続けた闇の魔導師が無意識のうちに本当にヘンタイになりつつある、

……ということも、あるのかもしれない。



「ううん、さすがにあたしの気のせいだよね」

「う、うん。多分ちょっと風変わりなだけの新しい趣味か何かだと思うしアミティは気にしなくて良いと思うよ」

「今度可愛いぬいぐるみをプレゼントしてみよっと!ありがとう、アルル!」



すたたた、とアミティが走り去っていく。

笑ってごまかしてはみたけど、正直、ボクたちは揃いも揃ってヘンタイヘンタイと当たり前のように呼んでいた。

もしもそのせいで彼が道を踏み外そうとしているのだとしたら……


「うん。」


今度から暫くは、ヘンタイと言うのはやめておいてあげよう。



おしまい






おまけ


「アルル、お前……が、欲しい!」

「……」

「ああっ、また言い間違え……ってなんだ!その可哀想なものを見る目は!?」

「いや、ボクも今までの行いを改めよう、ってね」

「くそっ、いつものツッコミがないとミルク抜きカフェオーレのように調子が狂う……!」

「(ヘンタイって呼ばれるのに順応しちゃってる……
  やっぱり本当におかしくなりかけてるんじゃ……)」

「何故割れ物を見るような目でオレを見る!おい!聞いてるのかアルル!」



今度こそおしまい


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左手と右手 シグアミ



机越し。

アミティが右手を伸ばしてくる。

こっちも左手を伸ばすと、ぎゅっと握りしめてくれた。


「シグの左手は大きいね」


そのまま握ったり離したり左右に動かしたり。楽しそうに手を動かす。


「あたし、やっぱりシグのこの手が好きだよ」


アミティはこの左手を気にしないで、いつも好きと言ってくれる。

……けど。


「冷たいけど大きくて、かっこよくて」

「……」


なんとなく、少しだけもやもやする気がした。

多分、左手ばっかり好きだと言われてるから。

もやっとした気持ちのままに左手を離してみる。


「あっ、」


そして代わりに右手を出す。


「アミティ」

「……シグ?」

「こっちは、好き?」


アミティからしたらあまりに突拍子も無くて意図も分からない変な質問。

でもアミティは、


「もちろんだよ」


と快く笑うと手を伸ばして、左手のときと同じようにぎゅっと握りしめてくれた。

指を絡ませると、指と指の間に挟まったアミティの指がこすれてくすぐったい。


「えへへ、こっちの手はとっても温かいね」

「アミティこそ」

「もしかして、寂しかった?」

「何のこと?」

「シグの右手。あたし、最近左手ばっかり触れてたと思うから」


その言葉で、もやもやしていた何かがすっと抜けていった気がした。

右手でも、左手と同じようにアミティに触れられたかった。それだけだったんだ。

言葉にすると、凄く単純な欲求だ。


「……そうなんだと思う」

「じゃあ寂しかった分、今はいっぱいこっちを握ってあげるね」

「ふふっ、ありがと」



にぎにぎ、ぎゅーっと。指を曲げたり伸ばしたり。

心地良いくすぐったさと手の温かさで一緒にまどろみながら、穏やかな時間が過ぎていった。




おしまい









↓蛇足(ドラッグすると見えます)
アミさんは気にせずシグの左手にくっついたりするだろうしシグもそれを嬉しく思うだろうけど、
だからこそ時々は右手にも同じようにしてもらいたい、なんて考えてたら良いと思うのです。
自分が魔物でも魔物じゃなくても関係なく彼女が愛してくれることを確かめたい、
そんな気持ちの無意識の表れかもしれません。

