スーパーレインボーラボラトリー(S.R.L.)

愉快な未来を考える、何でも創造研究所 武智 伸三 勝手な世界

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半導体工場のすべて

 このところ雨が多く昨日の土、日曜日も花見をあきらめた人も少なくなかったのではないでしょうか。花見客を当て込んでいたお弁当屋さんは、期待外れにがっかりした所もあるのではないでしょうか。
 季節や景気に振り回される業界は弁当屋だけでなく、テレビや携帯端末を作っている会社などでも、その時々の景気変動は激しく、景気の良さにすばらしい躍進を遂げていると見えていた会社が、急激に沈没し、会社の存続も怪しくなる事も珍しくありません。
 世界のICの大半を製造していた日本の半導体工場もいつの間にか全てが怪しくなり、日本の会社をまとめた日の丸会社に集約して立て直そうとしてもなかなかうまくいかないようです。官民一体で立ち上げた会社も存続が怪しくなり、海外の会社へ身売りしなけらばならない話も出ているようです。
 それでも品質は世界一だと言われていたのが、日本の半導体はトラブルが多く海外製に変えようかと考えていると言う話を知り合いのメーカーの技術者から聞き、いったいどうなっているのだろうとこんな本を読んでみました。
 日本の半導体創成期からかかわってきた専門家がまとめた本で、かなりリアルに描かれた工場の様子は素晴らしいものだと感じました。半導体工場に製造設備を供給する会社や材料やガスを提供する会社など多くのノウハウの固まりのような製造工程は一朝一夕にできるものではないと見えるのですが、営々と積み上げてきたその実績が瞬く間に崩れていくのはどうしたものでしょう。
 日本の人件費の高さから海外へ移転し、日本の競争力がなくなったと思われがちですが、半導体は設備産業の最たるもので、製品に人件費の占める割合は少なく、新しい技術の挑戦やより効率的な設備への投資などの判断を誤ったのではないかと想定されるようです。
 総合電機メーカーの一部の事業としての半導体は、会社の中では思い切った投資が難しく、ほどほどに事業が成り立てばと中途半端な経営判断をしているうちにまるで競争力を失ってしまったようです。
 これは、半導体に限った事ではなく、今の日本の伝統的な産業に多かれ少なかれ存在するのではないでしょうか。創立者の独創的経営から何世代も経営者が変わり、現状のほどほどの経営を何とか維持すればいいとする事なかれ主義が続き、気がつけば独創的な技術も一般化し、会社全体が事なかれ主義の積極性に乏しい空気が充満し、いつの間にか競争力の乏しい企業に陥ってるのではないでしょうか。
 昔は大変ユニークな製品で頑張っていた会社にそんな雰囲気を感じることも少なくありませんが、逆にもう終わりではないかと思えた会社がよみがえったりするのは、日和見主義で沈没を目の前にして頑張りが出たのかもしれません。
 半導体の技術と同時に日本社会の今後を考えさせられた本でした。

 

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