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会計とは、経済主体が営む経済活動およびこれに関連する経済事象を測定・報告する行為をいいます(「財務会計(7版)」・広瀬義洲・2頁)。
会計は企業の経済活動を表す言語として、法律を学ぶ上でも重要な知識となります。私自身、とても偉い方に、会計の知識は空気と同じだと言われたことがあります。私の現状を示せば、いまだ水中生活が続いているところですが・・・・(苦笑)。
空気は言い過ぎだとしても、会計の知識は、法律実務家、特にファイナンスやタックスを専門とする法律実務家にとっては必須の知識となっています。
今回は、会計について、特に会社法会計と金融商品取引法会計(証券取引法会計)における監査証明について少し検討してみましょう。
会社法上、財務書類の会計監査人設置会社においては、計算書類及びその附属明細書について会計監査人の監査証明を受けることが必要とされています(会社法436条2項1号)。そして、会計監査人は公認会計士又は監査法人でなければならないとされています(337条)。つまり、会社法会計においては、会計監査人設置会社は、計算書類及びその附属明細書について公認会計士又は監査法人の監査証明を受けることが必要であることになります。
他方、金融商品取引法においては、有価証券報告書等の書類について、公認会計士又は監査法人の監査証明が必要とされています(金商法193条の2)。
以上のように、会社法と金融商品取引法とが両方適用される会社にとっては、会社法上の監査証明と金融商品取引法上の監査証明との2つの監査証明を受けることが必要となってきます。
もっとも、監査証明は、両者とも公認会計士又は監査法人によるものとされていることがら、実際上は同一の公認会計士又は監査法人の監査証明によって対処されています。
ただ、ここで留意すべきであるのは、実際上はどうであれ、理論上は、会社法上の監査証明と金融商品取引法上の監査証明とは別の概念であるということです。
もっと極端に言えば、会社法上の会計監査人による監査証明と金融商品取引法上の公認会計士又は監査法人による監査証明とは無関係であるということです。
このような事態が発生するには、私見では二つの理由があるものと思われます。
まず、一つは、会社法と金融商品取引法との所管行政庁が異なることです。もう一つは、会社法会計と金融商品取引法会計との目的がことなるからです。すなわち前者は剰余金の配当規制を主たる目的とし、これに対して後者は投資者保護のためのディスクロージャーをその目的としています。
以上、検討してきたように両会計における監査証明は、理論上無関係ですが、実際上の法制度は、両者が矛盾するという制度設計にはなっていません。会計上、会社法、証券取引法、税法のトライアングル関係は崩れたのではないかとの指摘もあるようですが、法律の世界ではどのようになるのかが注目です。
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会社法監査、金商法監査の違いがわからなかったところにこの記事を見てすっきりしました!
ありがとうございました!
2011/11/18(金) 午後 2:59 [ あき ]