自称プリンプ翻訳家の小ダイアリー 10th aniversary

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この記事は6月15日発売の5つ目のぷよ小説「ぷよぷよ アミティと愛の少女!?」についての
個人的な考察ページとなります。以下のことにご注意ください。
というかぷよクロをクリアしてない人やこの小説を読み終わってない人は
ネタバレがひどいので先に進まないでください。

注意事項
※容赦ないネタバレ注意。
ぷよ小説5だけでなくぷよクロに対する
ネタバレも存在します。
※ついでに物凄くガバガバ。
※考察のくせに個人的願望が混入してる
大体は言葉尻を取りまくってバカみたいに無駄に考えまくってるだけです。


以上が大丈夫な方はお先へどうぞ。といってもあまり考察量は多くないのですが……














考察要素、および疑問点

〇1.最後のくだり。3人はアリィのことをどの程度忘れて/覚えているのか。
仮定1:3人とも忘れてる説
割と妥当案。皆忘れてるけど本能的に記憶が残ってる感じ。
でもこの感じじゃすぐに薄れて消えていきそうですねぇ( ^ω^)・・・
だがそんな救われない可能性は私が考えたくねぇので没(わがまま)

仮定2:アミさんだけ忘れてる説
残りの二人が一瞬止まってもさほど違和感を持たず愛という言葉を受け入れてるのが根拠。
もしくはぴたっと止まったところで「思い…出した!」となっている可能性も大いにありです。

仮定3:全員覚えてる説
一人称始点でアミさんがアリィに言及していないのは
忘れた「フリ」をしているだけ、という視聴者へのトリック説。
ぶっちゃけそういう表現はアミさんの性格に合ってない気も多少はあるが、
愛について「『誰の口グセなの?』とは聞かれなかった」と言及している。
「どこで聞いたの」などではなく「"誰"の"口グセ"」という表現がひっかかる。
誰かの口癖であることまでわかってて話していると考えると
実は覚えてないように見せかけてるだけの可能性が出てくる。


結論:どれもあり得そうだが2か3でオナシャスできれば3(個人的希望)




〇2.そもそもアリィはどの事象から来た存在なのか。
hint:エコロp108「相変わらずアリィちゃんらしいね」
この発言からエコロはアリィを知っていることがうかがえる。では「どこ」で知った?
仮定1:ぷよクロの時間軸説
なんのひねりもない考え方。矛盾も特にない。

仮定2:どこともいえぬ全く別の時空から説
そもそもアリィという存在がサタンが作った本の世界に存在する住人(多分)だから
どこかの事象に普通にぽつんと存在するのはちょっと無茶があるのでは?
アリィという存在の正体に対する考察はぷよクロ本編を踏まえないとならないから何とも言えないが…

結論:前者しか考えつかない



〇2派生.正確にはアリィのもといた時間はぷよクロ本編開始前、本編終了後のどっち?
記憶がなくなっているのでどちらでもあまり差異はないのだが、この時間の違いにより
「ぷよに対する経験があるか」「ラフィソルが居るか」という大きな差異が生じるのがポイントか。
仮定1.ぷよクロ本編開始前
アリィが少々ぷよに慣れていたらしき表現と少しかみ合わない。
ただぷよクロの方でも見様見真似でぷよぷよを行っていた描写はあったと思う(うろ覚え)ので、
単純にこれはもともとの才能と考えてもさほど不自然ではない。

仮定2.ぷよクロ本編終了後
「ラフィソルどこ行った」という問題が発生する。
小説本編開始前にアリィと一緒にウロボロスと対峙して魔力を大きく消耗し
1日中ペンダントに引きこもらないといけない状態になった、などと考えることもできるが
少しこじつけすぎか?


結論:前者っぽい?ただし後者の可能性も少なからず存在する。





〇3.p165「前にアリィと会ったことがあるかも」の意味を具体的に読み取ろう
仮定1:小説内の時間軸はぷよクロ後の時間軸で、
     ぷよクロ本編終了後に「何らかの要因」で全員が本の中の出来事を忘れている
「何らかの要因」が相当無茶がないと無理。
「時空を超えることが記憶喪失につながる原因」であることを考慮しても
→サタンが作った本の中の世界に行くのは時空を超えることと等価なのか?
 →もし真と仮定したら何故本に吸い込まれた全員は重大な記憶喪失を受けなかったのか?
という疑問が生じる。
アリィ以外に記憶喪失耐性がある、サタンがそこへの対策をかけていた(まずサタンは時空に詳しいのか?)、
アリィが本の世界の住人であることが記憶喪失への耐性の低さに関係している
などという可能性は考えられるがさすがにこじつけすぎなため没。


