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きっと…

このごろちっとも酒が旨くない
 
酒を語れる大人になることが
 あなたに好かれると思っていた
 
なれなかったンだよね きっと
 
 
時間を取り戻せるなら そうしたい
 
 酒を知る前の自分に戻りたい
 
そしたら きっと 
  あなたと酒を酌み交わすことができただろうに
 
旨い酒と 合性の良い肴を 楽しめただろうに
 
どうして生きているのだろう
 どうやって生きていけば良いのだろう
 
教えてくれると思っていた
 未だ 教えてもらっていないのに…
 
 
 
あなたに会いたくないのではない
 
叱られ 褒められ 成長した自分が
   あなたに好かれると思っていた
 
なれなかったンだよね きっと
 
元気な姿のあなたに会いたい
 
そしたら きっと 
  自信を取り戻せることができるだろうに
 
仕事と家族と笑顔が溢れる日常だろうに
 
どうして涙が流れるの
  どうしたら涙を止められるの
 
吹き飛ばす想い出があれば良いのに
  想い出すことのできない現在が悲しい
 
 
 
あなたを見ていると辛くなる
 
助け 励まし 力づけしてやることが
  あなたにしてやれる唯一のことかもしれない
 
できないンだよね きっと
 
時間がないというのは言い訳
 
ずっと傍にいて 話を聞かせて欲しい
 
意味が判らなくとも 聞くことに意味があるのだから
 
残された時間は限られているのだろうから
 
 
どうして生きているの
 どうやって生きていけば良いのだろう
 
叱ってくれる人はいない
  励ましてくれる人もいない…
 
1日遅れでスミマセン。

前回よりは、ペースを回復と云うことで、ご了承を。。。




前回までの、読み直しは、こちらから。












では、続きをどうぞ。





 「そう云えば、名刺を置いていかれましたよ」

 美香が、思い出したように云った。

 「どれ?」

 「レジに保管してありますよ」

 美香は、嬉しそうに云った。

 「まだ、チャンスがあるかな?」

 手に持っていた、くまのマスコットへ声をかけた。

 「きっと、大丈夫だよ」

 私は、腹話術の声で云った。

 「どうしたのですか?マスター?」

 美香は、笑いながら云った。

 「大丈夫みたいだよ」

 私も微笑みながら、美香のことばに答えた。そして、置いていった名刺を確認するため、
レジへと向かった。

 レジ下にお客様からいただいた名刺入れの箱がある。その一番上に、手書きのものがあった。
ほのかからのものである。

 レモンイエローの優しい色合いの和紙。『ほのか』の名前とともに、携帯電話の番号と、
メールアドレスが記されているシンプルなものだった。

 早速、その番号に電話をしてみる。

 受話器から聞えたのは、冷たい返事だった。現在使われていません、のメッセージ。

 名刺を見直し、もう1度かけてみた。

 同じメッセージが流れてくる。

 何故?

 記載間違いだろうか。自分の番号を間違ったりしないだろう。

 発信した履歴の番号を確認すると、名刺に書かれているものと一致する。
昨日の今日で携帯電話の番号が変わったのだろうか。

 電話がダメであるならば、メールを打ってみようと思い、携帯電話を手にした。

 メールもダメならどうしよう。不安が過ぎる。

 

 『昨夜は、お越しいただいたのに、不在ですみませんでした。

  山崎の18年は、ご用意させていただきます。

  また、ぜひ、お越しくださいませ!


              マスター』




 思いつくまま、とにかく、急いで打った。そして、直ぐに送信をした。

 送信が無事に終わったかと思うと、直ぐに受信が起動し始めた。むなしいお知らせのメールが
届く予感。届かないでくれ、と強く願うも、叶わないものだった。

 案の定、あて先が見つからないと、お知らせするメールであった。

 何か他にメッセージが無いか、名刺の裏を見てみる。

 表面同様、手書きの文字で記されていた。




 『約束…』




 私は、彼女の残して行ったくまのマスコットをレジの脇に置いた。大切なお客様を迎えるかのように。

そうすると、何となく、もう1度来ていただけるような気がしたのだ。

 そして、私はくまの眼を見つめ、訊いてみた。

 「ほのかさんは、また、来てくれるかな?」

 くまは、黙ったままだ。

 でも、苦笑いをしたように感じた。

 「約束、破ったンだよね…私」

 くまに語りかけた。

 反応するわけも無い。しばらく、くまの表情をうかがっていたが、変わる様子も無かった。







<続く>
すっかり間が開きました。
気付けば、1ヶ月ぶり??

