熟年夫婦の明日香村移住日記

05年にしぐれさんと憧れの飛鳥に転居した、元東大全共闘、ムラ弁護士のカキシャンの文化に目覚める日記

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[ら」騒動

ある刑事事件の裁判の記録です。
検察、裁判双方の問題点を指摘しています。

裁判といえども人間のすること。

こうして間違えることがあるのです。

他山の石にしなければね。


弁論要旨

電磁的公正証書原本不実記録・同行使 、外国人登録法違反被告事件
被告人 A                            
                    平成20年4月25日

                                    
                   
                               弁護人    松 原 脩 雄
                               弁護人    乙
                弁護人     丙                            
第1 略
第2 略

第3 訴訟手続等について

1 当初訴因は、「被告人は、 Aらと共謀の上、・・・」
となっていたが、この「ら」(以下、本件「ら」という)は、訴因の特定の観点からは、不特定で違法というほかないものである。

2 従来『共同正犯については、「共謀の上」と記載し、それ以上に共謀成立の目的・場所や共謀の態様・内容等を具体的に記載しないのが実務おける慣行』(注釈・刑事訴訟法[新判]第3巻・471P)とされ、これを支持する最高裁大法廷判決(白山丸事件)も存在しているとされている。

3 しかし、こうした判例、実務においても、共同正犯者そのものの不特定を許容する主張は見いだすことができない。
実際、こうした「ら」に直面し、公訴事実の認否を求められる被告人・弁護人の立場にたてば、不可能を強いるものであることは直ちに看取されるから、そのように主張するものが現れないのであろう。

4 このように訴因が不特定の場合に、従来公判手続においてその効力をどう考えるべきかが論じられてきた。
  即ち、訴因の不特定性の程度の「瑕疵が重大であって補正の余地がない場合には、338条4号ないし339条1項2号に該当することになるが、その瑕疵がさほど重大でない場合には、検察官の釈明等による補正追完が認められる」(前掲書・465P)という区分に従った対応がなされてきたようである。
そして本事件において、弁護人は、上記区分に従い、本件「ら」について、瑕疵は重大でないと敢えて措定し、検察官の釈明を認容してその補正追完を容認したのである。

5 かようにして公判手続きにおいて瑕疵は治癒されたものの、被告人の身柄関係においては、本件「ら」問題は、多くの問題点を含んでいたことを指摘しておきたい。
  すなわち、弁護人は、本件「ら」訴因があるにもかかわらず被告人の勾留が決定されたことにつき、勾留理由開示を請求したのであるが、
その勾留理由開示公判において、裁判官は、本事件における起訴後の勾留は、本件「ら」訴因を含む本件公訴事実を判断の対象とせず、起訴に先行する逮捕被疑事実(被告人とB二人のみの共同正犯として特定されていた)が勾留判断の対象事実であったから、勾留決定には、違法はない、と断言されたのである。
 しかし、これは明白な誤謬である。  刑事訴訟法60条は、公訴提起の際の勾留手続について定めているが、勾留の要件である「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」の「罪」とは、「起訴状に公訴事実として掲げられた犯罪事実、すなわち訴因のことをいう」(注釈 刑事訴訟法[新版]第2巻19P)とされているから、起訴後の勾留にあたっては、訴因が対象でなければならないところ、逮捕被疑事実を対象とされたというのであるから、勾留判断が違法になされたことついては、疑う余地はない。

6 そこで弁護人としては、かかる違法な勾留の取消を求めて準抗告を辞さない旨を明示したところ、検察官から保釈に応じる意向がもたらされたので、第1に、被告人の早期釈放の利益を最優先としていたこと、第2に、仮に準抗告が認められた場合、本事件に関係する同様の「ら」問題を抱える共同正犯者が少なくとも4名はおり、その中には、国外退去まで日本国内での釈放を許してはならない外国人が3名含まれているという事情にあって、これらにも重要な影響を及ぼすことを回避する必要があること、を考慮して、準抗告を提起せず、この保釈に応じることとした経過がある。

7 このように、本件「ら」のごとき共犯者不特定の起訴が今後も行われるようであれば、公判段階では、補正による救済は得られても、勾留段階で重要な障害に逢着することは容易に予想されることである。
よって、本件事件の判決にあたっては、検察官に対して、今後かかる訴因不特定の起訴をさせないよう裁判所から厳重な警告を発しておくよう特に要望しておきたい。

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