仮定2:「パラレルワールド」の記憶が流れてきただけ
どこぞの十数年前のインタビューで言ってたアレ。
アミさんがパラレルワールドの記憶を共有してるとかいうアレ。
他の並行世界の記憶と無意識に共有ができたなら
ぷよクロ本編の記憶を受けて「アリィと会ったことがあるかも」
と思うのも少し納得いく。
だがその場合アルルやりんごも同じような事を感じたという事実に対して説明が出来ない。


結論:後者が有力説か。だがどっちも推測の域にとどまっており不完全。




〇4:アリィとウロボロスの関係性は?何故時空の扉から追い出された?
前提仮定:とりあえず扉の先には普通に本の中(ぷよクロ)の世界が繋がっていると仮定しよう。
       他にアリィが定住する時空はなさそうだし。
hint:ウロボロスは「強いチカラ」を好み独占する魔物。
   具体的には魔力をむしゃむしゃ食べてる感じか。時空の扉を「美味そうな魔力」と表現していたし。

とりあえずウロボロスはむしゃむしゃっぷりからして
単純に時空の扉の魔力をむしゃむしゃしたかっただけと考えて良さそう。目的もそれだったし。
アリィが時空の扉から追い出された理由については
ウロボロスが「時空の扉の魔力を得るには勇者が邪魔だから」(p16)といっていたことがヒント。
勇者というのは会話内容から考慮して恐らくアリィと考えるのが妥当であろう。
(他の人が勇者ならアリィが扉から追い出されたのと繋がらない。)
では「時空の扉の魔力を得るのにアリィが邪魔である」のはなぜか……?

仮定1:アリィが時空の扉を守っていた?
別にそんな言及どこにもないので多分違う。

仮定2:アリィがウロボロスに対する唯一の抵抗者だから
仮定1の派生。
ぷよクロでの本の中の世界に住む生き物は確認できる限りモンスターかモブのみ。
モンスターは知性はないでしょうし、モブは全員獣人で戦闘能力は恐らくないでしょう。
と考えるとアリィが時空の扉のむしゃむしゃに対する唯一の抵抗者、
そんな意味を含めての「勇者」という言い回しにも少し合点が行く。
ただしこの考えでは「ラフィソルどこいった」という疑問が発生するので完全解ではない。
その辺はぷよクロ本編開始前のアリィが飛んできたと考えればなんとかなりそう?
(それはそれで別の矛盾が生じそう)


結論:後者っぽいけど完全解じゃないかも。



〇4派生:そもそも扉の魔力を喰いつくされるとどうなる?
1.その時空へ行き来することができなくなる
2.1に加えて扉の中の時空が丸ごと消滅する
特にヒントになりそうな要素もなく推測でしか言いようないので今回は考察は避けておく。




〇5.本編(ぷよクロ)の事象と時間的につながっているのか否か

手法:ぷよクロと小説の時間軸及び因果関係を考えよう
仮定1:
小説→ぷよクロ
〇3で議論した「アリィと前に会ったことがあるかも」というアミティの考えと時間的に矛盾する。
パラレルワールド説の派生で「未来の自分の記憶が流れ込んだ」と考えても
その場合アルルやりんごなど他の人に初めて会ったときにも
いちいち「前にも会った気がする」と思うはずなので却下。
「前に会った気がする」ということそのものが「ただの気のせい」とするなら
この仮定は有効となるが、さすがにそれはつまらんと思うのです。


仮定2:
ぷよクロ→小説
〇3で考察したように「ぷよクロ本編後から何故全員がアリィを忘却したか」に対する
納得のいく説明ができそうにないので可能性は低い。


仮定3:
ぷよクロと小説は別の時間軸のお話であり前も後もない
楽な考え。


結論:別時間軸の可能性が高いっぽい。

17/10/8追記
○5派生:p166「扉の中から勇者の助けを求める声が聴こえる」→誰の声?
扉の先が「誰か勇者の助けを求めている」時点での時間軸なのだとしたら、
恐らくぷよクロ本編開始前か、もしくは本編中。
となると勇者の助けを求める者といったらモブ住人くらいしか居ない気がする










その他情報殴り書きメモ

・時空を行き来すると記憶が曖昧になる。
 戻ると記憶が「多分」戻るらしい。大丈夫それ…?
→ところでチキュウとかプワープとかAC世界とかソニック世界とか
   結構好き放題に時空を超えまくってるのですが大丈夫ですかね?
仮定:もしアリィのいる時空とのつながり方が今までと違う特例だったとしたら。
    時間空間に加えて「時系列」も異なるため他の場合と比べて時空の不安定度が高く、
    それにより記憶の曖昧さが増すんだとしたら…?