大変失礼いたしました。
内容、忘れられていますね、、、


きっと。




始めからの、読み直しは、こちらから。









続きをどうぞ。






 翌々日

 開店の準備の確認のため、カウンター席を見てまわると、見覚えのあるくまのマスコットが、
足元の位置に落ちている。

 そう、彼女の持っていた2匹のくまのマスコットのうちのひとつだった。

 私は、それを拾い上げ、昨日も出ていたスタッフの美香に声をかけた。

 「昨夜は、カウンターにもお客さんを通したの?」

 私が休みの日は、カウンターにお客さんを通すことはめったに無い。かなり忙しかったか、
希望したお客さんくらいしか使うことがないはず。

 「はい。マスターに逢いに来られたとかで、ずっと、独りでお飲みでしたよ」

 「女性だよね?ちょっと、派手な感じの」

 「そうです。良くお判りで…」

 美香は、微笑んでいた。

 「何か云っていた?」

 私は、訊いた。

 「今日は、マスター休みなの?って」

 「で?」

 「休みの予定ですけど、来る場合が多いですよ、って云ったのですが…」

 「すると?」

 「嬉しそうにして、来るのを待っているって」

 そう云うと、私が持っていたマスコットに気が付いたのか、

 「そのマスコットと会話していましたよ」

 「なぜ、電話をくれなかった?」

 私は、怒ったように云った。

 「しましたよ。もちろん。大切なお客さんだろうと思ったので…」

 剥れたように、美香は云い返してきた。

 「電話、鳴らなかったよ」

 「繋がりませんでした」

 呆れたように、美香が云う。

 「そんなはずは…」

 と、云いかけ、思い出していた。

 昨夜は、新しく開店したバーに呼ばれていたのだ。そのお店は地下にあった。
携帯の電波が届かないので、客足に響かないか心配だ、というような話を店のオーナー
としたのを覚えている。

 「どこかで、飲んでいたのですか?」

 私は、苦笑いをして、

 「どれくらい待っていたの?」

 「開店直後にいらして、ラストオーダーの直前くらいだったと思います」

 「そんなに?」

 「ずっと、ウィスキーを飲んでいました」

 「山崎?」

 「そうです。18年はある?って訊かれて、12年しか無いと云ったら、それでもいいからって」

 「ボトルは無かったよね?」

 「ええ、ボトルで、って仰ったのですが、あいにく在庫が無いと云うと、残念そうにしていました。
だから、ずっと、ダブルで飲んでいらっしゃいました」

 「まずいな…」

 私は、呟いくと、

 「なにか、まずいことしましたか?」

 美香は、心配そうに訊いてきた。

 「イヤ、こっちのこと」

 私は、彼女の云った、『約束』のことばが引っかかっていた。そして、自らが発した、
『毎日でも』と云うことばに、罪の意識を持った。

 ウソをついたことになるだろうか。

 カウンターで独り飲んでいたという、昨夜の彼女の姿が思い浮かんでいた。

 もう、来ていただけないのだろうか。







<続く>
すっかり間が開きました。
2週間の無断休載です。


いろいろあって、更新できませんでした。
申し訳ございません。


復活しますので、今後とも宜しくお願いいたします。



で、初めての方は、こちらから。






続きをどうぞ。





 「やっぱり、マスターは、イイ人だ」

 彼女は、笑いながら続けて、

 「彼氏じゃないよ」

 「そうですか…」

 私は、ホットしたように云った。

 「彼氏がいたら、毎晩外で、独りで飲もうと思わないでしょ?」

 安心させるため云っているように思えた。

 「そうですよね、きっと」

 「仕事なの…これから…」

 今までの微笑から一転、元気のない様子で彼女が云った。

 「仕事ですか…お疲れ様です」

 それ以上、訊こうとは思わなかった。彼女がこれから、どのような仕事をするのか、
興味は湧いてこなかった。どのような仕事をしているのか、知りたいとも思わない。
そして、なぜその仕事をしているのかも、知りたくなかった。

