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2001年アメリカ・ドイツ・英国・アイルランド合作
脚本 ジャン・ジャック・アノー / アラン・ゴダール
監督・製作 ジャン・ジャック・アノー
ヴァシリ:ジュード・ロウ
ダニロフ第二級政治将校:ジョセフ・ファインズ
ターニャ:レイチェル・ワイズ
ケーニッヒ少佐:エド・ハリス
ウラル地方の羊飼いの家に生まれたヴァシリは、幼い頃から祖父に射撃を仕込まれた。
おとりの馬に襲いかかろうとする、狼の目を一発で撃ちぬく訓練を繰り返し行わされ、育った。
青年となったヴァシリは、ナチス・ドイツが、攻め込んでいたスターリングラード(現ボルゴグラード)に補充部隊の新兵として送り込まれる。
そこで出会った、青年政治将校ダニロフは、ヴァシリの射撃の腕に驚嘆し、ドイツ軍の将校を狙う、狙撃兵(スパイナー)として起用することを思いつく。
次々と標的の将校を倒していくヴァシリの記事を、ダニロフが書き、新聞、ラジオで報じられることで、ヴァシリはソビエトの英雄となる。
友となった2人の前に、美しいレジスタンスの女性兵士、ターニャが出現する。
その頃、天才スパイナーとしてヴァシリの名がドイツまでとどろいた結果、ドイツ軍は、彼を殺すために、自ら志願した、貴族の、老兵ケーニッヒ少佐を送り込む。
ある日、ヴァシリは、相棒と2人で、ビルの廃墟を移動し、標的となる将校を探していた。
壁と床が壊れ、外から剥き出しになっている場所を、相棒が、ジャンプした。
その時、一発の銃声が響いた。
撃たれないように最初にジャンプした相棒の頭部が、正確に撃ちぬかれているのを確認したヴァシリは、体が小刻みに震えるのを止めることができなかった。
天才スパイナーにしてソビエトの英雄、ウラルの羊飼いの子、ヴァシリは、初めて、互角以上の実力を持った相手と遭遇し、恐怖に震えた。
ヴァシリを愛していたターニャは、彼に危険が迫っていることを知り、配属されていたダニロフの広報宣伝部隊を飛び出し、銃を取り、ヴァシリのもとに駆けつける。
ターニャの助けを得て、ヴァシリは、ケーニッヒに一矢を報いた。
2人が結ばれたことを知ったダニロフは、嫉妬に狂い、ヴァシリに危険な任務を言い渡すのだった。
ミスを犯し、任務に失敗したヴァシリは、自分が英雄ではなくただの男であることを悟り、ダニロフに狙撃兵の任務から降りることを願い出る。
しかし、ケーニッヒは執拗にヴァシリをつけ狙い、彼の情報を入手するために利用していた、幼少の少年、サーシャを裏切り者として殺し、逆さ吊りにする。
サーシャを可愛がっていたターニャは、サーシャの家族に彼が殺されたことを隠し、スターリングラードから脱出させようとするが、被弾し致命傷を負う。
ケーニッヒと対峙するヴァシリに、ダニロフは、ターニャが即死状態だったと伝え、「新しい平等な社会を夢見たが、愛されることに恵まれた者、恵まれない者がいるのは永久に変わらない」と語り、ヴァシリにケーニッヒの居場所を教えるべく、自ら標的となる。
最愛の女(ひと)を失ったヴァシリは、この地スターリングラードで息子が戦死した、ドイツの貴族、老兵ケーニッヒ少佐と、革命の理想のためでなく、国家のためでもなく、むろん名声のためではなく、ただ哀しみを背負い、最後の戦いに臨む。
勝負に負けたケーニッヒは、帽子を取り、ヴァシリを見た。その瞬間、弾丸が、彼の眉間を貫いた。
ヴァシリは、亡き友、ダニロフの銃を、瓦礫に立てかけ、その場を去っていった。
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