要約:今までと違い「時系列」をもまたぐ時空移動なので不安定さが高い説。
→一応矛盾は少ないがこじつけ感が否めない。推測の域。



・ウロボロスは強いチカラを持つものを独占する習性がある。
 「"封印"の魔物」と呼ばれている理由は特にないっぽい?



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梅雨のシグアミ。一応シグのお誕生日記念でもあるけれど中身はいつのシグアミです。

当たり前のように二人が付き合ってるのでご注意を。





とある雨降る放課後のお話。

金髪の小柄な少女、アミティは学校の出入り口前に一人ぽつんと佇んでいた。

目線の先には雨が降り注ぐ灰色の空。はぁ、とため息を一つつく。

たまに通り過ぎていくクラスメイトを見送りながら、やまない雨を見つめ続ける。


彼女がここで佇んでいるのには理由が二つあった。

一つは傘を持ってきていなかったこと。

時々クラスメイトの男子が猛ダッシュで雨の中を突っ切っていく様子が見られるが、

ノースリーブの薄着が夏の基本衣装である彼女にとっては雨は腕から体を冷やしてしまう大敵。

他の人と同じように雨の中に無防備に飛び込むわけにもいかないのだ。

そしてもう一つの理由はというと。


「シグ!」

「ん、アミティ」


通りかかった蒼色の少年を呼び止める。彼を待っていたからだった。


「あのねシグ、ちょっと用事があるんだけど……」

「用事?うーん、ちょっと森に行くところだから、それからでいい?」

「全然大丈夫!えっとね、それでね…………」


恥ずかしくて、ちょっと言い出せない一言。勇気を振り絞って、その言葉を吐き出す。


「シグの傘、一緒に入っていいかな?」


アミティのこわばった表情から出た言葉にシグは一時びっくりしていたようだったが、すぐににへらと笑って


「どうぞ」


と、傘を差すと同時にアミティをその下に寄せ入れた。

一人用の蒼傘に、年頃の少年少女が二人。

そんなに大きくない傘だから、もちろん肌がぴったり重なりあう。

暖かい、もしくは冷たい、そんな相手の体温が、くすぐったくてたまらない。

そんな一瞬の沈黙さえも恥ずかしくなってしまった二人は、顔が熱くなるのを誤魔化しながら

「「行こっか」」と同じ言葉を発し、その重なった言葉に同じ笑顔を零した。









「ねえ、そういえばどうして今日森に来たの?」

相合傘特有のぴったりとした距離感にもようやく慣れたところで森にたどり着き、

今更ながらと思いつつアミティはシグに問う。

「どうして、って?」

「ほら、雨の日だとムシはいないでしょ?」


「確かに、いつも見るムシは大体見ない。けど雨の日は雨の日で別のムシが居る」

「例えば?」

「例えば……そうだ、これとか」


シグは辺りを数秒見渡した後、一つの植物の葉の上を指差した。


「……かたつむり?」

「そう」

「かたつむりって、ムシなの?」

「たぶん」

「たぶん……?」

「何がムシなのかっていうわかりやすい決まりはないから、たぶんとしか言えない」


へぇ〜、とアミティは感嘆の声をこぼす。

言われてみればそうだ、確かに学校では「昆虫」とは足が6本で頭と胸と身体に分かれている生き物だ、

ということは習ってはいるが、よくよく考えると「虫」が何かということについては習っていない。


「じゃあシグはどんなのがムシだと思う?」

「うーん…………?」


アミティのそんな素朴な問にシグは首を傾げたまま深く頭を悩ませ、動かなくなってしまった。

アミティが身体を揺さぶったり目の前で手を振ったりしてもまるで反応がなく

そのまま悩むこと数十秒、悩み悩んだ末にようやく口から出た答えは


「ムシっぽいもの……?」


そんな曖昧なものだった。どうやら彼にとっても手に余る問題だったらしい。


「シグでもわからないことがあるんだ?」

とアミティが聞くと、シグは

「さすがに誰もわからないことはわからない」

と苦笑いした。











それから森中をしばらく歩き回ったが見つかるムシは大体カタツムリばかり。

けれど特にシグは退屈することもなくそれらを眺めていた。

彼曰く「ぐるぐる模様がちょっとずつ違うのが面白いから」とのこと。

初めはシグの様子を眺めるだけだったアミティも、

気づけばシグと一緒になってカタツムリ鑑賞を楽しんでいた。

次はどんな模様のカタツムリが見つかるかなと談笑している最中に、

二人は道端に珍しいものを発見する。それは小さくて黄色い、花びらのような何かだった。


「ねえシグ、あれ何だろう?黄色い花びら……かな?」

「……あれ、もしかして」