 「あまり、行きたくないけど…」

 淋しそうに、彼女が云う。

 「ファイトです!」

 私は、こぶしを作り、彼女へ見せると、

 「だよね…ありがと…」

 彼女は、苦笑いをしていた。

 できる限りの笑顔で見送りたい、と私は思った。

 階段を上って行き、店の外へ出た。灯いているお店の照明も少なくなってきている。
今日の夜も終えようと云う雰囲気だった。

 「今日は、ありがとうございました」

 彼女に声をかけたとき、彼女はよろめき、私にもたれかかるようになった。彼女の息遣いが判る。
そして、お酒の匂いの陰から、一日の始まりに付けた香水を微かに感じた。

 「ごめんなさい…酔っ払っちゃたのかも…」

 耳元で彼女は囁いた。

 「大丈夫ですか?気をつけくださいね」

 「大丈夫、大丈夫。お酒、ちゃんと用意しておいてくださいね」

 丁寧なことばで、そう云うと、きちんと立って見せた。

 「もちろんです。山崎の18年ですよね。間違いなく用意いたします」

 「絶対、だよ」

 小指を差し出してきた。

 私も小指を出し、彼女の指に絡めた。酔いのせいなのだろうか。脈の早さと、
彼女の温かさが伝わってきた。

 「お名前をお伺いしていませんでした」

 「そうね…」

 思い出したように、彼女が云う。

 「よろしかったら…」

 云いかけると、

 「ほのかって、呼んで」

 「ほのかさんですね。お似合いのお名前です」

 「ありがと」

 彼女は微笑み、絡めた指を解いた。

 店の前には、黒いスモークのかかったセダンが停まっている。

 彼女は、こちらを振り向くことなくその車に乗り込んだ。彼女がドアを閉める音のする前に、
車は猛スピードで発進し始めた。私の耳には、静けさを求めている夜には似合わない、
排気音のみが残っていた。





<続く>
こんばんは。

本業のピークが今週になりそうです。

更新、ご訪問が殆どできない状態に、反省しながら更新中。。。

で、小説は、第10話です。




初めての方は、こちらからどうぞ。












では、続きをどうぞ。






 彼女は、嬉しそうに微笑みながら、

 「約束を破られたら、それまでにしなさいって」

 「なるほど…それならば、大丈夫ですよ…」

 彼女は、私の眼をじっと見ている。

 「約束は、守って当たり前です!」

 彼女の瞳に応えるようにして、私は云った。

 「いつも、ウソをつかれてばかりだったから…」

 「過去のことは、忘れましょう」

 「そうよね…」

 「終わったことを、とやかく云っても、仕方ありませんから…」

 彼女は黙って頷いていた。

 「ホント、約束、守ってね…」

 不安気に、彼女はことばを口にした。

 私は、微笑みながら、

 「心配なさらずに…」

 そのとき、彼女は脚を組み直したのだろう。彼女の靴のつま先が、私の脚にぶつかった。
これまでに感じたことのない刺激が、全身を一瞬にして駆け巡った。

 「ごめんなさい」

 テーブルの下を意識しながら、彼女が謝ってきた。

 「あっつ、大丈夫ですよ。ご心配なく」

 私がそう云うと、彼女は、最初にお絞りを渡した時と同じ笑顔を見せてくれた。

 「楽しい1日だった」

 「私も楽しい1日で終えられそうです」

 「毎日、こう楽しく終えられればイイのに」

 「そうですよね。そうだと、ホント、人生が楽しくなりますよね」

 「遅くまで、ゴメンネ」

 彼女は、軽くウインクをした。大人びた姿からは似合わない。でも、
あどけない少女のような一面で、素敵に感じた。

 「イエ、大丈夫ですよ。いつも、こんな感じですから」

 「マスターは、もてるから?」

 皮肉交じりに、彼女が云う。

 「誤解ですね、それは。いつも、この時間くらいまで、仕事しているってことです」

 彼女は、安心したような表情を浮かべた。

 「そうなンだ…大変だね」

 「お客さんのような方が、毎日のようにお越しいただけたら、大変なんて思わないですよ。
嬉しくて、嬉しくて!」

 笑いながら、私は云った。

 「そうなのかしら?」

 「そうですとも」

 頷いて云った。

 しばらく黙った後、彼女は、

 「ホントなら、嬉しいな、私も」

 「大歓迎です」

 「じゃ、また来るね」

 彼女は、携帯電話を開き、時間を確認しながら云った。

 「ぜひとも、お待ちしております」

 「迎えを待たせちゃているみたいだから…」

 彼女は、立ち上がりながら云った。

 「今の彼氏ですか?」

 意識して、不安気に、私は訊いた。

 「そう思う?」

 私は、苦笑いしながら首を縦に動かした。

 「そうだとしたら?」

 私は、少し首を斜めに傾け、苦笑いをした。






<続く>

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