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翁長知事が北京で李克強首相と10分間話し合った。河野洋平訪中団が北京を訪れ1時間李首相と会談した中で、河野以外に唯一翁長だけが李首相と話し合う事ができたそうだ。李克強が首相就任以降日本の自治体の長と会談するのは初めてらしい。翁長との会談(面談レベルだが)はかなり異例の事であった訳だ。今回の訪中団は経済団体としての訪中であったが、沖縄がその中に含まれた事で政治的意味も出て来た。翁長は中国と沖縄の航空定期便の話などをしたようだが、琉球王国と中国の歴史を語ってもいる。中国にとって沖縄は日本とは違う捉え方である事は疑いない。中国首相が沖縄の知事と10分とは言え話し合った意味は相当大きい。

沖縄に帰った翁長が言うには、李首相は沖縄にも行ってみたいという事だったらしい。ちょっとした外交辞令的発言かとも思うが、そこに隠されたものは物凄いものがある。もしかしたら李克強はその事を分かった上で発言したのではないかとも思われる。嘗て中国政府最高首脳が沖縄について何か語った事があっただろうか。軍関係者からミサイルの射程範囲に沖縄が入っている事位の事は発言があっただろうが、外交の対象として沖縄が語られた事は多分今回が初めてだろう。

沖縄にも行ってみたいという意味であるが、北海道にも行ってみたいなどとは相当違う。桁違いに違うと言っていい。恐らく李克強の個人的思いもあったと思う。沖縄は中国と歴史的繋がりが強い事位の知識はある筈で、加えて美しい海のイメージもあるだろう。一般の観光客的発想からの行ってみたいだった可能性も十分ある。しかし、そんなレベルで公の発言が出る訳はない。

中国首相がもし沖縄を訪れたら一体どうなるか。今回の発言を受けて翁長が李首相を沖縄に招く計画を打ち出す可能性もある。もしかしたらその計画実現に鳩山の支援も得られるだろう。本命は小沢一郎だ。小沢を先生と呼ぶ李克強である。知事選の時は小沢の生活の党は翁長を支援していた。翁長と小沢は無関係ではない。小沢の強力なパイプを使って李克強を沖縄に招く事が実現できる可能性はある。

米軍基地で埋め尽くされる沖縄に、今や世界の中心になった中国の首相がやって来る事はかなりのインパクトを世界に与えるだろう。沖縄はもう完全に琉球王国時代のアイデンティティーを蘇らせる。辺野古埋め立てに狂奔する安倍政権にとって、李首相訪沖は途轍もない逆風になる。世界の目が沖縄に注がれる事で、米のダブルスタンダード民主主義も露わになる。

沖縄は日米ブラック同盟の情報統制によって国内国外の目から切り離されていた。沖縄は正に東アジアの盲点のような存在にさせられていた。そんな所に李克強首相が訪れれば、沖縄の注目度が一気に世界レベルに引き上げられる。観光的価値は計り知れない。小さな沖縄に中国からどっと観光客が訪れて爆買いしてくれれば、経済効果は途轍もない。

一番の変化は沖縄自身に起きる。李訪沖は沖縄に琉球の自覚を呼び覚ます。今回の翁長と李の面談は、琉球と中国の再会の歴史的意味があった。米軍基地の島沖縄は今後中国に目を向ける。中国との繋がりの中で米軍基地問題に立ち向かうだろう。中国にとって沖縄の米軍基地は絶対に無い方がいい。米軍基地追い出し作戦で沖縄中国は共同戦線を張れる。今翁長の頭の中では中国との関係をどう具体的に発展させるか、それを経済自立そして政治の自立にどう結び付けるかでグルグル回っているだろう。

10分の面談の中で発せられた「沖縄にも行ってみたい」の李発言が実現する可能性は十分にある。そこに秘められた歴史的インパクトは東アジアの地政学をひっくり返す。李克強は沖縄を訪れるだけでいいのである。たったそれだけで東アジアの地政学は地響きを立て始める。

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