シグは気づくや否やアミティに傘を押し付け雨も気にせずそこへ走り出し、その何かを手ですくった。

「濡れちゃうよー」と遅れて追いついたアミティに、シグはその手の中にあるものを見せる。


「!これって……」

「ちょうちょ」

「この子、大丈夫かな……?」


二人が見つけた蝶は雨に打たれてすっかり弱りきっていた。

アミティは心配そうに蝶を見つめている。


「んん〜……」


シグが水気を払い、真剣な目つきで注意深く観察してみると羽が少し動いた。まだ生きてはいるらしい。


「まだ生きてる、けど相当弱ってる」

「でも、このままだと……多分……」

「助からない」

「そうだよね……ねえシグ!この子、なんとか助けてあげられないかな?
 例えば洞窟の中に置いてあげたり、とか……」

「洞窟だと蜘蛛に食べられちゃうかも」

「ほんとだ!?それじゃあ、えっと、どうしよう……どこか乾いててちょうちょが休めそうなところは……」


焦りながら案を巡らせるアミティ。けれどシグは大丈夫、と諭すと、

「こんなこともあろうかと」

と言いながら鞄から虫かごを取り出した。

丁寧に乾いた葉と枝まで入っており、これなら水気も全てすぐに払えそうだ。


「これで大丈夫だと思う」

「よかったぁ……!あたしひとりじゃどうしようもなかったよ。ありがとう、シグ!」

「どういたしまして」


虫かごの中の蝶の無事を確認し、二人はほっと一息をつく。

僅かに羽を動かす蝶の様子を眺めながら、アミティは一つの疑問を抱く。


「ねえ、シグってムシ取りのとき、捕まえたらいつもすぐ逃がすよね?」

「うん」

「なのに虫かごを持って来てるのって……弱ったムシを入れてあげるためだったの?」

「ふふっ、当たりー」

「もしかして、雨の日にも森に来るのも……?」

「それはかたつむりのついで。でも、半分当たりかも」

「やっぱりそうだったんだ!シグってムシのお医者さんみたいだね!」

「ムシのお医者さん……それ、とてもいい」


自分の小さな秘密を知ってもらえたのが相当嬉しかったらしく、

シグは髪の毛アンテナをひょこひょこ揺らしながらアミティの言葉に喜んでいた。


「えへへっ、シグってムシにはとっても優しいよね。あたし、シグのそんな優しいところが大好きなんだ。」


しかし続けて出てきたアミティのそんな何気ない一言はさすがに恥ずかしかったらしく、

アンテナの動きをピタリと止め、顔を赤くしてそのまま俯いてしまった。

シグのそんな様子に一時はきょとんと首を傾げたアミティだったが、

数秒遅れて自分の発言に気がつき、同じように真っ赤になって俯いてしまった。


「……アミティ、はんそく」

「ごめんなさーい……」











気を紛らわせにカタツムリ鑑賞に浸ること数十分。

気ままに探索をしているうちに、視界を覆う木々の本数がだんだんと少なくなっていき、

ついには開けたところへ到着した。少し遠く見えるのは見慣れた街の光景。

どうやら出口まで辿りついてしまったようだ。


「もう出口まで着いちゃったね……来た道引き返す?」

ちょっと残念そうにアミティが問うと、

「大体の部分は見て回ったし、このまま帰っちゃおう」

シグは笑顔で答えた。

「そうなの?あたしは森の中とか詳しくないからよくわからないけど……」

「安全な道は殆ど通ったし、それに……ほら、向こう」


シグの指差す先の空には、灰色の雲の隙間から、蒼と紅の綺麗な色彩がこちらが覗き込んでいた。

どうやら時間的にも切り上げ時だったらしい。


「綺麗な夕暮れだね……」


アミティは雨の中から覗けるそんな景色に、すっかり魅了されたようだった。


「もう夜が近いから、森からは出ないと」

「今何時だっけ?」

「えーっと。もう六時になる」

「うそ!?……ほーんと、楽しい時間ってあっという間だね」

「楽しかったのか。それならよかった」


一緒のことで一緒に楽しめたのが相当嬉しかったらしく、シグからは笑顔が零れていた。


「よかったらまたあたしも連れて行ってね」

「もちろん。……そうだ」


何かを思い出したらしくシグがぽんと手を叩く。


「用事、聞くんだった」

「用事?……あっ、そうだった!」


もともとアミティがシグについてきた理由は傘に入れてもらうため以外にもう一つ用事があったからだ。

森へ行った後にアミティの用事を聞く。

その約束を二人ともすっかり忘れていたらしく、今になって思い出す。


「えっとね……シグ、今日は何の日か、知ってる?」

「今日……?虫取りの日?」

「違うよ!」


鈍いボケに鋭くツッコミを入れながら、アミティはポケットから小さな箱を取り出す。