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ただいま シグアミ

ツイッターにあげたやつを少しだけ手直ししたもの。たぶん新婚さん。



お仕事帰りの夜の道。

空は真っ黒で、その中にいくつもの綺麗な星々が輝いている。

まさかここまで夜遅くになってしまうとは。

シグには夕方前に帰る予定だと伝えていたのでだいぶ待たせてしまったことになる。

今頃どうしているのだろう。家事とかちゃんとできてるかな。

ううん、それは別に構わない。それよりも一人で寂しがってなければ良いのだけれど……

あまり心配させたくもない。そう思ううちにあたしの歩調は無意識のうちに加速していた。




急いで家のドアを開けると、微かな良い匂い。

リビングに足を踏み入れてみると、机でシグが突っ伏していた。

服が普段着のままだ。お風呂にも入らず待っていてくれたのだろうか。

そして反対側には一人ぶんのシチュー。

いっぱい待たせちゃってごめんね、と心の中でお詫びしながら、

すっかり冷えたそれを口に入れる。

具の切り方こそ粗雑だけど丁寧に作られていて、

煮加減も硬すぎず崩れすぎずで美味しい。

きっと、あたしのためにとっても頑張ってくれたんだ。

「美味しかったよ」と告げると、

眠っていたはずのキミは急にむくりと顔を上げて、「そうか、」と嬉しげに笑った。



「ただいま、シグ」

「おかえり、アミティ」





おしまい


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こころの音 シグアミ


「シグの左手って大きくて、枕にちょうど良さそうだよね」


きっかけはアミティの何気ない一言だった。ベッドの枕と左手を交互に見ながら何気なく呟いた一言。


「枕?」

「ほら、あたしの頭の大きさとほとんど同じな気がするし」

「そうかもしれないけど……やめたほうがいいと思う」


この赤い左手は大きいだけならまだしも、硬いし爪は鋭いしで、

枕に使うには向いてないと思ったから止めてはみたけれど。


「そう?」

「枕と違って硬いから多分気持ちよくない」

「硬いからって気持ちよくないとは限らないでしょ?
 ほら、腕枕なんて枕なのに硬いし。」

「でも、手だと硬いだけじゃなくて爪があるから危ないよ?」

「シグだから大丈夫だよ!」


なんて根拠のない自信と好奇心に輝く目に押されてしまい。


「うぅ……それじゃあ一晩だけ」

「ありがとー!」


と、腕枕ならぬ左手まくらをすることになってしまった。






「こう?」

「そんな感じ!」


ベッドに寝転んで左手を開き、手の平のあたりにアミティの頭を乗せる。

アミティの推測どおり、頭は左手にすっぽりとちょうどよく入っておさまった。

でもアミティの様子は頭をもぞもぞと動かしているようで、なんだか落ち着きがない。

さすがにこの状態で眠るのは難しいようだ。


「気持ちいいけど……硬いかも」

「やっぱり」

「シグに何かしてもらえれば眠くなるのかな?」

「何か……?」


試しに左手でそのままアミティの頭を猫みたいにわしゃわしゃと撫でてみる。

そうするとアミティは目を閉じて「んっ」と気持ち良さそうな声を漏らして受け入れてくれてるけど、

暫く続けても眠くなる様子は無い。眠気のほうの気持ちよさではないらしい。


「うぅーん……」


何か他にできることは、と考えているうちにアミティの頭は左手からするするすり抜け、

気づいた頃にはすぐ傍、胸元まで移動していた。


「こっちの方がいいかも」

「枕になるものはないけど」

「いーの。ここなら暖かくて気持ちいいから」


そんなことを言いながらすりすりと頭を胸元に擦りつけてくる。くすぐったくて気持ちいい。

可愛いけど。すごく可愛いけど、ちょっと困る。だって。


「ふふっ。ここならシグの心臓の音、いっぱい聴こえるね」


思っていることと全く同じことをアミティが呟く。

困った、そう口に出されるともう意識を逸らすことすらままならない。

どきどき、どきどき。どんどん心臓の動きが加速してしまう。

こころの音までアミティに聴こえちゃいそうだ。


「アミティ、」

「どうしたの?」


一方アミティはこっちの葛藤なんか気づくこともなくきょとんとしている。

おまけにこの位置だと話しかけるだけで上目遣い。

だめだよ。そんな目で見られたら、恥ずかしいからやめて、なんて言えない。

もう、髪の先まで真っ赤になっちゃいそう。


「……ずるい」

「ひゃっ!?」


ぎゅっと抱きしめる。アミティの顔に胸元を押し付ける。こんな恥ずかしい顔、見られたくないから。

心拍は余計にアミティに聞こえやすくなっちゃうけど、もう知らない。

アミティが悪いんだ。アミティがこんな気持ちにしたんだから。

アミティのせいでこうなっちゃったんだよ。

そんな気持ちを押し付けるように、アミティに心の音を聴かせる。


「どきどき、してるね」

