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父の闘病記(187)

2015318日(水)
213日はG病院の通院日。
L病院での採血結果&治療概略と日々の血圧&脈拍&体温表を
お渡しする。
レブラミド単剤治療では、IgG値が上がったので、次回はプレドニゾ
ロンを併用して内服するようになった事を説明する。
最近気になる事で、お風呂に入った際、ゼイゼイと苦しそうな息に
なる事を伝える。
大動脈弁閉鎖不全症の持病があるので、多発性骨髄腫の告知を
受ける前までは、1年に1J病院で心臓の定期健診を受けていた
のだが、今ではそれを怠っている。
もちろん、心臓の持病の事は、私も気になっていたので、G病院で
心臓のエコー検査を行っていた。
1年ほど前くらいだったでしょうか?」とd先生に尋ねると、カルテを
めくりながら、
「前回の検査からもう3年以上経ちますね。」と言われ面食らう。
歳月が流れるのは実に早い。
次回の診察の時に、心臓のエコー検査ができるように予約をお願
いする。
幸いd先生は、循環器系の専門医でもいらっしゃるので、多発性骨
髄腫の告知後は、心臓の検査はd先生にお願いしている。
診察を終え1時間のリハビリで汗を流した後、帰宅する。
 
35日はL病院の通院日。
尿は予め家で採取したものを受付で渡す。
いつものように採血室に入ろうとすると、看護師さんが「点滴があ
るので、二度刺ししなくていいように、ポートを入れていいです
か?」と聞いてくる。
「点滴をする事はないハズですけど・・・」と言っても、「採血結果に
よっては点滴をするかもしれませんから、その時また針を刺さない
といけなくなるから二度痛い目にあいますよ。」と畳み掛けてくる。
「熱もないし、他に変わったところもないから、点滴をする必要はな
いと思いますよ。」と言っても、「念のため」等と言って、聴く耳を持
たない。
訳の分からない事を言う看護師さんだなあと思っていると、後ろか
ら車椅子に乗ったおじいちゃんが酸素を吸引しながら入って来て、
別の看護師さんがその方用だと採血キッドを置いていった。
すると、先ほどの看護師さんが、えっ!という顔つきになり、「あ
ー、間違えた」と言ってギャハハと笑う。
近くで油を売っていた3人の看護師さんも、それを見てニヤニヤ笑
う。
何という事はない。
父とその車椅子の男性と間違えていたのである。
前々回あたりの通院から感じていた事だが、看護師さんが段々と
入れ替わっているようで、明らかに仕事の姿勢に問題のある人た
ちが増えている。
注意力散漫、気が利かない、多忙そうにしている人がいるかと思え
ば、すぐ側で暇を持て余している人がたむろしている。
はっきり言って、弛緩しきっているのである。
私は仕事柄、マネージメントの観点から、職場を見る癖がある。
現場で働いている人たちを見ていると、中間管理職の質や、組織
のトップの器量がよく分かる。
残念ながらL病院は、意識の高い看護師さんが流出しているようで
ある。
これは、病院だけのことではなく、今の日本社会は、働く意識の高
い人ほど、一線から退いている人が多いと私は感じている。
それほどまでに、日本企業の質は落ちているし、そんな企業を動
かしている中間管理職とトップの質も、当然見る影もない。
結果、末端で働く人たちは、お金を稼ぐ為、「ただそれだけ」の為に
働くという人が多くなっている。
「働く」ことの意義を「カネ」だけでしか計れない人たちが大半を占
める職場は、さもしく、貧しく、暗くなっていき、やがて段々と、意識
や能力の高い人たちは去っていくのである。
腰痛防止のため、採血結果を待つ間、採血室のベッドで寝させても
らう。
圧迫骨折の後遺症から、30分以上座っていると腰が痛くてたまら
なくなるらしい。
1時間30分ほどで、診察室へ呼ばれる。
採血結果は、前回の129日と比べると、
総蛋白=6.16.1、アルブミン=3.13.1
補正カルシウム=9.69.7、クレアチニン=1.171.21
カリウム=3.94.0CRP0.790.16WBC3.13.0
HGB12.112.5、PLT135164
IgG15921723IgA132104IgM2124
であった。
レブラミドを飲み続けているのに、IgG値が上がっている。
やはり前回懸念していた事が当たったようである。
前回もIgG値は上がっていたが、IgA値も上がっているので、正常
な血液が増えている事も予想されると、楽観的な評価をe先生はさ
れていたが、今回はIgA値も下がっているので、その言い訳はき
かない。
さて、どう評価するか?
まず、CRPは、基準値内におさまっているし、その他の数値も、病
態の悪化を懸念するような材料は見当たらない。
父の体調も良好である。
レブラミドの量を増やすかどうかという事を言われたe先生だった
が、「Mさんは、やっぱりデカドロンがあっているのかも・・・。」とポ
