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《パンダ。》です。
エラリー・クイーン、ウ″ァン・ダイン、アガサ・クリスティが活躍した、いわゆる本格ミステリー黄金時代と言われる推理作家の多くは、未だ未訳の状態でいます。
その中で、幸いに出版されている作品に、クリスティと同じく女流作家ヘレン・マクロイが書いた『家蝿とカナリア』という黄金時代末期の傑作ミステリーがあります。
この作品は、心理学者であるベンジルを名探偵役に据えて、人間の心理から推理して事件を解明していくという特徴をもった本格推理小説です。
一見不可思議な犯人の行為を、心理の面から見事に解きほぐしていき、痛快感を覚えます。
また、前回紹介したエラリー・クイーンの「ローマ帽子の謎」と同じく、演劇の劇場内での上演中に発生した殺人事件を取り扱っており、二つの作品を比較して読んでみるのも面白いでしょう。
黄金時代の濃密で凝縮された本格ミステリーの奥深さと面白さを、この作品で思う存分に堪能してみてはいかがですか。
【ヘレン・マクロイ著『家蝿とカナリア』(創元推理文庫)】
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