緊張を紛らわすかのように深呼吸を一つした後、満面の笑みを作ってそれを差し出した。

「シグ、ハッピーバースデー!!」

もちろん、お祝いの言葉と一緒に。

「!……そうか、今日だったのか」

「6月16日、シグの誕生日だよね!!」

「じゃあ、この箱はやっぱり」

「そう、プレゼントだよ!シグが喜ぶものかはわからないけど……とりあえず開けてみて。」


言われるがままに小箱を開けると、

中には透き通った、蒼い蝶が乗ったようなデザインの

小さな可愛らしいパッチン型の髪留めが入っていた。


「……髪飾り?」

「ほんとはかっこいいカブトムシのバッジとかがあれば良かったんだけど……
 あたしがお店で探した中ではこれしかなかったんだ。」


アミティは自分の選んだプレゼントに自信がないのか、少し俯きながらシグに話す。


「男の子が着けるものじゃないのはわかってるし、もし気に入らないなら……」

「ううん、これがいい」


そんな不安そうなアミティに対し、シグはとても嬉しそうだった。


「これがいいの?」

「アミティのくれたものだから。それにちょうちょも大好きだし、
 なにより好きな時に頭にちょうちょがずっとくっついてくれるのは、とっても嬉しい」


そう言いながらシグが髪留めを髪の横側につけてみると

女の子用のアクセサリーでありながらもその違和感はほとんどなく、

髪飾り、というよりは本物の蒼い蝶がシグに止まっているかのようだった。

シグはすぐそこの水たまりに映る自分の姿を見て、


「似合ってる」


と満足げな笑顔。その様子にアミティは安堵と喜びの混じった溜め息を漏らす。


「そっか、それならよかったよ。可愛いタイプのやつだったから喜んでくれるかわからなくて……」

「可愛くても、ムシはムシだから。
 それに、アミティからもらうならカブトムシとかクワガタよりもちょうちょが一番嬉しい」

「ちょうちょが……?かっこいいカブトムシよりも?」


意外だと思いつつもアミティが問うと、

シグは「アミティがずっとくっついてくれてるみたいだから」という不思議な答えを返す。


「あたしがくっついてるみたい……?あたし、そんなにちょうちょに似てるのかなぁ?」

「すごくよく似てる。ひらひらしてて、可愛いでしょ。それにとっても」

「ストップ!シグストップ!!」

「?」


唐突に始まったちょうちょ語り。彼女にとってはあまりに直球で無慈悲な褒め殺し、に、

慌ててアミティは真っ赤になってシグの口を手で塞ぐ。

シグはその理由に気づかず、困惑しながらただもごもごと声にならない音を出していた。


しばらくしてシグの口が止まったのを確認し、ようやくアミティが手をシグの口から離す。


「……?ちょうちょに似てるって言ったの、嫌だった?」


どうやらシグは全く気がついてないようだ。顔にたまった熱がおさまらないまま、アミティは説明する。


「嫌とかじゃ全然ないんだけど、その、あんまり急にそんなこと言われると、恥ずかしいから……」


アミティの懸命な説明にようやく納得したらしく、シグは「なるほど」と呟き、


「わかった、次からは急には言わないようにする」

「そういう問題じゃないからー!」


アミティの返答にくすくすと悪戯っ子のように笑った。今度は明らかにわざとのようだ。


「もう、シグ〜……こうしてる間にもちょっと空が暗くなってきた気がするし、早く帰ろ」


ペースを乱されてかなわないと判断したのか、

アミティは火照りっ放しの頬をぺちぺちと叩き、話題を変えてシグを急かす。


「アミティはこれからまっすぐ帰るの?」

「あたしはクルークのところまでちょっと用事」

「クルークのところ?……そうか、アレのお誕生日祝いか」


アレというのはもちろんクルークの本に入っているシグの片割れのような魂のこと。

偶然か必然か、シグと同じ誕生日なのだ。

アミティは彼にもこれから誕生日祝いのプレゼントをあげに行くらしい。


「そうだよ!シグも一緒にお祝いする?」

そんなアミティの誘いに「もちろん」とシグは快諾した。

そして迷いの無いシグの返事に、

「それじゃあ一緒に行こっか!」とアミティはいつもの満面の笑みを見せた。



「ところでそのポケットに入れてあるプレゼントって何が入ってるの」

「こっちは紅い蝶のしおりだよ!気に入ってくれるといいなぁ〜」

「アミティのプレゼントだから、きっと気に入ってくれる」



いつしかすっかり雨は上がり、虹のかかった空へ、二人の楽しい話し声がこだまする。

相合傘はそのままに、相も変わらずぴったりとくっついたまま、同じ歩幅で。

二人はマイペースに笑顔を咲かせながら、彼の待つ家へと歩を進めていった。