「アミティのせい」

「でも、とっても気持ちいいよ。
 シグに包まれて、温かくて、シグの心の音がいっぱい聞こえて。すっごく幸せな気持ちになっちゃうの。」


甘えるかのように、もう一回、ぐりぐりと頭を胸元に擦りつけてくる。

とっても嬉しそうで、こっちも嬉しい。

でもそれ以上に恥ずかしくて、そんな混ざった気持ちが心をまた掻き乱す。


「ね、シグ。シグの顔、もう一回見せて?」

「やだ」


アミティからのお願いに、咄嗟に否定の言葉が口から飛んでいく。

だって、今こんな顔見られたら。

こんな状態でアミティと目を合わせちゃったら、どうにかなっちゃいそうだから。

それに、今の顔を見られたら負け。何が負けなのかは自分でもわからないけど、そんな気がしたから。


「どうして?」

「今は、だめ」

「……お願い」

「…………うぅ」


だめだ。否定しきれない。どうしちゃったんだろう。さっきからずっと、アミティに振り回されてばかりだ。


「……良いって言うまで、待って」

「うん」


結局自分から折れてしまった。もう頭が回らなくて、自分で何を言ってるかもわからない。

もう、なるようになっちゃえ。


「……もう、良い」


もう一度、アミティと目を合わせる。

今度のアミティはさっきと変わって、まるで風邪でも引いたみたいに顔から耳の先まで真っ赤に火照っていて。

でも幸せいっぱいの表情で、恥ずかしげににこっと笑顔を見せると、そっとまた胸元に顔をうずめた。


「真っ赤だね」

「アミティこそ」

「でもやっぱり、すっごく幸せ。毎日こうやって眠りたいくらいだよ」

「アミティばっかりはずるい。こっちはどきどきして逆に眠れなさそうなのに」

「あははっ、そうだね。じゃあ明日はあたしがシグのことぎゅってしてあげる」

「ほんとに?」

「ほんとだよ。約束」

「言ったなー。アミティの心の音、いっぱい聴いてやる」

「うん。あたしばっかりシグの気持ちを聴くのは不平等だもん。
 あたしのどきどき、いっぱいシグに聴かせてあげるね」


楽しみだ、なんて考えると同時に「ふぁぁ、」とアミティの欠伸の声。

そろそろ夢見時みたいだ。


「……おやすみ、アミティ」

「うん。おやすみなさい……シグも良い夢みてね」



心臓の音は、まだ静まりそうにない。

今日は眠れそうに無いから無理だ……なんて野暮な返答を隠しながら、アミティをぎゅっと抱きしめた。

眠れないぶん、アミティが二人ぶんの素敵な夢を見られますように。




おしまい

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ぬいぐるみ シグアミ

ツイッターにあげたやつをちょっと加筆修正したもの。




「シグ!」


「なにこれ」


お店の中で、どどん、とアミティが見せてきたのは寝てる青毛のひつじのぬいぐるみ。


そのぬいぐるみはぐっすりと、幸せそうに眠っている表情をしている。


アミティ曰く、「シグに似合うかなーと思って」とのこと。


「…そんなに似てる?」


「似てるよー、気づいたらいつの間にか寝てたりするし」



そう?と聞くと、前の授業の時を例に出された。確かに知らない間に寝てた。図星だ。


でも今のはあんまりポジティブな例じゃないし、少し胸にグサリと来たから、ちょっと仕返し。


「それならアミティだって、このひつじに似てる気がする」


と、近くにあったピンクの毛の同じ表情のひつじを見せて反論してみると、

「似てる…のかな?」と首をかしげる。

「あたしはシグみたいには寝たりしないけど…」とアミティは言う。

確かにそうなんだけど、腑に落ちない。何か似てる気がするんだけれど。


何かが似ている。何が似ているんだろう。 うーん……


「…雰囲気とか?」


口から零れた当てずっぽう。


でもそれは、不思議と自分の中で納得できるものだった。

「ふわふわしてて、幸せそう」


「あたしも?」


頷くと、アミティはえへへと照れ笑い。その表情を見て、おぼろげなイメージが確信に変わった。


やっぱりそうだ。この優しくて柔らかくて、ふわっとした感じ。

微睡むくらいに気持ち良くて、この眠れるひつじのぬいぐるみとそっくりだ。


「アミティ、これあげるね」

「それじゃああたしもあげる!」


手に持ったひつじを交換。ピンクのひつじがアミティの手に、青いひつじがこの手に渡る。



「確かに…こうしてみると、あたしととっても似てるかも!」

「ふふふっ、これ可愛い」


「えいっ」

「やったなー。それっ」

「ふあっ!?お口は反則だよー!」


それからは交換したひつじで握手したり、相手の口にちゅっとくっつけてみたり。


飽きることのない時間が何時間も続いた。





ちなみにこのひつじのぬいぐるみをもらってからというもの、

眠りが余計に深くなってしまったのは秘密の話だ。


おしまい

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