ツリと呟いたe先生の言葉に私は飛びつき、「私もそう思います。」
とすかさず応えた。
この考えは、私と同じである。
足の付根の骨折から始まって、背骨や胸骨の圧迫骨折を次々と発
症し、2年間にも渡って、C大学病院の整形外科に通っていたにも
関わらず、ついに整形外科の先生は父に多発性骨髄腫の診断を
下せなかった。
単なる高齢による骨折だと言い続けたのである。
小さな整形外科病院ではなく、院内に血液内科も供える大学病院
での出来事である。
今思えば、怠慢な診察に他ならない。
多発性骨髄腫の病態が発症しているにも関わらず、2年以上も治
療を行わなかったので、必然的に末期の症状に陥り、救急車で搬
送され、急患診療でやっと多発性骨髄腫との診断がおりた。
ちなみに、その時(20101020日)の血液データは、
総蛋白=8.7、アルブミン=3.0、補正カルシウム=15.1
クレアチニン=3.03、カリウム=3.7CRP1.56
WBC5.3HGB9.4PLT191
IgG4223IgA32IgM22、であった。
入院3日後には、クレアチニンが3.65とハイスコアになり、もう一日
入院が遅ければ透析しなければいけなかったと言われたものであ
る。
その救急搬送時に診てくれたのが、e先生であり、その時私e
生は「「治療をしますか?」と私に問うてこられたのである。
(病院なんだから治療するのが当たり前やろうもん!)と私は、頭
で怒鳴りながらも、「お願いします。」と神妙に伝えると、「ここまで
悪化していると治療するリスクは高いし、ましてや高齢だから・・・」
e先生は明らかに腰が引けていた。
しかし、患者家族から治療をして欲しいと言われては断る訳にもい
かず、デカドロンを110mg4日間点滴して、4日間休薬、更に4
日間点滴、4日間休薬、そして次の4日間点滴予定の初日の点滴
で、アスペルギルス感染症が発症し、それにより多発性骨髄腫の
治療は中止になったのである。
その後、MRSAも同時に罹患し、三途の川を渡りかけた。
詳細は、闘病記の最初をご覧いただくと分かるが、今思えば、e
生が治療を躊躇われた訳が理解できる。
それ程、デキサメタゾン投与による感染症リスクは高いのである。
肺炎が治らないまま、その間に多発性骨髄腫も悪化して、このまま
逝ってしまうであろうというe先生の大方の予想を裏切って、父は生
還した。
それは、デカドロンの御蔭であった。
デカドロン投与による免疫力低下の副作用で、アスペルギルス感
染症やMRSAに罹ってしまったが、父に投与されたトータル90mg
のデカドロンは、多発性骨髄腫の進行を半年間にも渡り見事に抑
えたのである。
こんな経験をしているので、e先生と私は、デカドロン(キサメタゾ
)贔屓なのである。
e先生によると、プレドニンは、抗腫瘍効果が期待できないらしく、
デキサメタゾンにはその効用があるらしい。
だから、父もデキサメタゾン単剤投与で、発症当時の病態を改善さ
せられたのであろう。
よって、次回の治療は、レブラミドの量は変えず15mg2週間続
けて飲み、次にレブラミド内服開始日から、1日目レナデックス4mg
×1錠、2日目デカドロン0.5mg×4錠、3日目デカドロン0.5mg×2
4日目デカドロン0.5mg×1錠、8日目レナデックス4mg×1錠、9
目デカドロン0.5mg×4錠、10日目デカドロン0.5mg×2錠、11日目
デカドロン0.5mg×1錠と飲む。
内服開始は、満月の翌日の37日からお願いする。
今回もe先生から何故その日からかなのか?を聞かれなかった。
いと、おかし。
これで、次回の採血結果でM蛋白が下がってくれれば、やはり父と
デカドロンとの相性の良さが証明されるであろう。
仮に、M蛋白が上がり続ける事になれば、薬剤変更も視野に入れ
なければならない。
新薬のポマリドミドは、今しばらく待たなければいけないようなの
で、ボルテゾミブかサリドマイドか・・・。
一度重篤な肺炎に罹っている父は、稀にではあるが間質性肺炎の
副作用の懸念があるボルテゾミブは、e先生も使いづらいであろう。
間質性肺炎に罹れば命取りである。
いずれにしても、そんなに急激に悪化する事は、現段階では考え
づらいので、そこまで深刻になる必要はないとe先生から言われ
る。
それよりも、くれぐれも感染症に注意するように念押しされる。
診察室に入って直ぐに、e先生がカルテを見て、「あれ?体温も血
圧も測ってないの?」と呆れられる。
いつもであれば、検温と血圧を看護師さんが診察前に調べるのだ
が、今日はそれもされていなかったので、e先生自ら体温計を持っ
て来て、血圧も計って下さった。
看護師さんの質が下がっていくと、患者も気が抜けないが、一番大
変なのは、臨床現場で働いている医師であろう。
誠に気の毒である。
しかし、組織は決して末端からは腐らない。
必ず上から腐るのである。
大学病院というところは、「白い巨塔」がまだ放映中のようである。
 