おしまい


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キスの日シグアミ。




学校に貼られたカレンダーを眺めながら、いつの日か聞いたことを思い出す。

今日は5月23日。

まぐろとか、りんごとか、あと、りすっぽくてくまみたいな人曰く、5月23日はキスの日というらしい。

具体的には何をどうする日なのかは覚えてないが、特にりすみたいな人が

「愛する人に愛の気持ちを接吻に乗せて伝える日」にしようと熱く提唱していたのだけは覚えている。

そうだ、それは良い。なんて思い立ったことが事の発端となった。





いつものように学校からの帰り際で、アミティを誘う。

「アミティ、虫取りについてきてくれる?」

なんて、いつも通りを装って。

もちろんアミティは特に疑うこともなく「いいよー」と、いつもの明るい笑顔で快諾してくれた。







森の中に着いたら、座るのに良さそうな木の下に腰を下ろし、

アミティを自分の膝の上に、向き合う向きに座るよう促す。


「シグ、虫取りするんじゃなかったの?」

「今日は最初に休憩するだけ」

「今日のシグ、ちょっと変だよ?大丈夫?」

「う」


さすがに動揺しすぎて気づかれたか。「へーきへーき」とごまかすと、


「そっか。あの、あたしが重かったりとかだったら遠慮なくどかしていいからね」


と特に深追いはされなかった。純粋に心配してくれるだけだったらしい。

どうやら下心を持つと調子が狂うらしい。

早めに目的を果たしていつもの自分に戻らないと、と思いつつ本題に入る。



「アミティ」

「どうしたの?」

「目を閉じて」

「こーう?」

「そう。いい、って言うまでそのままで」


指示通りにアミティは目を瞑る。あとはキスをするだけだ。

そう思ってたはずなのに。

いざキスしようと思ってアミティの顔を見ると、胸がどきどきして止まらない。

いつものように当たり前にアミティに伸ばそうとした手が、震える。

別にキスそのものは初めてなんかじゃない。

スキンシップの延長線で本能に任せておでこやほっぺたに口をつけたことくらいはある。

でもよくよく思い返してみれば、ごまかさないで、正面から、

好きって気持ちを込めてキスをすることなんて、今まで一度もなかった。



「まだ、瞑ってたほうがいい?」

「……もうちょっと、だけ」



アミティの声にはっと我に返り、ぶんぶんと首を横に振る。

これから何をせんとしているか、今どんな葛藤が起こってるかなんて知る由もなく、

ただ、目を閉じたままじっとしている。



深呼吸して、気持ちを整える。

ちゃんと気持ちは伝えなきゃ。今までやったことがないなら、今、やらなきゃ。

実際はキスの日がどんなものかは知らない。

けど、自分にとって、今日は好きって気持ちを、口に乗せて伝える日なんだ。

いつも通り、いつも通り。無理に唇にキスしなくたっていい。

ちょっとだけ愛情表現を頑張って、ほっぺたにちょっと、口をくっつけるだけ。

そう必死で言い聞かせ、でも心だけはごまかさないように気を付けて。







アミティの腰に腕を回す。

そのまま抱きしめ、顔を近づけて、

「好き」

とだけ呟く。

そしてその大好きの気持ちをいっぱいに込めて、そっと唇を重ねた。



一瞬だけ、時間が止まった気がした。

唇を、頬とはちょっと違う、柔らかい感触が包む。

ぷよっと僅かに水気を含んだ柔らかさが、唇を離してからも残り続けた。








犯した過ちに気付いたのはその直後だった。

やってしまった。頬にキスするだけで十分だったはずなのに。

よりにもよって無意識のうちに唇を重ねてしまうとは。

唇に未だに残る甘い感触と湧き上がる罪悪感に思考が再び混乱する。

頭を抱えていると、既に目を開けていたアミティが「シグ、」と名を呼ぶ。


「アミティ、えっと…」


発する言葉も見つからずただただ焦っていると、


「あたしのはじめて、奪われちゃった」


その言葉とは対照的に、アミティはうっとりと、嬉しそうに呟いた。


「……すまなかった」

「そんな、謝るなんてとんでもないよ!」


「いやじゃ、なかった?」 と問うと、

「嫌なわけないよ!」 ときっぱり否定。


「そりゃあ突然のことだったしシグの様子が変だったから、びっくりしたけど……」


とは言ったが、続けて、


「でも、シグがこんなにいっぱいの気持ちを込めて好きって言ってくれたの、
 今まで無かったからとっても嬉しかったし。
 その後にファーストキスをもらってくれたのも……なんていうか、とにかく、幸せでいっぱいなの。」


