| 090909リマスター盤 『Revolver』(MONO) |
| ジェフ・エメリック & ハワード・マッセイ 著 |
| 『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実<新装版>』 |
いやはや、本当はこの記事はもっと早く書き終わっている予定だったので、相当遅れちゃったなー。
Beatlesのリマスターについては↓いままで色々書いてきた。
で、このリマスターお祭りの最中にCDショップにはかなりのビートルズ本が置かれていて、オレが興味を持ったのがジェフ・エメリックというエンジニアの書いたこの本だ。
帯の謳い文句に
| 「真のビートルズ・ファンならば、ぜひとも<サージェント・ペパー>と<リボルバー>のモノ・ヴァージョンを入手するべきだろう。ステレオ・ミックスとは比べ物にならないほどの時間と労力が、モノ・ミックスには投入されているからだ」―――本文より |
などと書かれていて、
「大人のロック!」という雑誌のビートルズのモノラルの記事を読んで、今まで関心のなかったモノラルが気になり始めたタイミングだったので、この本も読んでみたいと思った。
これは新装版となっているが、元々は2006年12月に出版された『ザ・ビートルズ・サウンド 最後の真実』から巻末の「日本版特別解説座談会」を削除し、新たに「日本語版読者のみなさんへ」を収録したもの、とのこと。
日本版特別解説座談会もどんなことが書いてあったか気になるところだが。
オレのは2009年9月9日 初版第1刷発行となっている。
発行日を090909に合わせたんだね^^
ジェフ・エメリックというのは結構有名な方なのでしょうか?
オレは今回、この本で初めて知った。
ビートルズの『リボルバー』、『サージェント・ペパー〜』、『アビー・ロード』、ポールの『バンド・オン・ザ・ラン』、『タッグ・オブ・ウォー』などのエンジニアの仕事で、グラミーなどの名誉ある賞を受賞している。
本の説明をそのまま書き写すと
1962年にアシスタント・エンジニアとして高名なEMIアビー・ロード・スタジオに加わり、1966年に正規のエンジニアに昇格。
しかし1969年にはこのスタジオを離れ、ビートルズのアップル・レコーディング・スタジオに移籍した。
グループ解散後も引きつづきポール・マッカートニー&ウィングスのエンジニアを努め、ほかにエルヴィス・コステロ、アメリカ、ジェフ・ベック、アート・ガーファンクルらのアーティストを手がけている。
これまでに4度グラミーを受賞しており、2003年にはテクニカル・グラミーに輝いた。
となる。
エンジニア界では腕利きの方なのだろう。
で、この本は600ページ近くあるのだが、とにかく面白い!!
エンジニアリングの専門的なことはオレはほとんどわからないが、そんなことは関係なく、当時のスタジオでの生のビートルズの話ばかりなので面白くない訳がない。
また、オレのイメージしていたジョン、ポール、ジョージ、リンゴのまんま、というか、もっとそのイメージを強固にしてくれるエピソードが満載。
気まぐれでナーバスで、思いつきのインスピレーションで曲を作るジョン。
4人の中で一番社交的で、生活人としてまともそうなポール。レコーディングにおいては徹底的に音楽優先の姿勢。曲の構想なども思いついた時にノートに書き溜めていていつも持ち歩いている。
こうした面からエンジニアのジェフ・エメリックとは一番息があった様だ。
寡黙で社交性もなく、初めの頃はポールに指示などされ、ジョンとポールの弟分的な存在だったが、最後の『アビー・ロード』の時には「Something」のベースをポールに指示していたという成長をとげたジョージ。
『サージェント・ペパー〜』あたりからバンドがグダグダになってきて、中和剤、緩衝材となっていた温厚なリンゴ。
あくまでジェフ・エメリックが書いた本で、スタジオの中という限定された時の、しかもジェフ目線の描写だが、オレの元々のイメージをよりクリアーにしてくれた。
ドラッグについては想像以上に相当やっていた様で、スタジオ内でもやっていて、『ペパー』→『マジカル』→『ホワイト・アルバム』といくにつれ、それはひどくなり、ジェフ・エメリックは『ホワイト・アルバム』のレコーディングが始まってすぐに、このレコーディングのエンジニアを降りてしまう。
だから、ジェフ・エメリックが受賞したものも『ペパー』の次は『アビー・ロード』になるんだけど。
『アビー・ロード』の時は、ビートルズ側からはもうあんな変なレコーディングの状態にはしないからという条件つきで、ジェフに依頼があった様だ。
あまり生産的ではないジャムをだらだら繰り返すとか、メンバー間で言い合うなどのいさかいをおこさないとか、パーテーションの向こうで長い間ドラッグをやったりしないとか、など等。
まあ、そうはいっても若干はそういうことはあった様だが、かなり自制して『アビー・ロード』にはビートルズはとりくんだらしい。
結局、お互い顔を合わせると何かがおこるので、スタジオに一緒に入るのを最小限に抑えたりしていた様だけど。
で、この本ではドラッグは特にジョンがひどいのだが、オレはドラッグは一切やったことがないのでよくわからないが、この本を読むとたちの悪いよっぱらいに近いのかなー、と。
ポールが新曲をもってきてスタジオでピアノかギターを演奏しながら歌ってメンバーに披露すると、「またポールのおばあちゃん向けの曲かよー」とジョンが言うみたいな(笑)。
ポールは言葉には出さないが真剣に怒る訳だ。
そのポールもドラッグはそれ程ひどくやらなかった様だが、ジョージやリンゴへの演奏の指示はもの凄く執拗で徹底していて、リンゴは手だか足だかが筋肉痛になる程になってしまうし(笑)。
ポールが自分のボーカル・パートが納得いかなく、何度も何度も録り直しをして他のメンバーをうんざりさせるとか。
あと、この本での新しい発見というと、今まではプロデューサーのジョージ・マーティンが結構レコーディングでの貢献をしていると思ったら、それは実は部下のこのジェフ・エメリックがしていた、ということだ。
ジョージ・マーティンはクラシカルなアレンジの譜面を書いたりなどの貢献はしていると思うが、トリッキーな斬新なレコーティング・アイデアはほとんどこのジェフ・エメリックが切り開いていた様なのだ。
まあ、ジェフの書いている本によるとだけどね。
税込みで2,940円。決して安い額ではないけど、ビートルズ・ファンであれば絶対楽しめる、大推薦の一冊です!
「All you Need is Love」の世界同時中継の仕事をブライアン・エプスタインがせっかくとってきたのに、「ライブはやらない」と言っていたビートルズに何の相談もなくとってきてしまったもんだから、その知らせを聞いた時のビートルズの様子とかも書かれているし、実際の生中継で誰が本当に楽器を弾いていたかとか、そうなった経緯とか、始まる前にジョンもポールも異常に緊張してたとか。
そんなエピソードがごろごろしてます。
ウィングスの時は除いて、ビートルズだけで言えば『Revolver』の時が蜜月というか、やはり一番楽しそうで、創造性にあふれているきがしたなー、この本を読んで。
ちなみに、この本の原題は『Here, there and Everywhere』という。
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