313日にG病院にて、d先生から心臓のエコー検査を受ける。
G病院は、比較的小規模な病院なので、大学病院や大きな病院と
違い、検査の待ち時間がなくスムーズである。
検査が終わった後、そのままエコーの検査室内で、診察もしていた
だく。
L病院での採血結果&治療概略と日々の血圧&脈拍&体温表をd
先生にお渡しして、現在の治療状況を説明する。
プレドニンは効果が出なかったので、デカドロンに戻していただい
た事を報告する。
心臓検査の結果は、特段問題になるような箇所はなかったようで
ありホッとするも、お風呂に入った際のゼイゼイという呼吸の乱れ
の原因が分からない。
d先生が、肺の可能性を指摘されたので、次回の診察時に、肺の
レントゲン検査をお願いする事にした。
心臓検査や肺の検査は、L病院でもできるのだが、血液内科がご
専門のe先生より、循環器専門のd先生の方が、画像診断につい
ては確実であると私は感じているので、心臓や肺についてはd先生
に診ていただいている。
L病院で、父が採血室のベッドで採血結果を待っている間、私は待
合室のソファーで本を読んでいたのだが、ご近所のおじいさんが
「お父さんはどうね?」と声をかけてきた。
その人は、糖尿病で通院しているようである。
「お蔭様で、余命2年とか言われていましたけど、まだまだ頑張れ
そうです。」と返すと、
「今は医療が発達しとうけ、まだまだ生きるよー。人生は一回しか
ないんやけ、あなたも自分の人生を楽しまんといけんよ。」と声を抑
えて囁いてくる。
「ありがとうございます。」と笑顔で応じたが、人生は一回しかない
と思い込むから、生き方を間違えるのである。
生存は存在の一部分であるということに気付けば、みんな、もっ
楽に生きられるのになあと思いながら、そのおじいさんを気の毒な
目で見つめてしまう。
「説明しても分からない人には分からない。」
先日辞任した農相と操る言葉は同じでも、その言葉に籠めた絶望
は天と地ほども違う。
お父さんも、人生は一回しかないと思っているようだけど、一回死
ぬと分かるから、期待していてね。
とは言っても、まだまだお迎えは先のようだから、天命をまっとうし
ようね、お父さん。 
 

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ryuizuさん はじめまして。
新着から訪問しました。
信頼のおける病院、医師、看護師であって欲しいですね。
安心して治療に専念出きませんよね。まして、ご家族の立場であれば、24時間付き添うわけにも行きませんから…。
働く目的が「カネ」だけになった職場はいろいろな意味で崩壊していますね。チームや組織としての成果より、楽して稼ぐ利己主義に傾倒します。その結果、責任感の強いメンバーに作業が集中して、そのうちそのメンバーも「やってられるか」と離職につながります。そして悪循環の始まりです。
よく分かっていないのに、勝手なことを書きました。失礼しました。
どうぞお父様が安心して治療に専念出来ることを願っています。

2015/3/18(水) 午後 1:41 [ おやじライダー ]

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おやじライダー様

コメントありがとうございます。

仕事に対する姿勢の違う人たちが入り乱れる職場は、どうしても低い次元に引っ張られる人が多くなります。

今の時代、暖かい職場が少なくなっているようで気掛かりです。

面白いもので、職場の雰囲気を眺めると、私はその会社の業績が分かってしまいます。
一種の職業病ですね。

御蔭さまで父は、日本の男性の平均寿命を超えましたが、医療費をたくさん使って長生きをすると、麻生太郎さんや曽野綾子さんにお叱りを受けそうで、ヒヤヒヤしますが、これからも、明るい介護を心がけて、生かされていることに感謝しながら、日々を大切に暮らしていきます。

2015/3/19(木) 午後 2:02 [ ryuizu ]


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