紅い顔で、いつもとちょっと違う大人びた笑顔で、アミティはそう言ってくれた。

勇気を出して込めた気持ちはちゃんと伝わってた。

それだけで、心の中から罪悪感がすぅっと消えていったのがわかる。

間違ってなんかなかった。アミティの笑顔が、その証拠。



「でも急に唇にキスされてびっくりしちゃったのは本当だから……うーん、そうだなぁ……」

「うん?」


しばらくアミティは考え込むと、そうだ、と閃いたようなそぶりを見せた後、


「えいっ」


突然顔が近づいた、と思った頃にはぷよっと、さっきと同じ甘い感触が唇に満ちる。

−−−と同時に、勢い余ってか額にごつんと堅い衝撃。


あっけに取られているとその瞬間はとっくに終わっていて、


「あいたた……とにかく、これでおあいこ。それでいいでしょ?」


アミティはぶつけた額をおさえながら、そういたずらっ子のように笑っていた。


「おあいこ…ありがとう、アミティ」

「あたしの気持ちも、シグに伝わった?」

「もちろん」

「よかったぁ、ちゃんとお返しできたみたいだね」

「アミティの気持ちも、ちゃんと受け取った。おあいこ」

「うん、おあいこ。」



お互いに気持ちがいっぱいいっぱいになったせいか言葉を発せずにそこで口が止まる。

しばらく見つめ合うことになったけど、

数秒も経つとドキドキして恥ずかしくてたまらなくなってきて、先にアミティが「ぷっ」と吹き出す。

つられて吹き出し、あはははは、って、二人で笑いあった。





ひとしきり笑い合ったら、元のふたりに元通り。


「さあ、帰ろ」


ずっと座りっぱなしも疲れるものだ。

膝の上に乗せてたアミティをどかして、腰を上げ、いつもの帰路へと歩き出す。


「あれっ?虫取りに行くんじゃなかったの?」


そういえばそういう嘘をついてたんだった。


「あれはここまでアミティを連れ出すのためのうそ」

「わざわざキスするためだけにここまで来たの!?」

「他の人に見られると恥ずかしいし、アミティとならここって決めてたから」

「そっか、それでさっきから調子が悪く見えたんだ……でもどうして急にキスなんて?」

「今日、キスの日なんだって」

「キスの日?」

「どういう日なのかは知らないけど、頑張ろうって思った」

「ふ〜ん……」


キスの日の話をすると、アミティはさっきのことを思い出していたのか、

ちょっとだけ赤くなりながら自分の唇をつんつんと触っていた。

しばらくすると恥ずかしくなったのかぶんぶんと首を横に振って、あのね、と話しかけてきた。


「えっと、シグ」

「なーに?」

「あたしたち、ちょっとだけオトナになれたかな?」

「オトナに?……きっとなったと思う」

「えへへっ、嬉しいなぁ……」


そう話すアミティの表情は、何故だかいつもよりちょっぴり女の子らしく、色っぽく見えた。

いつしか傾き始めた夕暮れに照らされて眩く輝いているせいだろうか。でもきっと、それだけじゃない。


「あたしね、シグと一緒にちょっとずつオトナになっていきたいな、って思うんだ」

「アミティと一緒……とっても良い」

「好きな人と……シグと、ちょっとずつ仲良しになって、
 そんな中で恋のいろんなことを知って、少しずつ成長していけたら……
 どれだけ幸せなことなんだろう、って」


アミティの話を聞きながら、それを思い浮かべる。

これから自分は、アミティは、どう変わっていくんだろう。

無邪気で明るくて子供っぽい今の笑顔はそのままであってほしいけど、

ちょっとずつ女性らしくなっていくのもそれはそれで……


いけない。それ以上考えるとアミティをまともに直視できなくなってしまいそうだ。

頭をぽんと叩き、思考をリセットする。結果、


「うん」


そんなすっからかんの返答しかできなかった。





そうこうしているうちに、もう分かれ道。今日はここまででお別れだ。


「シグ!今日は嬉しかったよ!」

「アミティも。付き合ってくれてありがと」


じゃあね、と言おうとしたその時、アミティに待ってと止められる。



「どうしたの?」

「あのね……もう1回だけ、して?」

「そう。……よし、わかった」


返事を聞くとアミティはもう一度、目を閉じる。

今度は迷わない。気持ちの込め方もさっきわかった。

緊張は押さえつけ、顔をゆっくり近づけて、もう一度。好きの想いをいっぱいに込めて。



そっと唇を重ねた。



唇を離して目を開けると、アミティは頬を紅く染めて、

「ありがとう」

と乙女のような、艶やかな笑顔を見せた。



「じゃあ、また明日ね!」

それからすぐにいつもの笑顔で手を振って、分かれ道の先を走り去っていった。

一瞬だけ見えた、アミティのいつもとは違う笑顔が脳裏に焼きついて離れない。

今まで見たことのなかった、アミティの、ちょっとオトナで、甘い、恋する女の子の表情。

思い出すだけで心の奥がどきどきと鳴動して止まらない。

自分が大人になるのはまだまだ先のことになりそうだと笑いながら、アミティとは反対側の帰路についた。







終わり



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制作の方順調って言ってた前回の自分はなんなんですかねぇ・・・
1ヵ月半もするのにまだ1ダンジョン完成してないというか半分くらいで止まっているのですがそれは。
自分の中ではかなり進めたつもりでしたが全体で見るとあんまり進んでませんでした。
今回は作業量がかなり多いのでそのせいですね(言い訳)


今まで殆ど無かったイベントや物語性が今回からぎっしり入ってくることになったので、
なんとか楽しめるものにしていきたいところです。

「今のぷよぷよの公式は新たにキャラクターに対して
 伏線を張ることはあっても、それを回収する気は決して無い。
 来もせぬ解を求めて退屈するくらいなら、いっそ自分なりにでもその答えを導き出してやろう。」

・・・そう5年ほど前に思い描いた夢を今実現するとき。
時を経てその解の形は変われど妥協するわけにはいきません。



完成率:75%程度

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ブログって基本的に他愛の無い日常話とかをする場所だってことを最近忘れていた人がいます。私です。

近頃は殆ど更新なし、更新しても大方シグアミばっかなので

このブログを見ている人の中でどのくらいの方がご存知かはわかりませんが、

数少ない趣味のゲームの一つにFEがあります。

これまでにプレイしてきたFEは

新暗黒竜から始まり暁、新紋章、覚醒、聖魔、蒼炎(未クリアのままWii破損)とだいたい6作品程度で

過去作への興味もあまり沸いてなかったのですが、

ヒーローズのおかげでこの度少し興味がわいてきてGBAの残りの2作(烈火、封印)を購入してしまいました。

バーチャルコンソールで700円、そこにヒーローズで入手したポイントを使えば三割引。

・・・なんて言われると、ケチな私でもやらずにはいられません。




そんなこんなで、現在烈火の剣をプレイ中です。

ヒーローズでのキャラの動かし方に慣れすぎて違和感が凄まじい。

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